胸がキュン‥‥となる。
「‥‥麻衣、麻衣を全部、見せてくれる‥‥?」
おにいちゃんは、伺うように、躊躇うように、あたしに言った。
「う、は、ハズカシイ‥‥」
「何だよ、そんな恰好で散々オレ様を挑発させといて」
今気が付いた。おにいちゃんは、すごく照れた時に、それを隠すように自分のことを“オレ様”って言うこと‥‥。こんな癖さえも、今まで気が付けなかったあたし。
これから、もっともっと、おにいちゃんの知らない部分を、きっと知っていけるようになるんだ。
そうして‥‥。
あたしは、おにいちゃんのズボンをちらりと見やった。ソコはしっかりと存在を主張していて、ズボンを窮屈そうに押し上げている。
知らなかった部分の一つ。
「ココ、きついんですが」
と、おにいちゃんは伺うようにあたしを見て
「麻衣を見てたらこんななっちゃったよ、ズボン脱いでも宜しいでしょうか」
と何故か敬語になって言い、さっさとズボンを脱いでトランクスになった。下着姿になると、いっそう主張がはっきりと分かり、あたしのドキドキが一層高まる。
おにいちゃんは、暑いと言ってTシャツも脱いで、上半身裸になった。
鍛えられた胸筋。広い肩幅から腰にかけ、おにいちゃんの身体はキレイな逆三角形を描いている。眺めているだけでうっとりと良い気分になってしまう。
「麻衣も、脱ぐんだよ」
優しくおにいちゃんはそう言うと、またあたしの身体をひょいっと抱え、丁寧にベッドに寝かせた。仰向けのあたしの上に、おにいちゃんが馬乗りになる。
あたしのTシャツの裾に手をかけると、そのままたくし上げた。あたしもバンザイして協力する。するり、とTシャツが脱がされる。やっぱりハズカシくて、ブラジャーの上から胸を隠した。
「あ、明るいよおにいちゃん‥‥」
声が上ずる。
「カーテン閉めようか」
おにいちゃんはカーテンを閉めてくれたけど、まだ真昼間だ。隙間から入る日差しは何よりも明るくて、あたし達の身体にスポットライトを照らしているかのようだ。
「‥‥や、やっぱりハズカシイっ」
ひるんでしまう。あんなにも待ち焦がれていた瞬間が今、目の前に迫っていると言うのに。あたしのセクシー大作戦なんて、所詮ハッタリなのだ。今のあたしは、殻を失くしたカタツムリのようなものだ。ナメクジになって、塩を撒かれ最小限に縮まっている全く情けない状態だ。
「‥‥やめる?」
おにいちゃんが、悪戯っぽくあたしに伺う。
「‥‥ぅー‥‥」
「麻衣がやめるって言っても、オレはやめません」
そう言って、もう一度チュッとあたしにキスをした。一旦離れると、今度は頬、おでこ、首筋、とチュッチュッと小さな音を立てながら唇があたしの肌を吸っていく。くすぐったいような気持ちいいようなヘンな感覚。おにいちゃんはあたしの右の耳たぶにもチュッてして、それから手で、邪魔な髪を耳にかけ、ふぅ‥‥っと甘くて暖かい息を吹きかけた。
「ひゃっ」
あたしはヘンな声を出した。熱い舌が一瞬耳たぶに触れ、直後ぬちゅっと耳の中まで舐められる。
「~~~~~っ」
耳なんて、今までの人生で誰かに舐められたことなんかない。あってもせいぜい犬くらいだ。こんなトコがぞわっとするくらい気持ち良いなんて。ぬちゅぬちゅと舐めながらおにいちゃんは、あたしのブラの上から左胸を優しく揉みしだく。ゆっくり、ゆっくりと。
今日のブラジャーはいわゆる“勝負下着”で、黒のなかなかセクシーなデザインのものだ。かなりのお気に入りだ。
「下着もこんな黒い‥‥いやらしいの着けちゃって‥‥」
耳元でおにいちゃんが囁く。その声にもあたしは感じてしまっているのが自分でも分かった。
「オレに、見られたかったの‥‥?」
ぞくっとするくらい低くてセクシーな声で言う。つい先ほどの冷たい声とは全然違う。初めて聞く声。ドクン‥‥と、あたしの心臓が脈打つ。次の瞬間、胸を揉みながらぞわぞわと動く指が、あたしの先端を捉えた。
「あッ」
声を上げてしまった。身体が反応して勝手に出てしまった声だ。自分でも、こんな声を出してしまうなんて信じられない。やっぱりやっぱり恥ずかしいよ。
