防波堤で恋をして2

女性もえっちな妄想をしてもいいんです。
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防波堤で恋をして2
2021年07月09日 10時02分
夢流想倶楽部

4.

「ごめんね‥‥諒平くん」
 響子さんはダイニングに突っ伏したまま、独り言のように言っていた。グレーのスウェットの袖に、点々と涙が黒く滲んでる。
「いえ、あの‥‥すみませんでした」
 ううん‥‥私が悪いの、と響子さんはまた、謝った。
「分かってるの、エリがわたしの中に住んでる事‥‥でも、治せないの」
「お医者さんに診てもらったんですか?」
「もちろん、カウンセリングとか内観療法とか、いろいろやったわ。でも、最後は自分の問題なんだって‥‥自分から努力して障害を克服しなければならないんだって」
「あの、障害って?」
 響子さんは黙ってしまった。
 何か悪い事を言ってしまったかな、と思った。誰にでも、探られたくない事はあるから。
「わたしね、男に騙されたの」
「え?」
 響子さんは顔を上げて、無表情に話し始めた。
「高校生のときなんだけど、大学生の人と付き合ってたの。でも‥‥結局遊びだったのね」
「‥‥うん‥‥」
「わたしって、何も知らなかったのね。彼の廻りには何人も女の人がいたの。わたしがそれを妬いていろいろ言うものだから、飽きられちゃったのね。その人の部屋で随分お酒を飲まされて、後から何人かの男の人が来て‥‥ゲームをしようって」
「止めて下さい、もういいです」
「いいの。‥‥聞いて貰えば少しは楽になるから。それ以来ね‥‥セックスが出来なくなってしまったの」
「‥‥あの‥‥そういうのってPTSDとか言うやつ?」
 響子さんは頬をゆるめて首を振った。
「よく分からない‥‥何年かして、好きな人が出来たの。彼とは何度もデートして、キスもして。もう大丈夫かなって思ってた。でも、だめだった。怖くなってしまうの」
「‥‥」
「私は情けなかった。彼を受け入れたいのに受け入れられないの。でも、やっぱり彼の気持ちを引き留めたくて、無理にでもしようとした時にね、『エリ』が出て来たの」
「‥‥知ってます、すこし声が低くなるんですよね」
「もちろん、すぐに気付かれてしまった‥‥多重人格を持ってるって」
「彼とは別れたんですか」
「それが普通よ。頭がヘンな女には誰も寄り付かないわ」
「僕は響子さんをそんな風に見てません」
 響子さんはふふっと笑って言った。
「ありがとう。嬉しいな、諒平くんに慰めてもらえると‥‥でも、そんな自分がどうしようもなく嫌になって‥‥知らない内に自分を切ってしまってたのね」
「それが‥‥あのタオル?」
「捨てたわ。もう」
「‥‥そういうのって、誰でもあると思います。響子さんだけじゃないです‥‥僕だって‥‥僕だって自分のこと、嫌いなんです」
「‥‥どういうこと?」
 僕は、響子さんに麻美さんとの事を話した。
「麻美さんがアメリカに行くのは前から決まっていたんです。でも、おもちゃを取り上げられた子供みたいに、僕は麻美さんにわがままばかり言ってしまって」
「‥‥うん」
「いつまでもじくじくしてる自分が嫌になって、どこをどう走ってきたのか‥‥わからないままに、ここの浜辺まで来てしまったんです」
「そうなの‥‥いろいろあるのね」
 響子さんは少し間を置いた後、
「今でも、その‥‥麻美さんが好き?」
と、聞いた。
「わかりません。一度はすっごく嫌いにもなったんです。でも、今になって思い出すのは良い思い出ばかりで‥‥」
「いいのよ、それで。嫌な事は忘れるの。それが一番いいんだから」
 遅くなっちゃったわね、泊まっていきなさい、と言って響子さんはキッチンに入っていった。
「ラザニアならあるの。レンジで温めるからおいしくないけど、食べるでしょ?」
「あ、はい。‥‥すみません」
「‥‥ビールが切れちゃってるなぁ。ワインならあるけど、それでいい?」
 本当は、麻美さんの事はまだ好きだった。どうしようもなく好きだったから、こうして今も迷ってるんだ、と思った。キッチンで用意をしてる響子さんを見ていて、年上の人には何故か惹かれちゃうんだよなぁ、と内心苦笑しながら、でもこれからは少しは大人になれるかもしれないな、って予感が自分の中で膨らみ始めていた。

5.

