クリスマスの夜

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クリスマスの夜
2021年06月30日 17時14分
女排泄一門会

 パソコンを買って1ヶ月。
 世の中ではインターネットなど、話題があふれていた。興味が惹かれてた彼女は、やっとその環境が整ったのだ。

 彼女の名前は亜有美。これからパソコン1つで広がっていく世界へ、期待に胸を膨らませていた。

 亜有美は地元の横浜の高校を卒業し、すぐに就職が出来ず、1年間就職活動のやり直しをしながら、バイトに明け暮れる日々を過ごしていた。けれど、夏を機に、貯金をはたいてパソコンを買い、フリーターとなった。

 初めてのバイト先で、同じ年の彼氏を作り、なんとなく付き合っていた。そんな彼氏とも、マンネリが生じてきて、やりきれないでいた。亜有美の身体ばかり求めてきていて、気持ちがないのではないかと、いつも拒んでいた。うちでのんびり家事をしながら、適度に遊んでいた彼女の生活も、だいぶ飽きてきていた。友達は大学や仕事で、普段は遊べもしない。そこで、ネット環境を作ったのだ。

 彼女の周りに、メール交換などできる友達も少なく、たまたま検索して引っかかった掲示板に、メル友募集を載せてみた。意外に反応は早く、2日で400通近いメールがきた。ほとんどが男で、年上が多かった。一通りメールを読んで、そのうちの50人近くに返事を書いてみた。それから毎日、楽しくメール交換の日々が流れていき、しばらくはその刺激を楽しんでいた。それから1ヶ月くらい経つと、自分からドロンしたり、されたりして、だいたい仲良くなるメル友が絞られてきた。そこで、マンネリしている彼氏の話などをしていき、彼氏にヤキモチを妬かせる意味も含めて、初めてメル友とご対面する事にした。

 まず、同じ県内の4つ年上の大学生と会う事にした。彼はトップクラスの大学の法学部。自分はかっこいいなどと言っていたので、期待して待っていると、それほどでもなかった。確かに優しい人だったけれど、なんだか気がひけて、彼氏がとてもよく見えてきた。

 その2日後、もう1人のメル友と会った。その人は3つ年上の大学生。その彼は、好きな人にふられたばかりで、亜有美が話を聞いて元気付けたりして、すっかり意気投合していた。なんと、群馬から横浜まで、わざわざ彼女に会いに、車を運転してきてくれると言うのだ。待ち合わせ場所に行ってみるとびっくり。先日会ったメル友とは違い、なかなかカッコイイ。気付いて目が合った瞬間、ドキッとした。

「はじめまして。亜有美ちゃん?」
「貴教くん?」

 そんな、なんとなく照れた挨拶から始まった。
 そのあと遊園地に行って、カラオケに行って、あっと言う間に1日も過ぎ、また会う事を約束して別れた。

 距離が縮まった亜有美と貴教。
 後日のメールは、お互いの感想がぎっしりで、メル友の域、友達の域を超えて、とても大切な存在になっていた。

 あれから数週間後、彼氏とデートした。
 けれど、遠くから車を走らせてきてくれた、あのメル友のことが、なぜか忘れられないでいた。それから毎日、彼氏からの電話を待つより、彼からのメールを待っていた。一目ぼれ…なのかもしれない。
 彼氏は相変わらず、身体ばかり求めてくる。それは電話していてもそうで、コンドームをつけようとしない彼に、どうしても身を委ねられずにいた。それだけではなく、心もはなれてきていることを、なんとなくだけど、亜有美は感じていた。

 浮気じゃなくて、日に日に本気になって行く亜有美。友達はみんな、遠距離恋愛になるわけだしと言って、反対していた。けれど、気持ちがどうしようもなく止まらなくなっているのも、事実だった。
 そんな時、2度目の貴教からの誘いがあった。今度はゆっくりしながら、もっとお互いの話をしたいと。貴教は自分の事を、どう思っているのだろうか?亜有美はそればかり思い、会う事にした。今度は、彼氏に内緒で。