おにいちゃんの手が、あたしの身体とベッドとの間の僅かな隙間から背中にスルっと回り、ブラのホックが外された。反射的にパッと両手で胸を隠してしまう。
「だーめ、隠さないの!」
あたしの手を退ける。あたしはもう力が抜けてしまっているから、すっかりおにいちゃんのされるがままだ。腕からブラ紐が外されて、上半身はすっかり裸になってしまった。
あまりの緊張と興奮で、ハアハアと胸が上下しているのが自分でも良く見えた。
おにいちゃんの息も荒い。
直接、今度は右の胸も揉まれた。舌は首筋を這いながら少しずつ少しずつ下がっていき、左の乳首に触れた。
「‥‥ハァ‥‥っ」
とてもじゃないがもう目も開けてなどいられない。緊張で体中に力が入り、瞼をぎゅっと閉じてしまった。
おにいちゃんの舌先が、ちろちろとあたしの乳首を弄ぶ。どんどん硬くなっていくのが自分でも分かった。右の乳首もおにいちゃんの指先でくにっと摘まれ、指先は時折きゅうっと力を込めてソコを攻め立てたり、また緩めたりしてきてあたしはその度
「‥‥ッ」
と声にならない声を上げてしまっていた。
「‥‥麻衣、声出していいんだよ」
そう言っておにいちゃんは舌全体で乳首をきゅっと押し付けるようにし、次には「ツぱあっ‥‥」と音をたてて舌先で弾く。堪らなく気持ち良い。
「アッ」
「我慢するなって‥‥ほら」
おにいちゃんの舌の動きが一層激しくなって、ぺちゃぺちゃと音を立てながら乳首を舐め、片方の乳首は指先でこりこりとしてきた。
もう一方の手の指があたしの耳の中に入って、ごそごそとくすぐってくる。
こんなにいっぺんに快感を与えられたら、もう、我慢できないよ。
「は‥‥あんッ‥‥!」
「麻衣、気持ちいい‥‥?」
「うん‥‥気持ち‥‥いい‥‥ッ‥‥」
「じゃあもっと気持ちよくしてあげるね」
おにいちゃんの手は、今度はあたしの膝にかかる。
「膝、立てて」
マイクロミニのスカートは捲り上げる必要もない。膝を立てただけでもう、パンティが露わになってしまった。
もうあたしの気持ちは恥ずかしいという思いよりも、次に与えられる快感を待ち焦がれる期待でいっぱいだ。
「麻衣、もう少し足広げるよ」
両膝に手をかけ、少し開かれた膝からツウッ‥‥と内腿の方におにいちゃんの手が動いていく。産毛を撫でるような微妙な力加減で。
「ああ‥‥」
腿の付け根まで手が来ると、また膝の辺りまでそわそわと戻っていく。あたしにはそんな意志などないのに、勝手に足ががくがく震えてきた。
「麻衣、カラダ、楽にして‥‥」
「う‥‥うん‥‥何か‥‥勝手に震えちゃう‥‥」
膝と内腿、腿の付け根までそわそわ動かしていく手は、ゆっくりと往復しその度にパンティのラインをスッとなぞっていく。
「‥‥んっ‥‥ハァ‥‥ッ」
おにいちゃんの指が、とうとうパンティの上からあたし自身の入り口にツ‥‥と触れてきた。
「あン」
「わ‥‥麻衣、ココ、もーぐしょぐしょだよ」
ツゥ‥‥と指がパンティの上から縦になぞり、あたしの陰核を捉えた。
「やぁ‥‥ン」
「ん? どうした?」
わざとイジワルぽく言う。
「どーしたの、麻衣?」
言いながら、くちゅくちゅと陰核を捉えた指を小刻みに震わせてくる。
「あッあッあッ」
くちゅくちゅくちゅ‥‥
「あああンッ」
くちゅくちゅくちゅ‥‥
パンティーの上からなのに、あたしのソコはイヤラシイ音を立て、中からは蜜が溢れ出しているのが分かった。
くちゅくちゅくちゅ‥‥
片方の手が、スカートのジッパーを下ろす、そうしてスカートを完全に脱がすと今度は下着の中に指を入れてきた。
(直接‥‥おにいちゃんに触られちゃう‥‥っ)
「あああンッ‥‥」
おにいちゃんの指は溢れ出す蜜を入り口の辺りで絡め取ってから、陰核にきゅっと押し付けそのまま円を描くように動かしてくる。
「ああ‥‥ン‥‥ああッ‥‥あッ」
あたしのものとは思えないくらい高くていやらしい声が我慢できずに洩れていく。