 浅い眠りの中で、鳥の羽音が聞こえた。
 騒音や雑音の無い、ぴんと澄み切った朝だった。
 響子さんはまだ、隣りですうすうと寝息を立ててる。
 寝相の悪い僕は緊張していたせいか、深くは眠れなかった。
 昨日の夜、この別荘にはベッドが一つしかなかったから、僕はソファで寝ますと言ったんだけど、そんなの寝れる訳無いじゃない、といって響子さんは僕を半ば強引にベッドに引っ張り込んだんだ。そして響子さんは僕の左腕を抱きしめたまま、深い眠りに落ちてしまった。
 僕は、そっと腕をぬいた。
 響子さんの前髪の乱れが気になって、指で髪を揃えてたら、まぶたの下がぐるぐると動いて響子さんがうすく眼を開いた。
「すみません、起こしちゃって」
「うぅん‥‥眠れた?諒平くん」
 響子さんは僕の手首の痣に気が付いて、ごめんね、跡がついちゃったわね、と言って、痣にキスしてくれた。
 どきっ、と僕の心拍数が跳ね上がる。
「響子さん‥‥」
 僕はそんな響子さんの仕草が愛しくて、唇にキスをした。
「‥‥んぅん‥‥」
 響子さんは眼を閉じたまま、ちゅっ、と答えてくれる。
 柔らかくてかわいい唇。
 僕は、響子さんの唇をゆっくりと舐めた。
「‥‥んふっ、もう‥‥」
 響子さんがキスしながら笑っている。
 僕は一緒になって笑って、もういちど、キスをした。
 すこし舌を差し入れて、響子さんの歯や歯茎をぺろぺろと舐めていると、響子さんは、ちゅぅぅぅっ、と僕の舌を吸ってきた。響子さんの唇に細く挟まれて、気持ちいい。
 少しずつ、響子さんと僕の距離が近づいてる。
「諒平くん、‥‥エリが‥‥エリが出てくるかもしれない」
 響子さんは怖がっていた。
 でも、僕の気持ちの高ぶりは押さえられない。
「大丈夫。僕はエリさんも好きだから。でも‥‥、もっと好きなのは」
 響子さんが遮った。
「ありがとう‥‥でも、もういいの」
 僕は、このまま響子さんと離れたくはなかった。
「響子さん‥‥僕、響子さんが欲しい‥‥」
 響子さんは少し驚いてた。
「‥‥エリさんだって、響子さんが必要としなければ、もう出て来ないと思うんです」
「エリは怖い子よ。すべてを食べ尽くさないと気が済まないの。もしまた昨日みたいになったりしたら‥‥」
「僕の事、嫌い?」
 響子さんはうつむいていたけど、わずかに首を振った。
 僕は嬉しくって、響子さんを抱きしめた。
「よかった、嫌われてなくて」
 純粋に、それだけで嬉しかった。
 僕は響子さんを抱きしめ、幾つもキスをした。
 頬や首筋、小作りな耳や、一重のまぶた。いろんな所に何度も何度もキスをする。足と足が毛布の中で絡み合い、響子さんの細い体が折れそうだった。
「‥‥諒平?」
 響子さんが僕の名前を呼んだ。
 その言葉に、身樹が反応する。
 僕の身体中の血液がどんどん熱く、尖っていく。
「響子さん」
 名前を呼び合うだけで十分だった。
 二人の気持ちが、震えながらも寄り添い始める。
 僕の手が、響子さんのスウェットの中にもぐり込む。
「‥‥うっ‥‥」
 響子さんはきめの細かな、しっとりとした肌をしていた。なめらかな体の峰を、どきどきしながら僕の指が滑っていく。
「‥‥んぅ、だめよ‥‥」
 指が乳房にたどり着いた。
 響子さんの乳房は肉厚だった。細身だから、あまり大きくはなかったけど、右手で弾力を確かめるとしっかりとした弾みが返ってくる。柔らか過ぎず、固くも無い。揉んでいるだけでもキモチよかった。
「‥‥あん、いや‥‥」