 貴教は相変わらず、早く待ち合わせ場所にくる。もう、冬に差し掛かっていた季節が、2人の距離を、余計に縮めようとしていた。

「ひさしぶりだね。」
「うん。元気だった?…って、毎日メールしてるじゃんね。」

 なんだかはしゃいでしまう自分に、少し照れながらも、彼の車でドライブした。天気がよくて、海が見たいと言った亜有美のリクエストに、ちゃんと答えてくれたのだ。湘南を目指して、助手席では亜有美が地図を頼りに、道を教える。2人の共同作業のBGMに、亜有美の好きな曲がかかる。

「これ、あたし好きだよ。」
「うん。」

 当然のように返事をしてくる。よく考えると、以前にメールで好きな曲や、アーティストを書いたものばかりだった。不思議な気持ちになったまま、目的地へついた。
 海辺ということもあって、風も強めだった。貴教は上着を車に取りにいき、亜有美にかけてあげた。石段を登って海を眺め、亜有美のはしゃぐ様を、貴教は見詰めつづけてた。貴教の視線に、はっと気付いた亜有美。

「どうしたの?」
「本当に、海が好きなんだね。」
「うん。でも、星も雪も好きだよ。一度でいいからホワイトクリスマスって、経験したいな。」
「クリスマスかぁ。」
「貴教くんはどうするの、クリスマス?」
「男がそろって、寂しいクリスマスかな。」
「じゃあ、あたしに会いにくる?」
「いいかも。じゃあ、群馬に連れてってあげるよ。星もこっちより見えるし、雪も降るかも。」
「でも、彼女が出来たら、彼女と過ごすでしょ。」
 はしゃぎすぎて、転びそうになる亜有美の手を、さっと支えてくれた。
「あ、ありがとう…。」
 人の手に触れるなんて、もう、慣れっこだったはずなのに、ものすごくドキドキした。そのまま貴教は、亜有美の手をひいたまま、歩き出した。
「貴教くん?」
「いや?いやだったら離すけど。」

 いじわるを言ってるのかどうか。でも、亜有美は離してほしくなくて、うつむいたままの返事をした。それだけじゃない。心は純粋にときめいてるのに、身体は反応してしまっているのだ。ゆっくりと、少しずつ濡れてきている感触。自分が濡れる感触は、知らないわけではなかったけど、その状況に、濡れてきていた事にびっくりした。

 貴教と過ごす1日は、本当にあっという間である。夕飯をステキなレストランで食べ終えたら、もう、貴教とは別れる時間だ。とっても名残惜しいけど、それも仕方ない。けれど、その日貴教と過ごしたことで、亜有美の中に決心が出来た。

 彼氏と別れる亜有美にとって、たとえ振り向いてもらえなくても、貴教の方が大切な存在になったのだ。きっと貴教は、友達以上恋人未満と思っているだろうけど、それでも構わなかった。
 同じ道を通り、家の側まで車でつけた。

「今日は、ほんとにありがとう。楽しかったよ。」
「俺も楽しかったよ。」
「なんだか…バイバイしたくないな。」
 その一言が効いたのか…。助手席にそっと身を乗り出した貴教に、キスされた。
「なんで…。」
 すごく嬉しくて、でも、貴教の気持ちがわからなくて、涙目になっていた。
「あたしのこと、そおゆう好きもないくせに。」

 反論を聞かずに、もう一度キスをしてきた。亜有美は、自分が濡れて、感じてることに気がついた。とっても優しくて、甘いキス。貴教の背中と首に、腕を絡ませ、自分からもキスしていた。恐る恐る差し入れてくる舌を受け入れ、貴教の方が驚いていたくらい。長く甘いキスが、2人の心を確実に変えていった。

