一瞬空気の流れが止まった。それと同時に周りの音もかき消され、聞こえるのはただ自分の鼓動だけ。
“どくっ‥‥どくっ”
まるで喉の辺りに心臓がきているのかと錯覚するような早い鼓動。
車通りの激しい道をはさんで向こう側に彼女を見つけた瞬間だった。
里奈。かつて俺が本気で愛した女。今も忘れられない人。
燐とした横顔は少し大人びて見える。
彼女は友人と何か話をし、笑いながらゆっくりと歩いて信号で止まる。
吸い寄せられるように俺の足も早くなり、交差点に急ぐ。彼女を見失わないように。
信号がやけに遠く感じる。
(でも、どうする? 何て声をかける?)
そんな事を考えているうちに信号が青に変わると、一気に人波が交差点の中心に向かって流れだす。
里奈は交差点を渡ると俺が立っている方向に歩いてくる。
すれ違いざまに、つい彼女の腕をつかんでしまった。
「キャッ! 何?」
彼女は一瞬目を見開くと、俺だと認識して更に驚いた顔をする。
「健司‥‥? 久しぶり」
1年前の夏、里奈は突然俺の前から姿を消した。原因は多分、俺。サーファーっていうのもあって、女が寄って来たり、告られたりして、里奈は不安でしかたないと毎日のように友人にもらしていたらしい。
「またナンパ?」
横に居た子が里奈に耳打ちする。
「あ~、健司。前に良く話した人」
里奈は俺に一瞬目を合わせると、大学の友人だと言って友達を紹介した。
その友達は、ちょっと用事を思い出したとか言って、里奈に「メールするね」と言い残すと雑踏の中に消えて行った。
「えっ? あ、またね。今日はありがと」
里奈は友達に手を振ると俺の方にゆっくりと向き返る。
「で‥‥ホント、久しぶりだね。元気だった?」
里奈の笑顔にまた鼓動が早くなる。
「ん? まぁまぁな。里奈は?」
「ん~、まぁまぁ」
沈黙。
何を話せばいいのか、言葉が続かない。
「ちょっと座らない?」
里奈は辺りを見回すとカフェを見付け、俺の腕を引っ張る。
「偶然だな~、1年ぶり?」
わざと忘れていたようにおどけて聞いてみる。
「そうだね、1年‥‥偶然でも会わなかったよね~」
時間が経ち、だんだん俺も里奈も緊張がほぐれて昔のように笑い合い、軽くじゃれあう。
里奈は笑い涙を拭うようにして「あ~お腹痛い」と、お腹を抱える。
「里奈、彼氏に悪くねぇ? もう6時だけど」
遠回しに彼氏が居るか確認してみる。
「へ~、健司の彼女は6時に帰って来るんだ?」
ストローで氷をクルクルと回しながら逆に里奈が上目遣いに聞く。
「ち、違うよ。俺、彼女いねぇし、マジ、マジで。今もまだ‥‥」
必死に否定するあまり口をすべらせた。
(女々しいなぁ、俺)
少し笑うと、里奈は優しく俺の手に手を重ねて静かに話しだした。
「私、あの頃愛されてるって自信がなくてさ‥‥健司の事、一番に信じなくちゃいけなかったのにね。ごめんね」
細く笑うと里奈は少し涙ぐんでいた。
「俺の方こそごめん。里奈の辛さ、理解しようとしてやれなかった」
「私‥‥ね、」
里奈は俺の指先を見つめて話し続ける。
「‥‥今も、健司の事、思い出してばかりなんだ。誰を見ても健司と重ねて比べちゃう。勝手だね‥‥」
里奈は少し笑う。
里奈の手を握り返すと今の気持ちをぶつける。
「やり直せないか? 里奈。やり直したい」
里奈は大きな瞳から涙を溢れさせてうなずく。
