おねだり喪失

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アダルトな読み物のお部屋

おねだり喪失
2021年07月07日 14時43分
Platinum

 高校に入学してからはじめての夏休み。
 なにかが起こりそうな予感。

 ‥‥だけど。
 現実はそんなに上手くいくワケがなくて、夏休みが始まってもう2週間が過ぎていた。
「あ~ぁ」
 リビングにあるソファの上で畑中絵里は大きな伸びをした。
 ため息とも欠伸ともつかない声がもれる。
 その声を聞いた絵里の母親が、
「夏休みなのに家にいるなんて‥‥。遊びに行く予定とかないの? 絵里ぃ」
と、あきれ気味に言ってきた。
「な~い」
 一言だけそう答えると絵里は立ち上がった。2階にある自分の部屋に戻ろうとした瞬間、テーブルの上の携帯がけたたましく鳴り始める。
 絵里は携帯を手にとり、「もしも~し」とちょっと間の抜けた声で電話に出た。
 2、3分間程喋った後、電話を切り、
「お母さん、今から海行ってくるネ」
 母親にそう宣言すると、絵里はリビングから出て2階の自分の部屋に急いだ。

 30分程で用意を済ませた絵里はリビングで迎えの車を待っていた。
 携帯の時計を見ながら、待ちきれないといった様子でソワソワしている。
 さっきの電話は高校の同級生、佐々木貴子からだった。貴子の姉が彼氏と海に行くので一緒に行かないか、というコトだった。
 絵里はすぐにOKした。
 なんといってもこの夏はじめての海。なにもないとは思っていても、絵里は妙にドキドキしていた。
 いろいろな考えをめぐらせている内に家の外で車のクラクションが短く2回鳴った。
 絵里は買ったばかりのミュールを履いて外に出た。