くちゅくちゅという音は段々ぐちゅぐちゅと、より一層いやらしい音に変わっていく。
「聞こえる‥‥? 麻衣の音だよ‥‥」
また耳元でおにいちゃんが囁く。こんなことを言われているのにあたしはまた感じてしまって余計に声を出してしまう。
ぐちゅぐちゅぐちゅ‥‥
円を描くように動いていた指が今度は、左右に小刻みに素早く動き始めた。
片方の手が胸をこねくり回す。
(ダメ‥‥そんなにされちゃぁ‥‥あたし‥‥もう‥‥)
「や‥‥アン‥‥ッ‥‥ダメ‥‥ッおにい‥‥ちゃん‥‥ッ」
一気に快感の大波があたしの全身を貫いた。
あたしは、ビク‥‥っとのけぞりながら‥‥イッてしまった。
「‥‥ふ‥‥」
イッてもまだ、全身が脈打っている感じがする。恥ずかしいのと気持ちいいのとで暫く目が開けられずハアハアと肩で息をしていた。時々ビクン、となりながら。
「麻衣のイキ顔‥‥可愛かった‥‥」
「うう‥‥ヤダヤダ」
両手で顔を覆ってしまう。おにいちゃんはすぐにまたあたしの手を退けると、軽くキスをした。
「は‥‥気持ちよかった‥‥デス」
言葉までぎこちなくなっているあたし。
「いやいや、まだまだこれからだから。こっち」
すうっ、とおにいちゃんはまたパンティの中に指を入れ、今度はあたしの入り口に触れた。
「ヒャあッ‥‥まだ、待ってよう」
「ハイハイ、まずパンツ脱ごうね」
おにいちゃんはパンティに手をかけさっと脱がす。あたしのソコはぐしょぐしょで、パンティが身体から離れるときにぬと・・・と白い糸を引いた。
「すっごい、溢れてるよ麻衣」
「や、やだぁ言わないで」
くちゅっくちゅっ
ほんの入り口辺りを、おにいちゃんの指が行ったり来たりする。
「すこーしずつ、入れるからね」
くにゅ‥‥とおにいちゃんは指を気が遠くなるくらいの時間をかけて、ゆっくりゆっくり挿入してきた。
初めてのあたしの、不安な気持ちを察してのことだ。身体の中に別の何かが入っていくなんて、何だかヘンな感じ。だけど、気持ちがいい。
「麻衣、目を開けて」
「‥‥」
「ちゃんとココ、見て」
くにゅ‥‥
「あ」
「ほら‥‥指が入ってくトコ、ちゃんと見るの」
「や‥‥だぁ」
おにいちゃんは、その部分と、あたしの顔とを交互に見ながら、慎重に指を沈めてくる。
ぬ‥‥ぷ‥‥っ
「は‥‥あン」
あたしはソコを一瞬見て、それからすぐにおにいちゃんの顔を見た。目が合う。今までに見たことのないような真剣で、セクシーな顔つきだ。おにいちゃんはその顔を崩さず<あたしの目をじっと見据えたままで<指を深く深く沈めてきた。あたしが感じている顔も、感じている部分も、何もかもおにいちゃんに見られてしまっているんだ。そう思っただけで、ソコがより一層熱くなるのを感じた。
「ああン‥‥っ」
「痛い?」
「‥‥ううん‥‥」
「中指、全部入ったよ‥‥すご‥‥キツ‥‥すっげぇ‥‥麻衣の中すごい締め付けてくるよ‥‥」
ぐちゅ
おにいちゃんは指をゆっくりと動かし始める。少しずつ中に入れてくれたお陰か痛みはなくて、快感だけがあたしの身体を支配していく。
指のピストン運動が少しずつ速くなって来た。
「あッ‥‥あッ‥‥」
片手は胸を揉みしだき、おにいちゃんの顔があたしの顔に近付いてきて、あたしたちは舌を絡めあった。ぐちゅぐちゅという音はもう、あたしたちの舌の音なのかあたしの中の音なのか分からない。
ハアハアとおにいちゃんの息も荒い。
「麻衣‥‥こっち、入れていい‥‥?」
おにいちゃんはトランクスの中で主張しているソコを指した。そういえばあたし一人丸裸になってておにいちゃんはしっかり下着を身に着けていたのだった。なんだかズルイ。
「あたしが脱がせる。おにいちゃんの」
あたしは起き上がりベッドの上で膝立ちになっているおにいちゃんのトランクスに手をかけ、すっと下ろした。ツルンとピンク色のおにいちゃんのそれが姿を露わにした。他の人のものは勿論見たことないけど、ホントに別の生き物みたいに反り返っている。
(‥‥っていうか、なにコレ!?)