「んっ…。」

 漏れてきたその声に、自分を抑えながら、貴教は亜有美に告げた。
「クリスマス、予定空けといてよ。迎えにくるから。」
 その言葉を聞いて、亜有美は車を降りて、家へ向かった。

 あれから数日後、街はクリスマス一色に染められ、亜有美は心を弾ませて、クリスマスを待っていた。こんな風に待っているのは、何年ぶりだろう。去年は彼氏に人混みだからイヤだと、クリスマスデートを断られ、その前の年は…。貴教へのクリスマスプレゼントを用意して、準備は整っていた。そしてクリスマスの前に、彼氏と別れた。向こうにとっては、急に会う回数が減らされたと思ったら、別れを切り出されて、混乱しただろう。けれど亜有美は振り返らなかった。

 そしてクリスマスイブ。
 家族には信用されている、あの彼氏とクリスマスを過ごすと言って、家を出た。多少、いつもより大目の荷物を持って、いつもの待ち合わせ場所に行くと、いつもの優しい笑顔で、貴教は迎えてくれた。

「Merry Christmas。」
「お迎えにきてくれて、ありがとう。」
「さあ、乗って。」

 彼氏と別れた事は、メールで報告してあった。貴教はそのことに触れないようにしていたけれど、亜有美から、話をふっていた。貴教には隠し事をしたくなかったからだ。貴教は話を聞いて、つっかえていたものが取れていったようだった。

 4時間以上のドライブを終え、貴教の地元、群馬につくと、亜有美は感嘆の声をあげつづけていた。横浜では見れない、山並み。貴教がいつも吸っている空気。高台に行っても、海が見えない環境。見渡すとひろい青空。全てが亜有美に新鮮で、感動の連続だった。
 どこの名所に行くわけでもなく、貴教の普段の生活がみたくて、学校のキャンパスに連れて行ってもらったり、ふだん買い物に行く所などに連れてってもらい、それで十分満足していた。

 日が暮れてから、友達に聞いたという大きな橋に連れて行ってもらった。ベイブリッジにはかなわないだろうけど、亜有美から見たら、それはどこの橋より美しく見えた。それはそのあと、貴教に連れて行ってもらった高台から見る夜景の中に混ざって、とても美しかった。貴教と見下ろす群馬の街並みは、宝石をちりばめたように綺麗で、どこからが空の星で、どこからが夜景だかわからないくらいだった。

「横浜にはかなわないでしょ。」
「そんなことないよ。こっちの方が好き。」
 クリスマスの夜だけあって、寒くて震えだした亜有美。貴教は車に戻ろうと促すけど、どうしても、もう少しそこにいたかった。もっと心に、この景色を刻み付けたかった。すると貴教は、うしろからそっと抱きしめた。
「貴教くん…?」
「これなら、ちょっとは暖かいでしょ。」
 嬉しくて、涙があふれてきた。一緒に夜空を見上げている貴教の腕の中で、くるっと向きを変えた亜有美は、背伸びをして、貴教のくちびるに、自分のくちびるを重ねた。
「ありがとう。」
 想いを込めたキスは、伝わったのだろうか。

 しばらくしてから、その夜泊まるホテルに向かった。貴教が予約を取っておいてくれたのだ。高級ホテルのような感じとは行かないが、部屋の内装は、なかなかムーディーであった。そこにはダブルベットが1つ。
 当初貴教は、ツインの部屋にしようとしたらしい。けれど、亜有美が一緒に寝たいと言い出したので、ダブルの部屋にしたのだ。じっさい部屋にはいると、緊張は極限になった。冷えた身体を、お風呂で暖まるよう勧められたが、亜有美はうなずけずにいた。