 絵里と貴子は波打ち際を歩いていた。
 絵里は履いていたミュールを脱いで、片方ずつを左右の手で持っていた。
 たまに波が2人の足元をくすぐるように打ち寄せる。
「冷たくて気持ちいいね」
 貴子がそう言うと絵里は「うん」と頷いた。
「絵里のそのミュールって買ったばっかり?」
 貴子がまた口を開く。
「そーだよ。この色がお気に入りなの」
 それから服の話しや学校の話しをしながら、2人は歩いていた。
 その時。
「ねぇ、彼女たちぃ」
 後ろから声をかけられ2人は同時に振り向いた。
「ヒマそうだね~、さっきから見てたよ。もしよかったら、俺たちと遊ばない?」
 なれなれしく話しかけてくる男に絵里は嫌悪感を覚えた。
 男は2人の間に入って、絵里と貴子の肩に手を置いてくる。
 絵里は一瞬ビクッとしたが、わざわざよけるような気にもならなかった。
「俺さ、友達と来てるんだ。あっちにいるから行こうぜ」
 男はアゴで前の方を指し、歩き出す。
 当然肩に手を置かれている2人も自然と足が前に出る。
 歩いている最中も男はしゃべり続ける。どこから来たの?とか、彼氏いないの?とか‥‥。
 絵里はあまり真剣には聞いていなかった。あまりにも軽い男だったので‥‥。
「ねぇ、絵里。見て‥‥」
 貴子に言われて、絵里は視線を前の方に向けた。
 そこにはサングラスをかけた男が座って、絵里と貴子をじっと見ている。
「え。もしかして‥‥」
「え? なに? 彼女たちアイツと知り合い?」
 男がそう言ったのを、2人はロクに聞いていなかった。
 サングラスをかけた男もサングラスを外して、絵里と貴子を見ている。
「あ、相沢先生」
「先生っ‥‥!」
 2人が声を出したのはほとんど同時だった。
 そう。
 そこにいたのは、絵里のクラス担任である相沢慎吾だったのだ。
 慎吾は立ち上がり、2人の顔を見ている。
「もしかして、慎吾の生徒? ってコトは16才?!」
 一緒にいた男は驚いて、絵里と貴子の肩に置いている手をはなした。
「先生、こんなトコで何してるのぉ?」
 貴子が探りをいれるような口調で慎吾に問いかける。
「イヤ、こいつについて来ただけだって。俺は別にナンパなんて‥‥」
 あわててそう答える慎吾。
 その姿がなんだか新鮮に思えて絵里はプッと吹き出した。
「先生、そんなに慌てるコトないのに‥‥。カワイ~」
「コラッ、大人をからかうなよっ。お前たちこそなんでココにいるんだ?」
 絵里をちょっとこづくフリをしながら、今度は慎吾が質問をする。
「あ、あのね、貴子のお姉さんの彼氏の車で来たの。まさか先生がいるなんて思わなかったけど‥‥」
 絵里はまだちょっと笑いながら答えた。
「俺だってお前たちがいるなんて思ってなかったよ。驚いた」
 絵里の言葉に慎吾が続けて言う。
 その時、貴子の携帯が鳴り始める。貴子は慌ててカバンの中から携帯を取り出して耳にあてた。
「もしもし?」
 貴子はしばらくその場で話していたが、絵里たちから少しはなれた場所に移動して話し続ける。
