マッサージ3

女性もえっちな妄想をしてもいいんです。
当サイトは、アフィリエイト広告を利用しています

アダルトな読み物のお部屋

マッサージ3
2021年07月18日 14時57分
シネマジック

3.

 涼子とは大学で知り合った‥‥おれが21歳の3年生の頃。
 3年からのゼミの同期生ということになるが、彼女は社会に出てから大学に入学してきた2歳年上の女性だった。彼女は東京近圏の地方都市の資産家の娘だったが、家出同然に東京に出てきて、自分で金を稼いで自力で大学に入ったという。
 とにかく何事につけ、自分の力でやらないと気が済まない勝ち気な女性だった。
 プロポーションは痩せぎすで、整った顔立ちの割りにキツい性格‥‥おかげで、ゼミの同期の他の男連中にはセックス・アピールはなかったようだ。
 おれは他人に比べると温厚で寛容だった性格らしく、程よく彼女のブレーキ役となり、彼女がゼミの他の連中をやり込めようとするところで丸く納める役割を、自然と背負い込むようになった。
 そして、お互いに奇妙にウマが合うという感じになっていた‥‥‥それだけじゃなく、おれは涼子に憧れ、間違いなく恋をしていた。
 キツささえ慣れれば、快活で陽気で人懐っこく、自分に比べれば大人で知的‥‥彼女と時間をともにするのは快かったし、会話も弾んだ。

 ある日、おれ達はしたたかに酒を飲み、朝起きてみると、おれは彼女の部屋の床に寝転がっていた。
 彼女は既に起きていて、二人分の朝食を作っていたところだった。
「あー、頭痛え‥‥ムカムカする。飯なんか食えないよ‥‥」
「まあまあ、せめてお味噌汁くらいお腹に入れなよ。そうじゃないと、身体もたないよぉ」
 そんな他愛のないところから会話を交わす‥‥。

 そうしているうちに、こんなことになった。
「最近ジムとかにいってるんだけど、運動不足の解消どころか、やりすぎで筋肉痛だらけなのよねえ‥‥」
「おれさあ、高校時代にサッカー部で、今もサークルとはいえ、サッカー続けてるじゃん。けっこう、その辺は気を使ってるぜ~。キチンと前後にストレッチとかやってるか? そんなにキツくやってないんだろ? だったら、そのあたりきちんとやっとけば、あんまりひどいことにはならないもんだけどな」
「ああ、ストレッチとかはジムでもやれって言われてるけど、あたし、その辺ズボラだから‥‥」
「しょうがないなあ‥‥いっちょう筋肉ほぐしてやろうか? 高校時代は体育会系どっぷりで、よく先輩の脚とかマッサージさせられたもんだし。あと、練習中とか脚をつっちゃう奴が必ず出たからな。その辺のケアは慣れるからさ」
「え? 本当? お願いできる?」

 彼女は無警戒に受け入れたし、おれも純粋にマッサージをする気持ちだった。
 だけど、しばらくマッサージをしてるうちに、涼子の身体に触れていることに興奮してきた。
 そして、こう言ってみた‥‥あくまでも冗談っぽく。
「ゼミの他の連中は知らないけど、おれさ、涼子のことけっこう好きなんだぜ。女として見てる。そんなやつに、マッサージさせていいのかぁ? このまま性感マッサージとかになだれ込んじゃうかもよ」
「あはは、誠にしちゃ、できのいい冗談だね~。いいですよぉ、やってみたら? こっちは年季が違うもんね。感じさせることができるか、お手並み拝見しようじゃない」
 さすがにムカッと来た。
 しかし、暴力的なレイプに訴えなかったのは、涼子が好きだっていう感情‥‥そして、小馬鹿にされたことに正面からぶつかっていく青臭さがあったということなんだろう。