「本当? 本当に?」
人混みにイラつきを感じながら里奈の手を引き、早足で車に乗り込むと助手席に乗った里奈を感情のまま抱き締める。
「健司‥‥ちょっと苦し‥‥」
里奈は抵抗するような言葉とは裏腹に、俺の背中にそっと腕を回すと胸に顔をうずめてきた。
「マジ、もう離さない。ずっと里奈の事想ってた。すっげぇ好き」
里奈が頷くのを胸で確認する。
「私も。健司‥‥ありがとう。嬉しい」
臆病な俺を今日だけは里奈に曝け出しても構わない。
別れてしまった後、後悔という言葉の意味を知った。あのとき、里奈の気持ちをもっと考えていたら、と。
里奈を家の前に送り届けると、このまま帰したくない気持ちが溢れる。
「ありがと‥‥」
里奈も車から降りる素振りを見せない。
「里奈‥‥」
彼女の存在を確かめるように名前を呼ぶ。
どちらからともなく指を絡ませると、唇が軽く触れるだけのキスを交わす。
それだけで爆発しそうな鼓動が里奈に伝わりそうで、恥ずかしくなった。
「健司‥‥もう少し、このまま一緒に居てもいい?」
里奈は照れたように目を伏せると俺の肩に頭を乗せた。
「じゃあ、俺んち行こう」
里奈の返事を待たずに車を発進させる。
「変な事、しない?」
彼女は小さく笑うと俺の左頬にキスをした。
※
玄関を開けると干してあった洗濯物が目について、それをクローゼットに投げ込む。
「ダメ。たたむから、貸して」
部屋の真ん中にちょこんと正座すると、里奈はそれを手際よくたたみ始めた。
不意に愛しさが込み上げてきて後ろから抱き締める。
「あ~、約束違反」
里奈は笑いながら俺の腕をぺちぺちと軽くたたく。
「俺、返事してね~もん」
ギュッと抱き締めると、彼女の体は前より少し華奢になったように感じた。
「里奈、痩せた?」
「え? 別に痩せてないよ。おっぱい小さいのは前からだし」
(里奈の体ってこんなに小さかったんだ‥‥)
首筋にキスをするとピクッと反応する。
「里奈、抱きたい」
しばらく沈黙が続いた後、彼女が小さく頷く。
耳を唇で挟んで、舌先で輪郭をなぞるように動かすと、里奈はため息を漏らした。
「はぁっ‥‥」
うなじを這うように舐める。白くて甘い肌を、味わうように。
「んんっ‥‥っ‥‥ぁ」
泣くような切ない声。初めて里奈を抱いた夜のような愛しくてもどかしい気分に、俺の股間はかなり熱く、固くなっていく。
里奈のキャミを脱がすと背中全体にキスをする。腰をくねらすようにして息を荒くする彼女は、時折可愛い声を出す。
「っ‥‥ぁん」
里奈が声をあげる度に俺の方もピクンと反応する。
里奈の体をこっちに向き直させると、彼女は照れたように目を伏せる。
「緊張、しちゃう」
小さく震える肩を抱き寄せる。
「俺も‥‥」
里奈は俺の膝に手を置くと、下から目で俺の体を撫でるようにゆっくりと顔を上げた。
視線が絡まる。キスを交わす。薄く目を開けて里奈を見ると長い睫毛を震わせていた。
目蓋、頬、首へと唇をそっと這わせていく。
ブラを外し、乳房を下から持ち上げるように愛撫して乳首を舌で弾くと、里奈は指をくわえて声を押し殺していた。
「ふ‥‥んんっ」
里奈の手首をつかむと口から指を離す。
「声、聞かせて。聞きたい」
俺も上半身を脱ぐと、里奈を抱き抱えてベッドに連れていく。