「なぁ、慎吾。俺、他の子さがしてくる」
 そう言って、それまでずっと黙っていた男がその場を立ち去る。
 残された絵里と慎吾は自然と目があってしまう。
「少し話すか。畑中」
「‥‥うん」
 2人きりだというコトが絵里をちょっとドキドキさせる。
 2人は腕が触れるくらいの距離で並んで座る。
 絵里は何を話していいかわからずに黙り込んでしまう。
 慎吾の方も何を話していいかわからないのか黙ったままでいる。
 ちょっと重たい空気が2人の間に流れる。
 先に口を開いたのは絵里だった。
「先生って、フツーの格好すると若く見えるんだね。いっつもスーツとかだからさ‥‥。なんかすごく新鮮なカンジ」
 照れを隠すように一気にまくしたてる絵里。
 慎吾はまだ黙ったままだ。
 どうしていいかわからない絵里はうつむくしかなかった。
「畑中も‥‥」
「え‥‥?」
 絵里はハッと顔をあげた。
「畑中も制服じゃないから‥‥、俺もすげー新鮮なカンジ。その格好も‥‥似合ってる」
 慎吾のその言葉に絵里の顔は真っ赤になる。
 呆然とした思いで絵里は慎吾の顔を見る。
 その視線に気付いた慎吾は絵里の方を見る。
 数秒間、ほんの数秒なのに、絵里にはそれがすごく長い時間に思えた。
「あ、あの‥‥」
 絵里が口を開きかけた瞬間、
「ごっめ~ん、絵里」
 貴子の声が聞こえてきた。
 携帯を持ったまま、少しはなれた場所から小走りでかけてくる。
「ゴメンね~、絵里。もう帰らなきゃいけなくなっちゃった。イトコが遊びに来るんだって‥‥」
「え‥‥」
 絵里がそう呟いた声は貴子には聞こえなかったようで、まわりをキョロキョロと見回す。
 きっと姉の姿を探しているのだろう。
「ちょっとゴメンね。お姉ちゃん探してくる」
 そう言って貴子は絵里と慎吾がいる場所から走り去る。
「ゴメン、先生。帰らなきゃいけないみたい‥‥」
 絵里がそう告げると慎吾は、
「そっか‥‥」
 明らかに落胆した声で言った。
 慎吾のその態度に絵里はどう対処していいかわからない。
 たがそんな慎吾に絵里は親近感を抱いた。
 こんな慎吾を絵里は見たコトがなかった。
 いつもは学校の中にいる、一教師の慎吾の顔しか知らない。
 今絵里の目の前にいる慎吾は素のままの慎吾だ。
 その姿が絵里に大胆なコトを口走らせた。
「先生、一緒にどっか行こうよ」
 言ってしまってから絵里は口をおさえた。
 絵里の顔を見つめ呆然とする慎吾。
 ほんの少しの間慎吾は黙りこむ。なにかを考え込むように‥‥。
 すると突然立ち上がって絵里の手を引っ張った。
「え? 先生っ?! 何‥‥」
 絵里は驚いて声をあげる。
 慎吾は絵里のその声に構わずに歩き続ける。
 そのまま歩いていって1台の車の前で慎吾は止まる。
「乗って、畑中」
「‥‥え?」
 ワケがわからずに絵里は慎吾に聞き返す。
「いいから。乗って」
 絵里は言われた通りに車の助手席にすべりこんだ。