 拙い指の動きでの性感マッサージの結果は散々だった。
 涼子は少しばかり顔を紅潮させ、下着もちょっとは汚したが、余裕しゃくしゃく。おれの方が十分に感じさせられないまま、ギブアップした。
「あは、ゴメンね。実はあたしね‥‥誠だからカミングアウトしちゃうけど、レズなのよ‥‥あんまり、男の人じゃ感じないのかもね‥‥ふふふふ‥‥」
 一気に脱力した‥‥好きだって思ってた女に、こうあっさりと宣言されては‥‥。
「でも、ちょっとは感じたよ‥‥。誠の指、女性的なのかな‥‥うん、長くて、身体に比べれば華奢で繊細な感じ‥‥あーあ、環境に恵まれてたら、ピアニストとかになれてたかもよ~」
 おれの手を取って指を見て、さらに感触を確かめて、彼女はそう言った。

 それから後も、おれと涼子のこの関係は続いた。
 涼子の部屋で機会があるごとに、おれはマッサージとも愛撫ともつかない行為に及ぶ。
 他の女性ともセックスの経験を積んでおれのテクニックは順調に向上していったが、涼子は最後の最後でダメを出す。
 おれはそれで引き下がる。

 完結しないセックス‥‥
 よく涼子のことを襲わなかったもんだと思う‥‥どうしてマッサージだけに甘んじていたのか、自分でもよく判らない。
 涼子がおれにそうさせる理由も判らなかった。

 そうこうしているうちに、涼子との別れの時が来た。
 ある日、涼子の部屋に行ってみるともぬけの空‥‥大学の事務局に問い合わせると自主退学したという話で、帰省先とも連絡が取れなくなっていた。
 おれと涼子の関係は、いったん終った。

 その後、卒業して就職‥‥何人もの女性と関係を持った‥‥風俗も含めてだけど。
 涼子を相手に磨かれたテクニックは、十分に他の女性にも通じた。ペニスの大きさや持続時間は人並み程度でも、前戯だけで十分過ぎるくらいに女性を満足させられた。
 でも、おれに残されたのはテクニックだけじゃなかった。
 涼子との完結しないセックスの幻想‥‥他の女性と寝てる時も頭の片隅には涼子のことがある‥‥そして、セックスを終えても満たされない心‥‥。満たされない思いが募ったせいか、おれは少し攻撃的になり、次第にソフトSMっぽい責め方をするようになっていた。
 そして、セックス以外のことには淡白だったせいか、女性との関係はいつも長続きしない。

 そんな時、涼子との再会が思いもよらず訪れた。
 去年、おれは涼子の帰省先の隣の市に転勤になり、休みの一日をのんびりと市内の温泉宿で過ごそうと思った。
 おれの部屋にやって来た仲居とおれは、ぽかんとした顔でご対面することになった。
 仲居が涼子だったんだ。
「えへへ‥‥ごめんね。黙って姿消しちゃって。いろいろとあってね。この宿ね、実はあたしがオーナーなの‥‥」
 オーナーがなんで仲居を、という素朴な疑問から今までの経緯を彼女は話してくれた。
 この旅館は彼女の親父さんが所有し、経営していた事業の一つだったという。資産家で唯一の肉親だった親父さんが死んで、彼女は生まれ故郷に舞い戻った。そして、親父さんの遺した事業や資産を整理してしまったそうだ。
 自分の手に余る事業は親父さんの旧部下に譲り渡し、資産も多くは売却‥‥その旅館だけ手元に残し、実質的経営は親父さんの下で番頭をしていた人に任せている。
 自分はその旅館に寄宿し、「働く感覚を忘れそうになったら手伝う」というくらいで、売却した資産で得た金と旅館からの利益の分配で悠々自適の暮らしをしているという。

 20代のころより体つきも人格も丸みを帯びていたが、もっと攻撃的になったところもあった。
「相変わらずレズだよ‥‥ここのお客さんをつまみ食いしたり‥‥あとね、こういうのもやってるんだ‥‥」
 見せられたのは、『けやきマッサージ院』のビラ。
「時間はいっぱいあったからね。ちゃんと資格とったんだ。それで無店舗営業でね。ふふふ‥‥お金が目当てじゃないの。お客が可愛い子だったら、誠のマッサージみたいにしてね、エッチしちゃうんだ」
「冗談じゃないぞ‥‥おれ、涼子が突然いなくなって、心に大きな穴がぽっかりと空いちまったんだぞ‥‥自分だけよろしくやりやがって‥‥」
 表情は苦笑混じりではあったが、偽らざる気持ちだった。
「ふふふ‥‥ねえ、昔みたいにして‥‥」
「え?」
「お願いだから‥‥久しぶりに‥‥」

