雄太と葵は『魔法少女ミルミル』のDVDを見ていた。
「こういうキャラもできるんだな」
雄太は素直に感心した。『魔法少女ミルミル』のヒロインであるミルミル役を葵が演じているのだが、いつものほんわりした声ではなく、正義のヒロインらしい正義感丸出しの力強い口調で声を当てているのである。普段、おっとりと優しい彼女にしては意欲作と言えるだろう。とはいえ、お約束通り、キャラの見た目は可愛らしいし、敵と戦っていないときは普通の女の子なので、周囲が思っているよりは取り組みやすかったのかもしれない。
「ミルミルかぁ・・・」
「なあに、雄ちゃん、その言い方」
意味もなく葵が雄太に抱きつく。
「うーんと、ミルミルみたいな無敵で強気なヒロインをいじめたくなっちゃったなーって」
「えー、いじめるってエッチするってこと?」
まんざらでもなさそうに葵が身を乗り出す。
「そうそう。悪魔の手先に捕まったミルミルがエッチなことをされちゃうんだな」
葵は腕組みをして、愛らしく唇を尖らせた。
「うーん、雄ちゃんの妄想には感心しちゃうな。でも、ミルミルのコスチュームってあったっけ」
「実は、こっそりと買ってあったりする。でも、アニメ全部見てからにしようって思ってたんだ」
そういった類は葵が事務所からもらったりすることが多いのだが、ミルミルのコスチュームはもらっていないようだったので、雄太は自腹で購入したのだった。
「ふーん。じゃあ、今日はできないね。まだ3話くらい残ってるもん」
葵の目が悪戯っ子のように細められる。最近、この表情にたまらなく欲情してしまう雄太であった。
「そんなこと言わないでさ、お願いします!我慢できないよ」
「どうしよっかなー」
得意満面に焦らそうとする葵に雄太が覆い被さる。そして、キス。こうすると、大抵のお願いは聞いてもらえることを今までの経験で知っているのだ。
「葵のこと、大好きだよ」
「・・・ずるい、雄ちゃん」
なおも雄太が葵を見つめていると、ついに葵が折れた。
「もうっ・・・分かった。じゃあ、ミルミルのコスチューム頂戴!」
葵は薄暗がりの部屋で両手を後ろ手に縛られ、寝かされていた。マントは脱がされていて、白のシフォンブラウスとチェック柄のピンクのプリーツミニスカート、白いロンググローブ。マントやアクセサリー、ベルト等がないため、実物とは若干異なるが、十分すぎるほどにそそられる服装で、特にミニスカートから伸びる美脚は淡い光の空間の中でいつもよりも艶めかしく見える。
「くっ、不覚」
葵は悔しそうに表情を歪め、何とか拘束から逃れようともがいていた。そこに悪魔の手先ジャッカル役の雄太が現れた。設定上では、ミルミルの好敵手であり、お約束通り毎度手ひどくやられてしまうキャラである。
「じたばたするな、ミルミル」
「き、貴様はジャッカル」
「覚えていてもらえて光栄だよ。まさか、こんな形で再会するとはね」
そう言って、雄太は葵の太ももの辺りを撫でた。ビクッと感度のよい反応が返ってくる。
「やめろっ!」
葵は強気な眼差しで雄太を睨み付ける。この表情が雄太の興奮を高めてゆく。雄太にスカートを捲られると、葵はキュッと股を閉じ、恥ずかしそうに頬を赤らめた。
「どうした、無敵の魔法少女にしては、随分といじらしい態度だな」
「ふざけるな。こんなことをして楽しいのか?」
「楽しいさ。いつもお前に負けてばかりだからな。こうしてお前を思うままにできると思うと、ゾクゾクするよ」
雄太の指が葵を唇をなぞる。
「やめっ・・・んっ!」
指が葵の口の中へ潜りこむと、葵は黙り込んでしまった。
「ほら、俺の指を舐めろよ」