体を重ねて、里奈の存在を確かめるように柔らかくキスをする。
足元に下がると、里奈の右足を持ち上げて足の甲に唇を寄せる。
「‥‥ん」
里奈の爪先が反り返る。
舌でペロッと舐めてから軽く歯を当てると、里奈は手をギュッと握り締めて更に切ない声をあげる。
「くすぐった‥‥っん‥‥ぁん‥‥やっ‥‥」
腰を浮かすようにして身をよじる里奈は、俺に救いを求めるように手をのばしてきた。
その手に指を絡ませると、今度はその指を口に含んで指先を舌でチロチロと舐める。
「ぁん‥‥ぁあ‥‥っ」
里奈は膝を擦り合わせるようにモジモジしている。
「里奈、くすぐったいの?」
「ん。何か変‥‥な感じ。気持ちいいような、ゾクゾクするみたいな‥‥」
深呼吸をして息を整えると、里奈は目を閉じたまま答えた。
「確かめていい?」
両ももの間に手を入れて、下着の上から里奈の中心を軽く撫でてみるとあたたかく湿っていた。
「里奈、もう濡れてる。くすぐったかったんじゃなくて、気持ち良かった?」
彼女のおでこにキスをして、下着に手をかけると里奈は腰を浮かせた。スルッと足から抜き去ると床に落とす。
里奈の潤みを確かめるように、直に茂みを掻き分けて表面に指を這わせる。
「っ‥‥んぁ‥‥あ」
“クチュ‥‥ッ”
「聞こえた? 里奈のいやらしい音」
里奈は俺の目を見つめると頬を紅くしてちょっと唇をとがらす。
「き、聞こえないっ。知ら‥‥な‥‥っい、ぁあん」
里奈が言いおわらないうちに、俺は中指を里奈の中に埋める。
「すごい、熱くてキュッてしてくる‥‥あぁ、きつい‥‥」
里奈の肉壁は、俺の指を子宮に引き込むようにして伸縮を繰り返す。
「健司‥‥あぁ‥‥ぁ」
言葉に過敏に反応する里奈は、蜜をどんどん溢れさせる。
「指、ただ入れてるだけでいいの?」
少し関節を曲げると上のザラついた壁をつつく。
「あん‥‥ぃ‥‥や」
指はそのままに俺は里奈の乳首を口に含んで甘噛みする。
「いゃぁ‥‥はぁ‥‥んっ」
ビクッと体を反らすと里奈の中もそれと同時にギュッと俺の指を締めつける。
ニュルッと里奈の中から一旦指を引き抜く。
「あっ‥‥」
名残惜しそうに里奈が俺を見る。
「俺にもして」
身につけた物全てを脱ぎ捨てると、壁にもたれてベッドに座る。
里奈は俺の足の間に座ると熱い幹をつかみ、上下に強弱をつけてしごく。
「して?」
里奈の顎を指で撫でると彼女はコクンと頷いた。
里奈の髪が太ももに触れる。俺の先端に柔らかい舌が小刻みに刺激を与えてきた。
裏筋に舌が触れた時、思わず体を跳ねさせてしまう。
「うっ‥‥」
里奈は俺の目を「気持ちいいんだ?」と聞いているように見つめる。
“ジュッ‥‥”
音と共に俺のソコは里奈の口内に埋まっていく。
“ジュルッ‥‥ジュルッ”
「あぁ~、里奈。凄い」
上下に揺れる彼女の頭を見下ろして、何ともいえない快感を味わう。
里奈と手をつなごうと彼女の左手を探すと、その手はクリトリスを弄んでいた。
「んっ、んっ‥‥」
愛しい彼女の乱れた姿にたまらなくなり、里奈の左手を上から押さえ付ける。
「んんんっ‥‥!」
「ぁあ‥‥里奈、いやらしい‥‥我慢できなかったの? オナニーしながら俺のをくわえて感じてたんだ‥‥」
“ジュルッッ‥‥”
口内から解放すると、里奈は息を荒くしていた。
「里奈、おいで」