 テレビをつけたりして、貴教は亜有美の緊張を解き、普通に会話をした。テレビは、いつもお互いが見ている歌番組の、スペシャルをやっていた。亜有美も貴教のその配慮で、すっかりもと通りになった。話しながらベットに座り、部屋においてあった観光雑誌をめくる貴教。ソファーでテレビを見てた亜有美は、貴教の隣へと動いた。隣から雑誌を覗き込む。いつかまた、くることがあったら、今度は名所を見てみたいと思いながら、他愛のない話をしていた。綺麗と言うよりは、まだ少女の愛らしさを残している亜有美の顔は、時にその風貌からは想像できない、色香を出すことがある。貴教は、くるくる変わる亜有美の顔に、少しずつ興奮してきていた。

 夜も更けていき、歌番組も終わって、テレビを消した。とたんに部屋には、空調の音しかしなくなる。静まり返った部屋の中、視近距離に見えるお互いの顔に、気がついた。亜有美は一気に顔を赤らめて、うつむいた。貴教は優しく髪をなで、キスをしてきた。亜有美の肩に入っていた力が抜け、そっとベットに横たわらされる。亜有美の身体は、もう、とろとろに溶け出していた。
「あたし、貴教くんが好き。」
「亜有美ちゃん、俺を信じてくれる?」
「うん…。」

 今まで、誰にも身を委ねられずにいた亜有美が、初めて身を委ねる。1年以上付き合っていた彼氏にも、誰にも渡さずにいた亜有美のバージン。不安と期待が、交互に押し寄せて、アタマの中は真っ白だった。ヤラハタ(ヤラないでハタチ)になることも、覚悟していた。亜有美は、それでも相手が信じられないなら、別に構わないと思っていた。今時の女の子からは、想像できないであろう。けれど、貴教だけは、なぜか信じることが出来ていた。

「ねえ、あたし…初めてなの。」と、震える声で、貴教に告げた。
「痛い…かな。」
「力を抜いて。」
「優しく…してね…。」

 目をつぶり、貴教を信じきった表情になる。怖くて震えだしそうだけど、貴教の温かい腕の中で、今、自分が想いを寄せている人を、信じようとしていた。

「あのね。俺も、初めてなんだ。だから…うまくないと思う。」
 貴教が、本当の事を告げた。だったら余計に、と、亜有美は安心した。長くキスを交わしながら、貴教の手は、1つずつ亜有美の上着のボタンをはずしていった。中からは、決して大きくはないけれど、形のいい胸が、かわいらしい水色の下着に収まっている。貴教の熱い吐息がかかるたび、亜有美は感じることが止まらなくなっていた。
 胸に顔をうずめる貴教の姿が、薄く開けた亜有美の目に写る。その姿が、また、なんともエロティックで、亜有美は強く感じて、そのたびに、熱いものが溢れ出てきていた。肩紐をはずし、お腹までブラジャーが下がると、ぷるんと胸が出てきた。背中に手を回し、ぎこちなくブラジャーをはずす。
 貴教は優しく、そっと胸元にキスをして、亜有美の胸を包み、少しずつ揉みはじめた。

「あんっ…」

 自分から発せられた、亜有美のいやらしい声に、自分自身も感じてしまった。おそろいの水色のパンティの中では、女の子自身から、溢れるように濡れて、湧き出ているのが分かる。自分だけでこうなってるのだから、貴教自身は、想像のつかないほどの興奮だろう。

 少しずつ手は下へ伸びていき、いきなりスカートの中に手を入れるようなことはせず、ゆっくり身体の線を辿りながら、スカートを下ろし、1枚ずつ脱がすと言うより、剥がされていくような感覚だった。濡れまくっている状態で、貴教は手を止めた。身体の位置を亜有美の顔が見えるところまで、戻してきた。

 今度は、熱く激しいキス。亜有美の中では、もう、なにがなんだか分からなくなっていた。とにかく、与えられる刺激に、きちんと返すのが必死だった。キスに気を取られているとき、貴教の手が、亜有美の割れ目を探ってきた。びくんっと身体が反応する。