葵が黙っていると、雄太は空いた片方の手で葵のブラウスのボタンを外していった。
「指をしゃぶらないと、ひんむくぞ」
「らめぇ」
「じゃあ、しゃぶれ」
葵は嫌悪に満ちた表情を浮かべたまま、舌を使って雄太の指をしゃぶり始めた。彼女の舌遣いにはいつも感服してしまうのだが、今もそうだった。指を舐めてもらっているだけなのに、その気持ちよさや彼女の仕草に異常に興奮するのだ。
「いいぞ。じゃあ、約束どおり、ひんむいてやる!」
「あっ!約束が違う!」
葵が叫んだときにはすでに上半身は裸にされてしまい、ブラジャーも外されてしまった。拘束されているため抵抗できない。Eカップの乳房がブルンとこぼれ落ち、圧倒的な質感を持って雄太の目の前に晒された。
「くっ・・・見るな!」
「見るなと言っても、こんなに大きいと目立っちゃうだろ?それにしてもエッチな胸をしているな」
雄太は両手で葵の胸を蹂躙した。歯を食いしばって耐えようとする葵。
「や・・・やめ・・・ろ。お前なんて・・・」
雄太は愛撫を止めない。乳首を執拗に刺激し、硬く屹立するまで擦り続ける。
「あっ・・・んっ」
ついに甘い喘ぎ声が漏れると、雄太は葵に顔を近づけて言った。
「おやおや、正義の魔法少女さまから、可愛らしい声が聞こえてくるぞ」
「ふっ、ふざけるな!・・・あっ!だめっ!」
「ほらほら、ここが気持ちいいのかなぁ」
「やんっ!・・・あっ、だめぇ・・・」
頬は赤く染め、葵の息づかいは徐々に荒くなってゆく。雄太はスカートを捲り、パンティの上からローターを押し当てた。
「あんっ!」
「正義のヒロインはこんなオモチャで遊んだことはないだろうね?」
「いやっ!そんなものをどうするつもりだ!」
「どうするって、そりゃ、こうするんだよ」
ローターのスイッチが入ると同時に、葵の体が跳ね上がった。
「あぁぁ!!!いやぁぁ!!!」
パンティにうっすらと染みができたかと思うと、葵が暴れた拍子に葵の膝が雄太の横っ面にモロに当たってしまった。
「イテッ!」
不意の衝撃に雄太は苦痛に顔を歪めた。
「イテテ」
「ごめん!雄ちゃん!大丈夫?」
葵が心配そうに声をかけてくる。
「ごめんね。痛かったよね、今の」
雄太は葵の言葉を無視してローター攻撃を再開した。
「おのれ、ミルミルめ。油断したわ。許さないぞぉ!」
「雄ちゃん!ごめんっって!・・・あっ!だめぇ!!!そんなに強くしないでぇ!!!」
最大振動となったローターで責められて、葵はあっけなく絶頂してしまった。
「はぁ・・・はぁ・・・雄ちゃんのバカぁ」
葵が涙目になりながら、雄太を睨んだ。
「ひどいよ。あんな強くして・・・」
ローターやバイブといった振動系の道具に滅法弱い葵は、それからしばらくムッツリと黙り込んでしまった。あるいは、そういう風に見えるように振る舞った。雄太はすぐにそれが演技だと分かったので、悪魔の手先役を続行することにした。
「ふん、ミルミルよ。こんな程度で絶頂するとは、正義の魔法少女も形無しだな」
「・・・」
「今度はもっと激しいものでお前を痛めつけてやる」
そう言って、雄太はバイブを取り出した。葵の表情が引きつる。
「ゆ、雄ちゃん・・・だめだよ、それ」
「何をとぼけておる。俺はジャッカルだ。さあ、股を開け」
愛液でグチョグチョに濡れきった股間にバイブの先端が触れると、葵は本当に泣きそうな表情でじっと雄太を見つめた。
「だめぇ・・・お願い・・・」
雄太は困った。ここにきてどこまで演技なのか分からなくなってきたのだ。
「バイブはイヤなのか?」
「うん・・・」
「魔法少女のくせに情けないな」
「仕方ないじゃん。本当にダメなんだもん。・・・ねえ、もう拘束もほどいてよぉ」