仰向けに寝て、里奈のお尻を顔の前に持ってくるとシックスナインの形になる。
視界に広がる割れた肉はヒクヒクと痙攣してヨダレをたらしていた。
吸い寄せられるように唇を近付けると、ディープキスをするように舌を差し込み、蜜を吸う。
「ん‥‥うぅん‥‥」
里奈は俺をくわえたまま喉を鳴らすと腰をくねらせた。
“ジュルッ‥‥ジュ‥‥ッ”
里奈も俺もお互いを口で愛しながら感情と興奮を高ぶらせていく。
里奈の中に差し込んだ舌が、急に動きを押さえ付けるように締め付けられる。
「んっ‥‥ぁ‥‥ダメ、健司‥‥っあんっ」
彼女は唾液でベトベトの俺を握り締めると、口から離して背中を反らす。
「イッちゃうっ‥‥ダメ‥‥やめ‥‥て。おねが‥‥あっ」
上り詰める寸前で、里奈は自ら俺の口を離れた。
「イッて良かったのに」
口のまわりを手で拭いながら、荒い息の彼女を見つめる。
体の向きを変えると里奈はキスをしてきた。
「健司の‥‥でイキたいの」
「だから、俺の舌でイッて良かったのに。違う?」
艶めかしさと恥ずかしさをまとう里奈は、伏し目がちに首を振る。
「一つになりたいの。ちゃんと‥‥」
濡れ光る唇は、俺が何を言わせようとしているか分かっているようで、小さく震えていた。
「里奈、それじゃ分からない。どうしたいのか、ちゃんと言って?」
恥ずかしがる里奈を見て更に欲情する。
「健司の‥‥」
頬を紅くして、伏せていた目をゆっくりと俺の視線と絡ませる。
「俺の? 何?」
首をかしげて里奈の唇がいやらしい言葉を発するのを待つ。今すぐにでも里奈に入れたい、めちゃくちゃにしてしまいたい衝動に負けそうになる。
「お、っ‥‥ぉちんちん、が‥‥欲しいの‥‥」
かすれたような声で里奈が初めてソレを言葉にした。
先走りを指でからめとると里奈の口元に差し出す。
“ピチャ‥‥ッ”
柔らかい舌を突き出して里奈がそれを舐めると、透明な糸が線を描いた。
胸がカッと熱くなり、手首を掴んで里奈を押し倒す。
「キャッ!」
ドサッという音と共に、里奈の体が仰向けになる。
白い首に柔らかく噛み付くと、里奈の手は力をなくしていく。
「はぁっ‥‥あっ‥‥ん」
うっすらと涙を浮かべた里奈は、首に腕を回して俺の耳を軽く噛んでくる。
耳元に切なくあえぐ声と、暖かい息、柔らかい唇と舌の感触が広がる。その全てで俺の欲情と興奮は限界だった。
里奈の下半身に手をのばすと、指先にヌルッとした感触を確かめる。愛液はお尻を伝ってシーツを濡らしていた。
「里奈、すごい濡れてるよ。こんなに‥‥、そんなに欲しい?」
両足を開くように促して里奈の足の間に座ると、俺のソコを里奈の入り口に擦り付ける。
「あぁ、健司っ‥‥早く、早く‥‥きて」
里奈はねだるような目付きで、誘うように腰をくねらす。
俺は里奈に全てを沈めてしまうのを我慢して、先のくびれまでを入れると愛液を掻き出すようにしてまた引き抜く。
「ゃ‥‥あん、いじわる‥‥はぁっ‥‥あぁん‥‥健司っ‥‥あっ」
狂おしい程に想い焦がれた愛しい里奈が、今、また腕の中にいる。
その事実を噛み締めるように、里奈をじっと見る。眉間に小さくシワを寄せて、訴えるような目を向ける彼女はとてもいやらしく、濡れた唇からは甘い吐息が俺を誘惑する。
(そういう顔を他の男にも見せたのか? そうやって、誘うような声を誰かに聞かせたのか?)