 乳首が堅く立ってきた。
 こりこりとしたその先をきゅっ、と摘んでみる。
「‥‥やん、感じちゃう‥‥」
 響子さんは身をよじって僕の手から逃げようとする。
 身樹がジーンズの中でズキズキと堅くなり始めた。
 窮屈な形のまま、身樹がヘンな方に傾いてて、すこし痛い。
「あ、ちょっと‥‥」
 僕はごそごそとジーンズのジッパーを下げた。
 堅くなった身樹を楽にする。
「‥‥痛かった?」
「うん、大丈夫」
「男の人って変わってるよね。急に大きくなって来るんだから」
「ヘンかなぁ‥‥」
「うん、かなり、変」
 ふふっと、響子さんが笑った。
「触ってみる?」
 響子さんは首を振ったけど、僕は手を伸ばして、響子さんの腕を引き寄せた。
「触ってみて‥‥僕が響子さんを感じてるんです」
 ゆっくりとトランクスの中へ導いていく。
 響子さんの指が僕の茂みにざわざわっ、と触れたとき、ビクン、と身樹がはねた。
「あっ‥‥」
 ビックリしたみたいだ。
 ひょっとしたら、響子さん、初めて‥‥なんだろうか。
 確かめるように、僕は響子さんの指を身樹に絡ませた。
「‥‥あぁぁ、堅い‥‥」
 響子さんの指は少し冷たかった。
 うつむいたまま、手の中の身樹を握ったり、擦ったりして感触を確かめてる。
 僕は空いた手を響子さんの下腹に伸ばした。
 スウェットの下の、ショーツの廻りを指でなぞる。
 滑らかな布地が指先に感じられる。
「あ、うっっ」
 響子さんの呼吸が大きくなった。
 細い指が身樹をさわさわと撫であげている。とても気持ちよくって、響子さんの手の中でまた、身樹がはねた。
 僕の指は響子さんのショーツの下に進んで、小さなごわごわとした茂みにたどり着いた。その先は響子さんの足がぴったりと交差していて、思うように進めない。
「足を‥‥」
「え?」
「足を、開いて‥‥」
「‥‥こう?」
「うん、そう」
 響子さんの股間にわずかな隙間ができた。
 僕の指が茂みの先へと降りていく。
 ぴったりと閉じた花弁がどことなく湿ってる。僕は中指を折り曲げて、敏感な花弁を掻き分けた。
───くちゅっ───
 指が熱い泉に触れた。
「・・あぁぁん‥‥」
 響子さんの体の奥は、すでに濡れていた。
「感じてる?」
「‥‥うん‥‥ちょっと‥‥」
 恥かしそうに響子さんが答えた。
 僕は響子さんの濡れ具合を確かめるように、ぐるぐると指でこね廻してみる。
───くちゅっ、ちゅ、くっっ───
 響子さんの呼吸がはあはあと荒くなってくる。
 身樹を持つ手がじっとりと汗ばんでいた。
「すごく、熱いよ‥‥」
「‥‥いや、遊ばないで」
「ごめん、でも感じる?」
「‥‥うん‥‥」
「ここに、僕のを入れたい」
「‥‥え?」
「響子さんと一緒になりたい」
「‥‥でも‥‥」
「僕、もっと響子さんを感じたい」
「それって‥‥痛くない?」
「痛かったら、すぐに止めます」
「すぐに‥‥止めてくれる?」
「うん」
 僕は手を外してジーンズとトランクスを脱いだ。次いで響子さんのスウェットに手を掛ける。
「自分で‥‥脱ぐから」
 響子さんは下のスウェットとショーツを脱いだ。
 毛布の中で、裸になった二人の下半身が絡み合う。
 恥かしそうに、響子さんが抱き付いてきた。僕は響子さんの上になって、足の間に割って入る。肘を立てて、響子さんに体重が掛からない様に気を使う。
「響子さん‥‥」
 きつく反った身樹の笠が響子さんの花弁に触れた。響子さんがびくっ、と身を固くする。