大きな目に涙が溜まっている。これは本気らしいと思った雄太はバイブを脇に置いて、手と足も自由にした。普段、こういった拘束プレイはあまりしないので、葵もいつも以上に怯えていたのだろう。
「ごめんな」
雄太がそう謝った瞬間、葵がワッと雄太に飛びかかり、うまく体を入れ替えて雄太の上に馬乗りになった。
「どうだ!参ったか!ジャッカル!」
「お前・・・さては騙したな!」
葵は得意げに胸を反らした。
「騙される方が悪いんだ。覚悟しろ」
「それでも正義の魔法少女かよ。ずるいぞ!」
「うるさいの!ジャッカル覚悟!えいっ!」
かけ声とともに、葵は雄太の脇腹をくすぐり始めた。これは雄太の最大の弱点だった。
「やめろっ!やめろっ!」
案の定、暴れ出す雄太。しばらくくすぐり地獄に悶えていたが、やがて体の軽い葵はあっけなくマウントポジションを失ってしまった。笑いすぎてこちらも涙目の雄太は葵を捕まえた。
「もう手加減しないぞぉ」
「あっ!ちょっとぉ!」
「あとでバイブでお仕置きだからな」
雄太がバイブを葵の目の前にかざすと葵は押し黙ってしまった。
「これでいっぱい気持ちよくなってもらうからな。覚悟しとけよ」
「うぅ・・・雄ちゃんのいじわるぅ」
こうして、正義の魔法少女ミルミルと悪魔の手下ジャッカルとの戦いは果てることなく続くのだった。
—-
いつものように2人揃って夕食を食べていると、葵が思い出したように雄太に尋ねた。
「ねえ、明春さん、元気にしてる?」
明春とは、雄太の実兄の名前である。幼馴染みの頃から雄太とずっと一緒だった葵は、明春にも随分と親切にしてもらっていた。
「うん。地元の会社で頑張って働いているよ。兄貴は真面目だからね」
「いいなあ」
「何が?」
「・・・お兄ちゃんっていいなあ」
葵は一人っ子である。もしかしたらこれも年少の頃から雄太に依存してしまった理由のひとつかもしれない。
「今は仲いいけど、小さい頃なんて本当に喧嘩ばかりだったんだよ。兄貴なんていないほうがいいって本気で思ってたよ。服とか全部、お下がりだったしね」
「ふふっ、たしかに喧嘩ばっかりしてたね。でも、やっぱ羨ましいよ」
こういった類の話には決まった答えはないので、いつもぼんやりと流れてしまうのだが、今日は雄太にある考えが閃いた。
「じゃあさ、今から葵のお兄ちゃんになってあげるよ」
「えっ?」
葵は大きく目を見開いた。今までありそうでなかった兄妹プレイである。
「雄ちゃんがお兄ちゃん?」
「そう」
「ぷっ・・・雄ちゃんがお兄ちゃん・・・だってぇ」
堪えきれないといった感じで葵は声を立てて笑い転げた。彼女のツボにはまったらしい。涙が出るくらい笑ってようやく落ち着く。雄太は少しだけ不満そうに呟いた。
「そんなに笑うことないだろー。喜ぶかなと思って言っただけなのに」
「ごめんね。うん、ありがと。雄ちゃん、大好き」
葵は雄太に抱きついて、頬にキスをした。
夕食が進み、食器を片付けていると、葵がハッと何かに閃いたように言った。
「お兄ちゃん!」
「はっ?」
唖然としている雄太の手を取って葵が嬉しそうに跳ねた。
「さっきのお兄ちゃんだよ、雄ちゃん。あのね、オーディション受けるの、来週!」
「・・・もっと整理して言ってほしいな」
葵のテンションについていけずに、雄太はとりあえずソファーに腰を下ろした。葵が隣に座る。
「葵ね、来週、オーディション受けるの」
「・・・それは分かった」
「でね、それが妹キャラなの!」
「おっ、そうなんだ」
「うん!ちょっと生意気でツンデレ気味な妹だった気がするの!」