「ごめん、な」
 10分くらい車を走らせた後、慎吾は急に口を開いた。
 何が起きたかまだよくわかっていない絵里は答えられずにいた。
「畑中? どうした?」
 さっきからずっと黙ったままの絵里を心配して慎吾が声をかけた。
 ハッキリ言って絵里はまだ混乱していた。
 自分の身に起こったコトがよく理解出来ないでいた。
 さっきの言葉が引き起こしたとはわかっていても‥‥。
「先生‥‥。ドコ行くの‥‥?」
 絵里の口から出た言葉は、なんとも間抜けな言葉だった。
「畑中は、ドコに行きたい?」
 逆に慎吾に切り返されてしまった。
「え? ドコって‥‥」
 口ごもる絵里。
 そして沈黙が流れた。
 車のエンジン音だけが静かな車内に虚しく響く。
 
 車が信号で止まって、慎吾は横にいる絵里の顔を見た。
 絵里は黙ったまま外を見ている。
 慎吾の方から見える絵里の横顔はなぜだか大人っぽく見えた。
 視線に気付いた絵里が慎吾の方を見た。
 見つめあう2人。
 ためらいがちに目をとじる絵里。
 慎吾の顔が少しづつ絵里の顔に近くなる。
 そして、お互いの息づかいまでがわかるような距離になった時。
 後ろからかなりの大音量でクラクションが鳴り響いた。
 いつの間にか信号が青に変わっていたらしい。 
 目を開ける絵里。
 慎吾は運転席に座りなおして、車を急発進させる。

 車が走っている最中、絵里は慎吾の横顔を見つめていた。
「‥‥‥‥畑中」
 慎吾が前を向いたまま絵里の名前を呼んだ。
 その顔がかすかに赤い。
「なに‥‥?」
 慎吾の顔を見ながら絵里は返事した。
「あのさ‥‥」
 そして、少し言いづらそうに続ける。
「そんなにじっと見られたら、‥‥照れる」
 一瞬の間があり、
「‥‥え?」
 絵里はそう呟いた。
 運転している慎吾の顔は、どんどん赤くなっていく。
「だから、そんなにじっと見られたら照れる‥‥‥‥」
 だんだんと慎吾の声が小さくなっていく。
 そんな慎吾が絵里には可愛く見えてどうしようもない。
 更に愛しいとさえ思い始めていた。
「ね、先生‥‥」
 その声に慎吾はまだ顔を赤くしながら絵里の方を見る。
 運転しているから、それは一瞬だけだったが‥‥。
「ドコに行くか決めた」
「‥‥‥‥」
 絵里の言葉の意味がよくわかっていない慎吾。
 絵里は一息ついてそして覚悟を決めたように慎吾に告げた。
「‥‥ホテル行こうよ、先生」
「‥‥‥‥え?」
 目を丸くする慎吾。
 慎吾は絵里の言葉がすぐには理解出来ないようだった。
「‥‥畑中、いいのか‥‥?」
 慎吾がやっと言った言葉に、
「いいよ。先生となら後悔しない」
 慎吾の横顔をじっと見つめ、絵里はキッパリと言い切った。
 絵里のその言葉に慎吾はある意味‘女の潔さ’みたいなものを感じた。
 慎吾は返事のかわりに車のスピードをあげた。

 部屋にはシャワーの音だけが響いている。絵里はソファーにちょこんと座って、慎吾がシャワーから出てくるのを待っていた。
 慎吾は部屋に入るなり、汗を流すと言ってシャワールームに消えていった。
 だが、慎吾のその行動はただの照れかくしだった。絵里と同じ部屋にいたら、すぐにでも絵里を抱きたい衝動にかられるからだ。シャワーを浴びている今から慎吾自身はかなり反応していた。
 コレばっかりは心ではどうも制御できない。
 男の本能だよな‥‥と慎吾は思いながら、シャワーを浴び続ける。