 僕は響子さんを抱きしめ、優しく口付けしながら、身樹の先で入り口を探した。なかなか場所がわからない。
 何度か先を、つん、つん、と当ててみる。
「諒平?」
「うん」
「そこ‥‥あ、‥‥そこ‥‥そこ」
 身樹の先が、厚めの襞に包まれた。
 身体の中でもっとも柔らかく、すべてを受け入れてくれるやさしい場所がそこにある。
 僕は早くそれに包まれたくて、静かに、そして強く、身樹を送り出した。
───くっ‥‥ちゅぅぅぅぅ───
 響子さんの生暖かい肉襞で、身樹がすっぽりと覆われた。
 響子さんの体の中に、反り返った僕の形が染み付いていく。
「ああっ、なん、か‥‥すごいぃ‥‥」
「痛い?」
「ううん‥‥大丈夫‥‥ね?‥‥繋がってる?‥‥」
「‥‥うん」
「繋がってるのね、諒平と‥‥」
「うん」
 僕はゆっくりと動き始めた。
 身樹の皮膚の周りに、幾重にも肉襞が輪を描いていく。
「‥‥あ、あーっっ、あん、あん‥‥」
 響子さんの温もりを身樹で感じる。僕の体温よりも少し高いだろうか。
「響子さん‥‥キモチいい?」
「うん‥‥私‥‥諒平を感じてる‥‥」
 身樹の笠が精一杯張り出して、響子さんの快感を静かに刺激し続ける。
 熱い泉を軸にして、腰で煽る様に身樹を前後させる。
 でも、身樹の挿入がまだ浅く感じられて、今にも抜けてしまいそうだった。僕は右腕で響子さんの左足を引っ掛けると、体の方にぐっ、と持ち上げる。
「‥‥あっ‥‥」
───ぐっ‥‥にゅぅぅぅぅ‥‥───
 深く入った。
 そのまま腰を押し付けるようにして、身樹を突き入れてゆく。
 響子さんの右足も僕の腰に押されて、両足が自然にMの字になった。
 子宮口の、ぷりぷりした感触が身樹の先に感じられる。
 大きく左右に開いた響子さんの体の中心に向けて、僕はさらにまっすぐ、身樹を送り出す。
 何度も‥‥そして何度も。
「はぁん‥‥ん、ん、んぅっ、あん‥‥感じる‥‥感じる‥‥諒平‥‥」
 ダブルベッドの毛布の下で、下半身だけを剥き出しにした僕達は、お互いに夢中で腰をぶつけ合った。身長からすればほんの小さな重なりだけど、響子さんの体内の滑らかな感触が、身樹を通して確実に僕の陰嚢の奥に蓄積されていく。
 交わり合う歓びが、血液の温度を急激に上昇させていく。
───ちゅっ、くちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ───
 響子さんが僕の腰に両足を廻して、ぎゆっと締めつけてきた。
 喘ぎ声がはっきりとしてくる。
 時々、大きく息を吸いこみながら、溜息のような我慢をするような声を絶え間無く上げてる。
「あん、あん、あん‥‥いいわ‥‥いいわァ‥‥あん、感じる‥‥感じるゥ‥‥」
 口をガクガクさせて響子さんが喘いでる。
 同時に膣がきゅぅぅぅっと身樹を捕らえた。
「ああぁぁぁ‥‥諒平‥‥諒平‥‥いい‥‥イキそう‥‥」
 僕も腰から下が小刻みに震え出した。
 もう、我慢できない。
 このままで、いいの?と聞くと、響子さんは歓びに耐えながら頷く。
「いいの、いいのぉ、このまま・・このまま‥‥ね‥‥いや、いや、いや‥‥いっっ、‥‥やああああぁぁぁ‥‥」
「‥‥アアッ!」
 響子さんの中でびくびくと身樹が強く脈打った。
 全身が震え、熱い塊がすべて放出されていく。
 響子さんも身樹をきゅっと締めつけながら、何度も硬直してる。
 やがて、僕達は動きが緩慢になって、繋がった形のそのままに、弛緩した。