「無理! 絶対無理! こんなの、入らないよ!」
あたしは叫んだ。指だって精一杯だって言うのに。
「すごいもん! おっきいもん!」
すっかり怖気づいてしまった。
「‥‥だめ?」
そう言いながらおにいちゃんは、座っているあたしの足の間にすっと手を入れ、また中に指を差し入れてきた。
ぐちゅちゅ
「ああッ」
殆ど反射的に声が出てしまう。
「麻衣は初めてなんだよな」
指をゆっくりと動かしながら、またおにいちゃんが言う。
「麻衣が無理って言うなら、今日はオレ、入れるのやめるよ。これからちょっとずつちょっとずつ、慣らしていこう、な?」
片方の手で、頭をポンポンとしてきた。
「‥‥」
あたしはおにいちゃんの顔を見つめた。
「どうした麻衣?」
あたしばっかり。気持ち良くしてもらったのに、あたしはおにいちゃんに何にもして上げてない。無能の女だ。こういうのを“マグロ女”というのかな?
だめ、絶対ダメ。おにいちゃんにも気持ち良くなってもらいたい。それにあたしは、おにいちゃんと一つになりたい。
「入れて」
「は」
「あたし、頑張るから、入れて、おにいちゃん」
「頑張るったって‥‥やっぱり初めてはきっと‥‥痛いよ‥‥いや、痛くないようにオレの方こそ頑張るけど‥‥いいの?」
「‥‥ウン」
あたしはこくりと頷いた。
おにいちゃんはまたあたしを優しく仰向けに寝かせると膝を立たせ、足を広げさせた。あたしの足はやっぱり緊張でがくがくと震える。また、目をつむってしまう。
「麻衣、目を開けて」
「うう‥‥だって‥‥あッ」
おにいちゃんの先端があたしの入り口を弄ぶ――さっきの、指の時のように。だけど、全然大きさが違う。
「力抜いて‥‥楽にして‥‥ほら、深呼吸‥‥」
おにいちゃんに言われあたしは深呼吸をしたけれど、その呼吸さえもがくがくとしてしまって、深呼吸どころか死ぬ直前の下顎呼吸みたいになってしまった。
ぬ‥‥ちゅう‥‥っ
今日の中で一番いやらしい音だ、と同時に、あたしも声を上げてしまう。気持ちがイイのと痛いのとが同時に襲ってきたからだ。
「大丈夫‥‥? 麻衣」
「う‥‥ウン‥‥だい‥‥じょぶ‥‥」
「も少し‥‥入れるよ‥‥うっ‥‥きっつ‥‥」
ぐ‥‥ちゅぅ‥‥ッ‥‥
「あ‥‥ッ」
指の時のように出したり入れたりしながら、少しずつ少しずつ入っていく。指の時とは身体の中への圧迫感が全然違う。身体全部がおにいちゃんのペニスを吸収していくかのようだ。そうして、あたしの全身がおにいちゃんでいっぱいになっていく。ゆっくりと入っていくのに、時折鋭い痛みがソコからお腹全体に響き渡り、あたしは苦しげな声を上げてしまう。けど、すごく苦しくて痛いのに何故かずっとこのままでいたいと思ってしまう。
あたしはおにいちゃんの背中に手を回しきゅっと抱きしめた。
おにいちゃんは、あたしのおでこの汗を手で拭うと頬を撫で、それから頭をポンポン、としながら心配そうに言った。
「麻衣、痛い? ‥‥やめる?」
「痛い‥‥けど‥‥平気‥‥ずっとこのままくっついていたい」
「嘘つけ、痛いくせに」