 部屋の中にひとり残された絵里は、居心地が悪そうにまわりをキョロキョロとみまわす。
 するコトがないので、とりあえず部屋の観察をはじめてみる。
 人生で初めてのラブホテル。
 もっと趣味の悪いトコロだと想像していた絵里。だが、今自分がいるトコロは逆に清潔感さえ漂っている。
 絵里はソファーから立ち上がってテレビの電源を入れてみる。半年くらい前に流行っていたドラマが、ちょうど放送されていた。ベッドに座り、絵里はそのドラマを見始める。
 10分程、黙って見ていた絵里だったが、
「つまんないな‥‥。なんか、ちがう番組見ようっと‥‥」
 そう呟いてテレビのリモコンを探す。
 テーブルの上にあるのを見つけると、ベッドに座りなおしてチャンネルをかえていく。
 どの番組もあまりパッとしない。つまらなさそうに、リモコンのボタンを次々と押していく。
 そして、次の画面になった時、絵里の動きが止まった。
 いきなり画面に映ったのは女性の豊満なバスト。それが一定のリズムで揺れている。そしてそのバストを思いっきり揉む男性のゴツゴツした手。
 絵里は今までにアダルトビデオを見た事がなかったので、その影像がアダルトビデオだとわかるまでにけっこう時間がかかった。
 そしてその一瞬の間、絵里はその画面にかなり集中していた。
 だからシャワーから出てきた慎吾が、すぐ近くにいるコトにも全く気付かなかった。
「‥‥‥‥畑中」
 名前を呼ばれて絵里はビクッとして声のした方を見る。
 慎吾は下半身にタオル1枚という姿で立っていた。
 絵里は見ていられずに、目をそらす。
 するとテレビの画面が目に飛び込んでくる。
 今度は女性が男性の上にまたがり、上下に激しく動いている。
 どちらを見ていても絵里は恥ずかしくなって、顔を赤くしてうつむくしかなかった。
 それを見た慎吾はそっと絵里に近付いていって、隣に腰かける。
 そして慎吾の左手が、絵里の腰にまわされる。
 その手にグッと力を入れ、慎吾は絵里を自分の方に寄せた。
「畑中、もしかしてアダルトビデオ見たのはじめてか?」
 静かにそう問いかけると、絵里は下を見たままかすかに頷く。
「カワイイな、畑中は」
 ますます絵里は顔を赤くする。
 現実がどっと押し寄せて来たカンジに絵里は慎吾の顔を見れずにいた。
 今になって、すごく恥ずかしい言葉を口走ったんじゃないかと思っていた。
「ね、先生。私、ヘンな事言ってないよね?」
 絵里はそう言ってから思いきって慎吾の方を向く。
 かなりの至近距離に慎吾の顔があって絵里はかなり焦った。
「ん?」という顔で慎吾は絵里の目を見つめる。
 そのやさしい瞳に絵里は吸い込まれそうなった。
「ヘンな事? 俺をココに誘った事が?」
 ふいに慎吾の顔が絵里の顔に近付く。
 あ‥‥と思った時にはすでに絵里の唇は慎吾の唇で塞がれていた。
 だが、その唇はすぐに離れた。
「正直、さっき車の中で言われた時はかなり焦ったよ。だけど、言ったろ。俺とだったら後悔しないってさ‥‥。すっげぇ嬉しかったよ。だから全然ヘンな事じゃないって‥‥。それとも畑中はココに来て後悔してるのか?」
 慎吾の言葉に絵里はすぐに首を振った。
「そんなコトない。だって‥‥、先生のコト‥‥‥‥好きだから」
 そう言って絵里は慎吾の唇に自分の唇を重ねた。
 さっきよりもずっと長い時間2人はキスしていた。
 自然とお互いの口が開いて、ソコから慎吾の舌が絵里の口の中に入り込む。
 絵里はどうしていいかわからずに、されるがままだった。
 まるで別の生き物のように慎吾の舌が動きまわる。
「んっ、ぁ‥‥」
 絵里の口からかすれた声がもれる。
 その声を聞いた慎吾は今度は絵里の胸に手をのばす。
 慎吾の手が服の上から絵里の胸に触れた瞬間、絵里は思わず身をひいてしまった。
「畑中‥‥、コワイか?」
 唇を一度離して慎吾が優しく問いかけてくる。
「うん‥‥、ちょっと‥‥」
 すると慎吾は絵里を抱きしめて、
「大丈夫だよ、俺を信じて。優しくするから‥‥」
 言いながら、いいコいいコするように絵里の頭を撫でた。
 絵里は慎吾にしがみついて、コクンと頷く。
 そして2人はまたキスをした。
 今度はお互いの舌が遠慮なく絡まりあう。
 だんだんとそれが激しくなっていく。
 やがてソコからはぴちゃぴちゃといやらしい音がしてくる。
 再び慎吾の手が絵里の胸に触れ、ゆっくりと動き出す。
 絵里はもう頭では考えられなくなっていた。
 意識が飛んでしまいそうなカンジ。
 快感の波が静かに絵里に押し寄せていた‥‥。