葵は嬉しくてたまらないといった様子である。雄太も徐々に嬉しくなってきた。
「じゃあ、そのキャラの練習ができるな」
「うん。だから、今日からオーディションまでお兄ちゃんって呼ぶね!」
それから、葵は本当に雄太を『お兄ちゃん』としか呼ばなくなった。そして仕草や態度も『生意気でツンデレ気味』になった。最初は新鮮で冗談半分付き合っていた雄太も、予想以上に真剣に役作りに入れ込む葵の様子を見て、翌日からは本当の妹に対して接するように心がけたのだった。
「ねえ、お兄ちゃん」
「なんだよ」
「お兄ちゃんってさ、鈍くさそうだけど女の子にモテたりするの?」
「モテモテだぞ、お兄ちゃんは」
「嘘ばっか。つまんない」
意外なことに、生意気な葵も悪くなかった。ちょっと冷めた表情も、生意気そうな口調、声もまるで実在の妹のようだったのだ。
「じゃあ、お前はモテるのかよ」
「モテるに決まってるじゃん。お兄ちゃんとは違うんだから」
そう言ってプイッと顔を背ける葵を見て、雄太は欲情してしまった。こうなったら、このままエッチしてしまいたくなる。
「モテモテの葵ちゃんは、男とやりまくってるのかな?」
すると葵は顔を真っ赤にして雄太を睨んだ。役の入れ込み様が半端ではない。本気で怒っている。
「そんなわけないでしょ?何考えてんの?」
「怒るなよ。じゃあ、エッチしたことないのかよ」
「・・・ない・・・けど」
雄太はここぞとばかりに葵の肩に手を置いた。葵は嫌そうに雄太を睨んだ。
「お兄ちゃんはちゃんと経験あるぞ?」
「・・・だから、何よ」
「お兄ちゃんが手ほどきしてやるよ」
「あっ、ちょっと、待ってよぉ」
いきなりソファーに押し倒された葵は悲鳴を上げた。しかし、どんなに藻掻いても逃れられない。
「何考えてるの!実の兄妹がエッチなんてできるわけないじゃん!」
「そんなことないって。それに何事も経験だぞ」
延々と説得を続け、ようやく葵は首を縦に振った。
「分かった。いいよ。でもさ、お兄ちゃんなんかで気持ちよくなれるわけないじゃん」
「お前なー」
「だってそうでしょ?格好いい人なら素敵だけど、お兄ちゃんなんか・・・」
雄太は葵の言葉を遮るようにいきなり唇を重ねた。
「んっ・・・うぅ」
数秒間の短いキス。が、葵は離れ際に雄太の頬は叩いた。
「バカッ!」
「イテッ!」
パンッという乾いた音と鋭い痛みに雄太は顔をしかめた。演技とは分かっていても痛いものは痛い。
「何だよ!痛いだろ?」
気色ばむ雄太に対し、葵は泣きそうな顔をしていた。途端に雄太は大人しくなる。
「・・・ひどい・・・お兄ちゃん」
「どうした?」
「どうしたじゃないよ、今の。ファーストキスだったんだよ・・・」
「えっ?」
「もうお兄ちゃんなんてしらない!」
そう言って、葵はソファーに俯せになって、クッションに顔を埋めた。完璧なコミニュケーション拒否の姿勢である。
「・・・葵、悪かったよ」
何度謝っても葵は顔を上げようとしない。葵の妹キャラに欲情してしまっている雄太はすぐにご機嫌伺いが面倒になり、彼女の色白の太ももを撫で始めた。
「あんっ!もうっ!」
葵が跳ね起きる。まだ怒っているようだ。
「バカじゃないの!変態お兄ちゃんなんだからっ!」
酷い言われようだが、葵の声で言われるとなぜか嬉しくなってしまう。喜びを面に出すのをなんとか抑えて、雄太は言った。
「エッチするっていっただろ。だったら、キスは仕方ないよ。でも、ごめんな」
「・・・そうだけど・・・だって、いきなりだもん」
「今度から気をつけるから」
ファーストキスに『今度』も何もないのだが、葵はそれで納得してくれたようだった。生意気そうな表情は崩さないが、態度は目に見えて軟化した。