6.

 僕と響子さんは浜辺まで降りて、海岸沿いの喫茶店で朝食を取った。
 僕はベーコンサンド、響子さんはホットドッグを注文して、コーヒーのカップにスプーンをつっこんでぐるぐるかき回していた。
 今日も半島の天気はよさそうだった。
 響子さんはコーヒーカップを見詰めながら、ぽつんと言った。
「エリ、出てこなかったね‥‥」
「‥‥うん」
「エリが生まれてからはね、いつも心の中のどこかにエリが居たの」
「‥‥今でも、居るの?」
「うん、ものすごく小さくなってるけど‥‥でも、エリのこと、なんだか分かる‥‥彼女は真っ直ぐなの。すべてに対して‥‥」
 響子さんはとても落ち着いて見えた。
 僕は少し安心して、ベーコンサンドをぱくついた。響子さんはドッグにマスタードを塗り過ぎて、ちょっと辛すぎぃ、なんて言ってる。結局はそのホットドッグも僕が食べる事になってしまった。
 マスタードの辛さにむせながら、今日はどうするんですか、と響子さんに聞くと、
「防波堤よ」
と言う。
「明日は会社に戻らなくちゃ。だから今日は、また防波堤の下でぼんやりと過ごそうと思って。諒平は?」
「今日の午後からはバイトが入ってて。これでも一応、店長代理だから‥‥」
「そう‥‥お互い仕事は大事よね」
 響子さんは笑顔で答えてくれた。
「じゃあ防波堤まで送ります」
「うん。お願いね」
 僕は響子さんを昨日の防波堤の所で降ろした。
 響子さんは、また電話でもしてねと軽く手を振って、スカートを翻すと防波堤の向こうに消えていった。
 僕は彼女を見送った後、車をUターンさせて、港町を後にした。ラジオを聞きながら、海岸沿いを走っていて、僕はふと思い出した。
「‥‥響子さんの体、怪我の跡なんか‥‥どこにもなかった‥‥」

 防波堤の下───
 ぎらぎらと太陽が砂浜を照りつけている。
 大きく張り出した防波堤の下の日陰に、響子は座っていた。
 波打ち際では子供達が遊んでいる。
 響子は一人海を見ながら、ぶつぶつと何かをつぶやいていた。
「ねぇ、どうして帰しちゃったのよ、響子」
「‥‥だって‥‥かわいかったんだもん‥‥」
「ふん、あんなロン毛坊やのどこがいいのかしらねぇ」
「ロン毛?‥‥なかなか似合ってたと思うんだけどな‥‥」
「その優しさが身を滅ぼすの。いいこと?響子。確かに、勝った方が男を好きにしていいって決めてたけど、あの血のついたタオル、見られてるのよ。私のした事は、あ・な・たのした事なの。ね?ばれたら困るでしょ?」
「‥‥諒平はきっと忘れてるって‥‥」
「あぁあ。もうちょっと私が我慢してたらなぁ。今頃私の自由にして、ぐいぐい腰振って楽しんでただろうなぁ。それであいつが立たなくなってきたら崖にポイして‥‥」
「だめよ、エリ。‥‥ゲームは私の勝ちなんだから」

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