ふと、醜い嫉妬心が頭をもたげる。一年という月日の間、里奈に彼氏が居たかもしれない。居たとしても仕方ないのに、独占欲でいっぱいになる。
感情のままに腰を落とすと、里奈を一気に貫く。
「ああああっ‥‥ぁ!」
里奈は背中をしならせて、俺の腕に爪をたてる。
杭を打ち込むように、容赦なく腰を送り込む。
「あっあっ‥‥ぁあっ! ちょっとっっ‥‥はぁっ、あんっ」
「あぁ‥‥っ里奈‥‥っ」
唇を重ねて貪るように舌をからめると、更に腰を強く打ち付ける。
「んーんっ! んんっ! んっんっ」
嫉妬と募らせた愛情を里奈にぶつけるように、夢中で里奈を揺さ振る。
「健司っっ‥‥ぁっっ‥‥あぁっっ‥‥ま、待って‥‥ああんっっ‥‥いやぁっっ、ダメっっ‥‥あぁんっっ!」
里奈の手が力なく俺の頬に触れると、我に返った。
「っ‥‥はぁっはぁ、あ‥‥ご‥‥ごめん。里奈‥‥」
「大丈夫‥‥だけど。もうちょっとゆっくり‥‥」
里奈は涙を流していた。それを指で拭うと髪を撫でる。
「ごめん‥‥」
「違うの、嬉しくて‥‥ずっと、ずっと‥‥健司を忘れた日なんてなかったから‥‥」
その言葉に胸がキュンと熱くなる。繋がったまま里奈にキスをすると今度はゆっくりした動きで、里奈の感触を味わうように腰を動かす。
「ああっ、健司‥‥ぁん‥‥」
里奈の手が背中を撫で下ろして腰にからまり、求めるように腰を引き寄せる。
「里奈‥‥すげぇ、気持ちいいよ。あぁっ‥‥」
深く、浅く。リズムと共に粘着質な音と里奈の高い声が聴覚を震わせて脳に響く。
“クチャッ‥‥クチュ‥‥”
「健司‥‥健司っっ‥‥ぁぁん‥‥はぁん」
腰に絡まる手に里奈が力を込める。
「イッちゃうっっ‥‥あぁっっ‥‥もぅ、あっっ!」
里奈を強く抱き締める。愛しい気持ちが、上り詰める速度に拍車をかける。
「っ‥‥里奈、里奈、愛してるっっ‥‥ああっ」
里奈が足をピンと伸ばして腰を震わせる。
里奈の中がきつく痙攣を起こして脈を打つ。
「イクっっ‥‥ぁあぁんっっっ!」
「俺‥‥もっ‥‥くっっ‥‥出るっっ」
絶頂の寸前で、名残惜しそうに締め付ける里奈の中から引き抜くと、あまりの快感に腰を震わせて最後の一滴まで絞りだすように吐き出す。
「ぁ‥‥ん、健司‥‥」
里奈は俺の頬を指先でなぞるとパタッと腕を下ろした。
里奈の首筋に張りついた髪の毛を剥がすように撫でる。
「‥‥ん‥‥。健司‥‥すごかったね‥‥ちょっと、意識失いそうだった‥‥」
柔らかく微笑む里奈にそっと口付けをすると、里奈は深く息をはいた。
「私、健司と別れてから‥‥誰とも付き合ってないよ」
俺の心を見透かした様な里奈の言葉に、急に恥ずかしくなって里奈を抱き締める。
(今、顔赤くなってんだろうな。俺‥‥)
「俺も‥‥里奈しかいらない。もう絶対に離さないから」
離れていた時間もお互いを求め、想っていたんだと実感する。
「うん‥‥健司‥‥私も、もう離れたくない」
ギュッと抱き締めると里奈も抱き返してくれる。
愛しい温もりをもう二度と失わないように。
きつく手を握り締めると、誓いにも似た神聖なキスを交わした――。