「・・・早くエッチ教えてよね」
「よし、じゃあ始めるぞ」
雄太は葵を優しく抱擁しながら、髪を撫で始めた。雄太の腕の中で葵の体がキュッと強張り、やがて力が抜けてゆく。
「お、お兄ちゃん・・・」
声色が甘くなり、いつしか葵も雄太の背に腕を回して抱きしめる。
「こうしてると気持ちいいだろ?」
「・・・うん」
「じゃあ、もう一回キスしよう。今度は大丈夫だろ?」
「・・・う、うん」
葵の柔らかな唇の感触を楽しみながら、これまで何百回、何千回と繰り返してきたキスをする。だが、相手が妹なのだと思いこむことによって新鮮で背徳的な気分を味わうことができた。
「んっ・・・ふぁ」
葵の目がトロンとしている。
「どうだ?」
「んっ?何が?」
「キスだよ。・・・なんか、ぼんやりしてるぞ」
葵は顔を真っ赤にしてうつむいた。完璧に妹になりきっている彼女は本当に実の兄とキスしている気分なのだろう。
「は、早くしてよ、お兄ちゃん。恥ずかしいじゃん」
「いつもはあんなに生意気なくせに、可愛いこと言うじゃないか」
「もうっ!」
「分かったよ。じゃあ、どんどん気持ちよくなっていくぞ」
雄太は葵を仰向けにして、左手で葵の右手を握りながら、愛撫を始めた。二の腕、脇腹の辺りを一通り愛撫すると、横抱きするようにして、腰や背中に手を回す。
「お、お兄ちゃん・・・あっ・・・あっ・・・」
葵の甘い吐息が雄太の耳をくすぐる。ビクッビクッと感度のよい反応を示した箇所を丹念に撫で回す。
「はぁ・・・あぁ・・・あふぅ・・・」
「気持ちいい?」
葵は返事をする代わりに雄太にギュッと抱きついた。
「なあ、服、脱いじゃおうか」
すると、またも葵の顔が真っ赤に染まる。
「脱がなきゃ、ダメ?」
「だって、エッチするんだろ?」
「そうだけど・・・恥ずかしいよ、お兄ちゃん」
いつもの威勢の良さはなく、もじもじと照れる葵。こんな妹が本当にいたら、雄太の人生観は一変していたかもしれない。
「じゃあ、お兄ちゃんが脱がしてあげようか」
「大丈夫、自分で脱ぐから、お兄ちゃんはあっち向いてて」
「了解」
言われたとおりに雄太が後ろを向いていると、背後で葵が服を脱ぐ音が聞こえて雄太は異常な興奮を覚えた。時間がかかっているのは、葵が恥ずかしくて仕方がないからに違いない。年頃の女の子なら当たり前の感覚である。
「いいよ、お兄ちゃん」
雄太が期待に胸を膨らませて振り返ると、その期待をはるかに上回る素晴らしい光景が目の前に待っていた。ペタンとお尻をついた格好で両手で胸を隠して、恥ずかしそうに俯いている葵がそこにいた。
「き、今日だけだからね、こういうことするの」
「可愛いよ、葵」
「・・・バカ」
葵は雄太と目を合わそうともしない。
「おっぱい大きいね」
「変なこと言わないでよ、変態っ!」
「そうやって胸の谷間を強調しているのか?」
わざと挑発的に言うと、葵はキッと雄太を睨んだ。
「そんなわけないでしょ!隠してるだけに決まってるじゃん」
これでは先ほどまでのせっかくのムードが台無しである。雄太は気を取り直して、葵を抱きしめた。
「あんっ・・・お兄ちゃん」
「大丈夫だよ」
「うん・・・」
葵は今年で21歳だが、10代の頃の肌の艶やかさと瑞々しさを保っていた。
「綺麗だよ、葵」
雄太がそう言うと葵は恥ずかしそうに小さく肯くだけだった。
「胸、触ってもいい?」
「・・・優しくしてくれる?」
「もちろん」
葵の手がおずおずと下ろされる。Eカップの豊満な乳房とピンク色の乳首。乳首はすでに硬くなっている。
「こここんなになってるよ」
乳首を軽く摘むと、葵はギュッと目を閉じ、唇を噛みしめた。