 そして、仲居の和服姿を乱しながら、昔のように‥‥‥‥それだけじゃなくて、彼女を言葉で辱めながら、指と舌だけで初めていかせた‥‥一度だけじゃなく、何度も。
 だけど、何故だか挿入する気になれなかった。
 恐かったのかもしれない‥‥涼子とのセックスを終わらせることが‥‥いや、それだけじゃなく、涼子がこれで自分達の関係を永遠に終わらせようとしてるんじゃないかと‥‥そして、自分が幻想に抱いていた甘美なイメージが壊れるんじゃないかと‥‥。

「滅茶苦茶にして‥‥」
 彼女が促してもそれ以上は手を出さないまま、おれは添い寝するだけ。
「ねえ‥‥どうして、一つになってくれないの? すごく良かったのに‥‥誠が本当に気持ち良くしてくれたら、犯されてもいいって思ってたのよ、ずっと‥‥」
 おれの心の中を見透かして、甘く挑発するように涼子は語りかけた。
「あたしとするのが恐いの?‥‥しかたのない人ねぇ‥‥それとも、あたしのせいなの?‥‥」
「‥‥‥‥‥‥」
 拗ねたように黙りこくるおれに、涼子は一つの提案をした。
「ねえ、マッサージの仕事、手伝ってくれない?」
 彼女は、まるでおれを捨てる代償であるかのように、そう提案してきた。
「あたしとの関係や、誠の心の中にあるあたしのイメージを、これ以上は壊したくないんでしょ? でも、あたしから解放されてよ。それで、あたしも解放して。それには、あたしを超える存在を見つけなきゃ。あたしの所に連絡をくれるお客の中に、誠の心の隙間を埋めてくれる人がいるかもしれないよ」
 おれは黙り続けていた‥‥迷いもあった‥‥そんな誘いに乗らずに、このまま涼子を犯してしまった方が自分の心の整理をつけられるのかもしれない、と。
 でも、結局、そうはできなかった‥‥おれは、なし崩しに彼女の提案に乗る形になった。
 そして、何人かの女性の相手をしたが乗り切れないまま‥‥‥。