 2人一緒にベッドに倒れこむ。
 絵里が下で慎吾が上になるカタチ。
 キスを繰り返しながら、慎吾の手の動きがだんだんとエスカレートしていく。
 絵里が着ているTシャツをたくしあげ、ブラに包まれている絵里の胸を揉みしだく。
「あっ‥‥。や、んっ‥‥」
「感じてるのか? 畑中」
 絵里の声に慎吾はそう問いかける。
「ん、‥‥わか‥‥ないっ。勝手に‥‥声が‥‥っ。あン」
 聞いている最中にも慎吾の手は絵里の胸に刺激を与え続けるので、絵里はうまく答えるコトが出来ない。
「声が出るのは感じてる証拠。すっげぇいい声、もっと聞かせて‥‥」
 慎吾はそう言って手を背中にまわしてブラのホックをはずした。
 ブラがずれた隙間から、慎吾は手を入れて絵里の胸を直接揉む。
「はぁ‥‥ん。あぁ、あ‥‥‥‥ッ」   
 絵里の声が大きくなっていく。
 すでに慎吾が腰に巻いていたタオルは落ち、下半身は痛いほど勃起していた。
 たまにその固くなったモノが絵里の足にあたったりするが、絵里はそれどころじゃなかった。
 快感だけが絵里を支配しようとしていた。
 頭では冷静に物事を考えられない、そんなカンジだった。
 慎吾の指が絵里の胸の先っぽを親指と人指し指でキュッとつまむ。
「イヤラシイな、畑中。ココ、もうこんなになってる‥‥」
「ぃやッ‥‥、あぁ、ん‥‥」
 両方の乳首をつままれて、絵里はイヤイヤをするように首を振った。
「畑中、イヤなのか? だったらやめるぞ」
 そう言って慎吾はすべての行為をとめる。
「あ‥‥」
 急に快感がなくなって、絵里はどうしていいかわからずにそのまま横になっていた。
 慎吾の顔をしばらく見つめ、思い切って口を開いた。
「‥‥やめ、ないで‥‥‥‥」
 口から火が出てしまう位恥ずかしい。
 顔を赤くしてその言葉を口にした絵里を見て慎吾は、ゆっくり微笑むと、
「じゃあ畑中、自分で服脱いで」
「え‥‥?」
 慎吾の言葉の真意がわからずに絵里は困惑した顔を見せる。
 慎吾は更に続ける。
「服脱がなきゃ、続き出来ないだろ?」
 慎吾の言っているコトは正論だ。
 絵里は体を起こして、つきささるような慎吾の視線を感じながら立ち上がり、服を脱ぎ始めた。
 スカートのファスナーをさげると、パサッと下に落ちた。 
 そしてTシャツを脱いでから、ほとんどはずれているブラの肩紐を右左とはずしていく。
 だがブラが落ちるのが恥ずかしくて、絵里は胸の前で手を合わせてしまう。
「手、どけてみて、畑中‥‥」
「‥‥でも」
「どうしても恥ずかしかったら中に入っていいから」
 そう言って慎吾はパンパンとシーツがきいたベッドを軽くたたく。
 慎吾の言葉通り絵里はモゾモゾと中に入る。
 ブラはほとんどはずれているので、ずれた隙間から見え隠れする両方の乳首に慎吾の理性は飛びそうになった。
「先生‥‥、パンティは‥‥?」
 絵里がかすれた声で問いかける。
「俺が脱がす」
 そう言って慎吾は絵里の横にもぐりこむ。
 絵里の上に覆いかぶさるようにして、もう1度キス。
 そこからだんだんと慎吾のキスが下にさがっていく。
 耳、首筋、そして胸に‥‥。
 なかなか核心には触れずに、まわりからゆっくりと攻めていく。
「あっ‥‥ン、はぁ‥‥、んッ‥‥‥‥」
 自分の声が自分の声じゃないみたいで、絵里は真っ赤になる。
 それにもかまわずに慎吾の唇と舌は絵里を攻め続ける。 
 そして慎吾の唇が絵里の乳首をくわえて、舌でそれを転がした時、
「や‥‥ぁ! ぁっ‥‥ン‥‥」
 絵里の口から一際大きな声が出た。
 舌で強弱をつけながら慎吾は乳首を転がし続ける。
 あいている方の手でも絵里の乳首を刺激する慎吾。
「あっ、ふぅ‥‥、やぁん‥‥」
 せつなげに漏れる絵里の声。
 慎吾は一度乳首から口を離すと、絵里の顔を見る。
 絵里の顔をじっと見ながら、手を下の方へ伸ばしていく。
 慎吾の手が足に触れ、開きかかった足を閉じてしまう絵里。
 だが慎吾は躊躇せず半ば強引に足の間に手を入れ、絵里のアソコをとらえた。
「あ‥‥」
 絵里のそこはちょっとだけ湿っていた。
 パンティの上から慎吾の指がやさしくそこを刺激し始める。
「はぁ‥‥んッ‥‥‥‥」
 パンティにあるシミがどんどんその範囲を広げていく。
「感じてるんだ、畑中。こんなに濡らして‥‥」
「あぁ‥‥、ぃやん‥‥っ。言わ、ないでぇ‥‥」
 慎吾の言葉にも過剰に反応してしまう絵里。
 慎吾は指の動きをはやくしてみる。
 次から次と溢れてくるもので、絵里のパンティはもうほとんど透けていた。
 慎吾は絵里のパンティに手をかけると、少しずつ脱がしていく。
 抵抗がなくするっと脱げる。
 そして直に絵里の大事な部分に指を這わせる。
 くちゅ‥‥という音。
「やらしい音がする‥‥。聞こえる? 畑中」
 言葉と同時に慎吾はちょっとだけ指を動かす。
 くちゅ‥‥くちょ‥‥と淫らな音をたてる絵里のアソコ。
「やっ‥‥、ヤダァ‥‥ッ。恥ずかしぃ‥‥ッ」
 言葉からも充分な刺激を受ける絵里。
「感じやすいんだな、畑中は‥‥。そんなに気持ちいい‥‥?」
 激しく指を動かしていると、どんどん中から溢れてくる。  
「あぁ、ん‥‥。や‥‥ぁ‥‥ッ」
 動きに合わせて、絵里の口から漏れる声。
 それが更に慎吾を興奮させる。
 そして慎吾はゆっくりと絵里の中に指を入れてみた‥‥。