おにいちゃんはそのままあたしをぎゅうっと抱きしめた。
「健気なやつめ」
また、あたしの頭をポンポン、としてくれる。きゅ‥‥と胸が締め付けられるような切なくて甘い気持ちになった。
「おにいちゃん‥‥好き」
あたしの心いっぱいに広がった気持ちを言葉にしたら切ない思いが広がって、あたしの目からは自然に涙が溢れてしまっていた。
「お前、そんなに痛かったのか!? うわ、ごめん‥‥っ!」
「ちがうよう‥‥うれしいの~‥‥」
両手で目を擦っていると、おにいちゃんは困ったように笑ってあたしの涙をキスで拭ってくれた。
「オレも、うれしー。‥‥好きだよ、麻衣」
あたしが落ち着くまで、おにいちゃんはそのまま待っていてくれた。心配そうに時々覗き込むようにあたしの顔を見ながら。それにしても我ながら泣き過ぎだ。どうして今日のあたしはこんなに涙もろいのだろう。
「――麻衣、大丈夫?」
「‥‥ウン」
あたしはもう一度、おにいちゃんの背中をぎゅっと抱きしめた。
「あともう少し、オレの、中に入るから‥‥もうちょっと動くよ?」
「う、うん」
「正直、動かさなくてもオレかなり‥‥ヤバイんだけど。お前のココ、きゅーきゅー締め付けてきて‥‥さぁ‥‥」
もう一度、おにいちゃんが動き始めた。
ずう‥‥んと、重みと鈍い痛みと快感があたしの中を貫く。
おにいちゃんはゆっくりと動いてくれたけれど、もうあたしはこの動きについていくのが精一杯だ。
「おに‥‥ちゃ‥‥」
「ぅ‥‥麻衣‥‥そんなに締め付けんなよ‥‥ッ‥‥ぅあッ」
バッとあたしの中からペニスを抜き出すと、次の瞬間あたしのお腹はおにいちゃんから放出された白濁した液体でいっぱいになった。
「ハァ‥‥う‥‥っ」
おにいちゃんは肩で息を切らしビクビクと痙攣しながらベッドに倒れこんだ。
「オレこれじゃまるでソーローじゃねえかよ‥‥ちくしょー」
また何やらブツブツ言っている。
(でもあたしはこれ以上は本当に限界だったよ。何せ、初めてですから)
あたしたちは暫く二人でそのままベッドに横たわっていた。
ぴったりと、おにいちゃんに寄り添う。あたしは横を向いて抱き枕みたいにおにいちゃんに抱きついた。胸の上に耳を乗せる。おにいちゃんの鼓動。すごく、落ち着く。
カーテンの隙間から差し込む光に反射して埃がダイヤモンドダストのようにキラキラ輝き、空気が流れていくのが分かる。窓の外からは、時々通る車の音と、鳥のさえずりくらいしか聞こえない。静かで平和な、平日の昼下がり。
おにいちゃんはあたしの手を取ると、自分の手に絡めた。
そっとオデコにキスをくれる。
また、幸せな気分で胸がいっぱいになる。これからはずっと、おにいちゃんと一緒にいられるんだ。おにいちゃんの恋人として。
「おにいちゃん」
「ん?」
「ふしだらな娘ですが、これからもどうぞ宜しくお願いします」
「‥‥ソレを言うなら“ふつつかな”だろうが」
「‥‥あッ」
「まあ、オレの前でだけならふしだらも許す。‥‥っていうかどっちかっていうと、みだら、とかの方がずっといいけどな」
そう言っておにいちゃんはクスッと悪戯に微笑んだ。