 今までのことを思い出し、それを振り切りながら、おれはペニスを根元まで恵美の中に埋める。
 ここまでて3回もいってくれた‥‥恵美にはどこかしら波長が合うと感じさせるものがある。涼子のことは頭の片隅から離れないとしても、今は恵美を気持ちよくしてやることに集中しないと。
 そう思いながら軽く腰を上下させたり、ローリングさせたりして、恵美の奥の方を掻きまわすように‥‥同時に、恵美のクリに自分の恥骨を擦りつけて刺激する。
「あぁ‥‥はぁぁ‥‥あんっ‥‥んん‥‥」
 おれの手は、恵美の首の後ろへ伸び、手首を縛っているヒモの結び目をほどく。
 彼女の腕がおれの身体へ伸びて、手を背中に回して抱きついてくる。
「んっ‥‥んーー‥‥ピチャ‥‥んふ‥‥」
 おれは彼女の唇を奪い、舌を絡めていく。
 そして、腰をゆっくりと引き、また前へと突き出す動きを繰り返す。ペニスとコンドームのイボが大きくゆっくりと恵美の中を刺激していく。
「あぁ‥‥いい‥‥気持ち‥‥気持ちいいよぉ‥‥」
 ゆっくりとした腰の動きを続けながら、片方の手で恵美の頭を抱え込むようにしてうつむかせる。
 彼女は、二人がつながっている部分を覗き込み、目線を動かすことができなくなる。
「あっ‥‥い、いやぁ‥‥すごいよぉ‥‥あたしのアソコ‥‥すごいよぉ‥‥」
「すごいでしょ‥‥おれのチンチンを恵美さんの下の口がいっぱいに咥え込んでるんですよ」
 そうやってペニスが出入りしているところを見せつけながら耳元で囁く。
「あんっ‥‥言わないで‥‥そんなこと言っちゃやなのぉ‥‥」
 それから左右の親指の腹を、それぞれ乳首の頭に添えて軽く押す感じに‥‥他の指は腋から背中に伸ばす感じにし、左右の手で恵美の両腋を持つようにする。
 次第に小刻みにリズミカルに腰を前後させていく。
 こうしておくと、身体の揺すぶられるのにつれて親指が恵美の乳首を刺激していく。
 恵美がスレンダーで、胸も小さいからできる芸当だ。
「んくっ‥‥んっ‥‥あっ‥‥ああ、いいよぉ‥‥んっ‥‥もっと‥‥もっとぉ‥‥」
 おれはリズミカルに腰を前後させ、時々大きく強く下から突き上げる動きも織り交ぜていく。
「あんっ!!‥‥あぁ‥‥あんっあんっ‥‥んんっ!‥‥はぁはぁはぁ‥‥」
 腰の動きを続けていくうちに、恵美の中の締まりがどんどんと良くなってくる。腰を振り立てながら耳や首筋にキスし、舌を這わせてから耳元に囁く。
「あぁ‥‥恵美さん‥‥恵美さんの中、すごくいいですよ。気持ちいい。チンチンがとろけちゃいそうですよ」
「あたし‥‥やん、もう‥‥あっ‥‥また‥‥あんっ‥‥あっ‥‥お、お願い‥‥お願い‥‥あっあっ‥‥」
 おれは、両手を胸から下の方へ滑らせ、腰を左右から持つ。しっかりと恵美の身体を抑えながら、突き入れを強く速くしていく‥‥
「ほーら、こうですか? ほら‥‥いいんですよ。なんにも考えないで、頭の中真っ白にしちゃいましょ」
 恵美の中の締め付けが一段と強くなっていく。
 背中に回された彼女の手に力がこもって、おれの皮膚に爪が立つ。
 その痛みに構わず、フィニッシュに向けておれの腰の動きはさらに速く強く‥‥。
「ん、やっ‥‥はぁん‥‥あん、あん、あっ‥‥また、い、いっちゃう‥‥」
「ほら‥‥んっ‥‥くぅ‥‥」
「あぁっ!! い、いっちゃう! いくの‥‥いくのっ‥‥イクッ!‥‥あっ‥‥」
 その刹那に、恵美は身体をブルブル震わせておれにしがみつく。
 次の瞬間、おれのペニスも固さを増し‥‥‥‥そして、果てた。

 しばらくして、肩で息をしながらグッタリしている恵美のアソコをウェットティッシュできれいにしてやり、脚を固定していたリボンをほどく。
 今のところ、自分も快感の余韻があって、まだ心の虚しさは湧いてきていない。
 しかし、時間が経てばどうなるだろうか。

 コンドームを外して自分のものをきれいにしながら、恵美に声をかけてみる。
「満足いただけましたか? 良ければご贔屓にしてもらえるとうれしいんですが」
「‥‥‥‥」
「今日は料金はけっこうですから。お初ですから、サービスにさせてもらいます」
「‥‥ううん、料金は払います‥‥だから、お願い」
「え?」
「お願いだから‥‥もう少し‥‥気持ちのいいマッサージ、お願い‥‥」
 顔を伏せ、恥ずかしそうに彼女が言う。
「ふふふ‥‥いいですよ、お客さんなら‥‥恵美さんが相手なら喜んで‥‥‥‥取り敢えず汗を流して、身体をきれいにしましょう。それから、たっぷりと‥‥」

 恵美はおれの心の空虚を満たしてくれるだろうか‥‥涼子を忘れさせてくれる存在になるだろうか。
 これから一晩中かけて、恵美を責め続けることになるだろうけど、どんな答えが得られるのか。
 逆に、お互いによく似た雰囲気を持つ恵美と涼子の姿を重ね合わせることで、涼子からますます離れられなくなるかもしれない。

 おれは頭の中に湧き出してきそうな涼子のイメージを振り払い、どんな風にマッサージを続けてやろうかを考えながら、恵美を抱き上げてバスルームへと向う。
 少なくとも恵美にマッサージをしている間は、涼子のことを忘れられるはずだ。そう自分に言い聞かせながら‥‥。

この小説がよかったらいいねしてね
0