「あぁ、んッ‥‥! はぁ‥‥、んっ‥‥‥‥」
 さっきまでの声とは少し違っていた。
 ちょっとだけ悲鳴に近いような、叫ぶカンジの声。 それでも絵里の中はすんなりと慎吾の指を受け入れた。
 ゆっ‥‥くりと出し入れする度に絵里の口から声がもれる。
「あっ‥‥、先っ‥‥生‥‥‥‥。はぁ‥‥ッ」
「‥‥なに‥‥?」
 指の動きを止めて、慎吾は絵里の目を見つめる。
 絵里の目には涙がたまっていて、妙に慎吾をドキッとさせる。
「‥‥ちょっと痛い‥‥かも‥‥」
「痛い‥‥? コレで痛かったら、続けられないよ‥‥。どうする? やめる‥‥?」
「‥‥‥‥え‥‥‥‥」
 慎吾はわかっていた。
 絵里はこう問いかけると、絶対「うん」とは言えないコトを‥‥。
「畑中‥‥?」
 上からのぞきこむカンジで、絵里の瞳をじっと見つめる慎吾。
「‥‥続けていいだろ?」
 子供に言い聞かすみたいに優しい言い方をする慎吾。
 絵里は小さくうなずく。
 慎吾は軽くキスをすると、入れたままの指を、少し動かした。
「はっ‥‥ん‥‥‥‥。あっ‥‥」
 大きくなった慎吾のモノは、限界を感じさせた。
「畑中、俺、もう限界‥‥。いい‥‥?」
 慎吾はせつなそうに絵里に問いかける。
 入ったままになっている指を抜いて、絵里の足の間に体を置く慎吾。
 自然と絵里の足が開く格好になる。
「あ‥‥っ、恥ずかしい‥‥」
 絵里の言葉に耳を貸さずに慎吾は、ちょっとずつにじり寄っていく。
「畑中‥‥、ゆっくり‥‥入れていくから、痛かったら言って‥‥」
 慎吾の顔を見つめ、うなずく絵里。
 ここまできたら止められない‥‥心の中でそんな声が聞こえた気がした。
 そして、慎吾は挿入を始める、
「畑中、俺の目ぇ見てて‥‥」
 慎吾の言葉に絵里は慎吾の目を見つめる。
 更に挿入を続けていく慎吾。
「‥‥痛くない?」
 その問いに答えるかのように絵里の顔がちょっと痛さに歪む。
 絵里は我慢しているのだ。
「畑中‥‥、我慢すんなって‥‥」
「ん‥‥、だいじょぶだよ‥‥、先生。‥‥続けて‥‥‥‥」
 慎吾は絵里をその姿勢のまま抱きしめた。
 そして、
「畑中、力抜いて‥‥」
 絵里の耳元で囁く。
 フッと絵里の体から力が抜けた瞬間‥‥‥‥。 
 一気に慎吾は奥まで沈めた。
「あぁんっ‥‥!!」
 今までとは全く違う、ほとんど絶叫に近い、そんな声が絵里の口から洩れた。
 慎吾は絵里から体をはなして、しばらく動かないでじっとしている。
「畑中、目ぇ開けて‥‥」
 慎吾の声に絵里はゆっくりと目を開いた。
 その目には大粒の涙がたまっている。
「ゴメン。痛かったろ‥‥?」
「‥‥うん、けっこう痛いんだね‥‥。びっくりした。でも、‥‥大丈夫だよ」
 慎吾は腰をゆっくりと使い出した。
 繋がっている部分から慎吾にも絵里にも快感が送り出される。
 下半身がしびれるような快感。
「あっ、あ、あんっ‥‥」
 動きに合わせて絵里が声を発する。
「畑中‥‥、俺、ヤバイ。イきそう‥‥‥‥」
 そう言って動きがはやくなる慎吾。
「あッ‥‥、なんかヘン‥‥な、感じ‥‥。あぁん、先生っ‥‥!」
 絵里の中がきゅっとしまり、慎吾の体になんともいえない感覚がはしる。
 今まで味わったコトのない感覚。
 他の女とはなにかが違う‥‥。
「うぅっ‥‥、やば‥‥。出‥‥る‥‥っ、あぁ、絵里‥‥」
 慎吾はギリギリのトコロで抜くと絵里の上に白くドロッとしたものを吐き出した‥‥。

「‥‥名前‥‥‥‥」
「え?」
 ベッドに並んで横になっている2人。
 絵里が慎吾の方を向いて、口を開いた。
「さっき、私の名前言ってたよ、先生‥‥」
「‥‥‥‥」
 口をつぐんでいる慎吾。
 絵里はそんな慎吾がたまらなく愛しく思えてくる。
 ひと呼吸おいて慎吾がこう言った。
「きっと‥‥、呼びたくてたまらない名前になったんだと思うよ‥‥」

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