「んぅ!」
「感じるの?」
葵は肯いた。彼女の恥じらいを嘲笑うかのように屹立する乳首を指の腹で弄ぶ。その度に感度の良い反応が返ってきて雄太を楽しませた。
「あっ!・・・やんっ!」
「ほら、両方だぞ」
「だめぇ・・・」
乳首責めの間にもキスを迫り、今度は舌も絡めた。恥ずかしさと快感の入り混じった感情に戸惑う葵が可愛くて仕方がない。それからさらに念入りな全身の愛撫を経ると、色白な葵の体は火照っているのか分かった。
「あぁ・・・お兄ちゃん・・・」
「どうした?」
「なんか、体がおかしいの。熱いのかな・・・」
「大丈夫だよ。気持ちよくなってるだけだから」
「相手はお兄ちゃんなのに・・・おかしいよぉ」
葵の腕が雄太の背中に回され、しがみついた。ここで雄太の指が初めて葵の股間をまさぐった。
「あっ!そこだめぇ!!」
葵の悲鳴が上がる。雄太の指はあっという間に葵の愛液で汚れてしまった。普段のエッチの倍は愛撫に時間をかけているため、濡れ方もすごい。
「こんなに濡らして、エッチな妹だな」
「うぅ・・・」
言い返すこともできず、葵は顔を背けただけだった。
「だって、き、気持ちよかったんだもん」
「お兄ちゃんでも気持ちよくなれるだろ?」
「うん」
「どうする?続けたいか?」
葵は上目遣いで雄太を見た。あまりの可愛さに雄太は思わずゴクリと唾を飲み込んだ。
「お兄ちゃんは葵とエッチしたい?」
「う、うん。葵がよければね」
「葵がエッチになっても、葵のこと嫌いにならないよね?」
「もちろん」
「・・・じゃあ、エッチの仕方、教えて・・・お兄ちゃん」
これで雄太の理性が吹き飛んだ。ズボンを脱ぎ、ギンギンに硬くなった自分のモノを取り出すと、一気に葵の中へ挿入したのだった。
いつもよりも濃厚かつ激しい性行為の後、満足げに横たわっている雄太の腹を葵が突っつきながら言った。
「雄ちゃん、いきなり豹変しないでよね。びっくりするよ」
雄太は微笑んだ。
「だってさ、もう限界だったんだよ。妹プレイ、すごいなー。感動した」
「雄ちゃんって変態だね」
葵も笑っていた。
「でも、なんか妹キャラのコツが掴めたような気がする。あとはもう少し生意気な仕草とか勉強すればいけるかも」
「さすがだな」
「えへへ。もっとほめて」
葵の頭を撫でてやると、葵は嬉しそうにすり寄ってきた。
「なあ、また兄妹プレイしようよ」
「いいよ、変態雄ちゃん」
「今度は無理矢理エッチしちゃう感じかな。いや、逆に妹に犯されちゃうってのも有りかも。うんうん、夢が広がるなぁ。素晴らしい!」
「・・・雄ちゃん」
その後、葵の話では、例のオーディションは落ちてしまったそうだ。キャラを演じている最中に雄太との兄妹プレイを思い出してしまい、恥ずかしくなって途中でおかしくなってしまったからだそうだ。
「バカっ!雄ちゃんのバカッ!」
帰宅早々、葵は雄太に絡んだ。
「全部、雄ちゃんのせいだからね!」
「おいおい」
珍しく荒れ気味の葵を宥めるのに1時間近くを要した。気持ちが落ち着くと、葵は雄太に謝った。
「ごめんね、雄ちゃん。葵のためにいっぱい協力してくれたのに」
「いいよ。でも、葵ならいくらでも仕事あるだろ?」
「うーん、でも、あのキャラ、やってみたかったなぁ」
未練たっぷりな葵である。
「でもさ、人気絶頂の葵を押しのけて合格した子ってどんな子だったの?」
雄太は質問してすぐに後悔した。人気絶頂の葵を押しのけて合格するような女の子は現時点ではひとりしか考えられない。
「瑠璃ちゃんに決まってるでしょ!もうっ!」
その後、兄妹プレイで仲直りしたのは言うまでもない。