「怖い…?」
「ちょっとだけ。」
「痛かったりする?」
「ううん。それは平気。」

 その言葉を聞いて安心したのか、さらに激しいキスへと展開して行き、貴教の指先は、パンティの上から、さっきよりも強く刺激を与えてきた。

 すっと手が離れて、亜有美の身体へ刺激がなくなる。その手は、最後の1枚を脱がすため、手をかけてきた。

「ま、待って。」
「やっぱり、怖い?」
「違うの。あたしばかり脱がさないで。」
「ああ、ごめん。」

 貴教は亜有美をまたいで、膝で立ち、すばやく脱ぎ始めた。亜有美のことを、ゆっくり焦らしながら脱がせていたのは、ウソのようだ。服の下からは、その細い身体からは想像の出来ない、割とたくましい、しまった身体が見えてきた。

 ドキッとした。けれどその光景から、どうしても目が離せない。その姿が、亜有美の気持ちを、さらに高めていく。貴教も最後の一枚となったとき、亜有美の目にはじめて見るものが、飛び込んできた。いきり立っている、男の子自身が、トランクスの上からもよく分かる。貴教はそんな亜有美を知ってかしらずか、再び覆い被さり、ぎゅっと抱きしめた。

 細身で小柄な亜有美は、すっぽりその腕に収まってしまう。すると急に、身体中に激しいキスの嵐が襲ってきた。優しい貴教の繰り出す、身体中に感じる激しいキス。亜有美は声を漏らしていた。一通りキスをすると、身体へ与える刺激をとめてしまった。

「布団かけないで、寒くない?」
 貴教の言葉で気がついたけれど、確かに12月だけあって、少し寒い。こくんとうなずくと、布団をかけて、元の姿勢に戻った。いきり立っている男の子自身が、亜有美の女の子自身に当たる感覚が分かった。その感覚に、一段と溢れるものがあった。

「俺、自信ないんだ。亜有美ちゃんの気持ちに答え続けられるか。」
「そんなの、誰だって一緒じゃない?あたしは貴教くんが好き。それだけが事実であって。」
「こんな俺でいいの?」
「貴教くんがいいの。貴教くんの亜有美になりたい。」
「…。今日から、俺の彼女だーっ。」

 その言葉を言いながら、再びぎゅっと抱きしめ、優しく長いディープキスをしていた。貴教はキスをほどくと、亜有美の最後の一枚を取り、生まれたままの姿にした。白くて、透き通るような亜有美の肌には不似合いなくらいの、黒い陰毛が姿をあらわした。そして、顔には似合わないくらいエッチなもので、濡らされていた。

「いつからこんなに濡れてたの?」
 熱い吐息交じりに、耳元で貴教がささやく。その声は亜有美を、ぞくっとさせた。貴教も、すばやく自分のトランクスをひきおろした。今度は身体中に、優しくキスをして、少しずつ亜有美の力を抜き、片方の胸を揉み、片方はむしゃぶりついて、時には先端へ刺激してきた。亜有美はそのたびに反応して、声を漏らし、女の子自身を濡らしていった。

 次第に下へとずれていき、太腿の間に顔をうずめてきた。

「やっ、見ないで…っ」
「なぜ?」
「だって、恥ずかしい。そんなトコ、綺麗じゃないよぉ。」
「そんなことないよ。綺麗だよ。」

 そして亜有美の女の子自身に、舌を這わせてきた。初めて経験する感覚に、亜有美はこみ上げてくるものを抑えられずにいた。次から次へと溢れてくるそれを、貴教は静まり返った部屋に響くような音を立てて、ちゅるちゅると吸い上げていた。

「さわっていい?」
 貴教は、必ず耳元でささやく。イヤだといっても、通じるわけではないだろう。
「さ、さわるって…?」
 不安げな表情を返す亜有美に、貴教は優しく微笑んでキスをした。キスをしているあいだに、手は女の子自身へと伸びていき、指先は花びらの間を抜けて、泉のあたりを弄んだ。先にある豆を刺激したり、優しく触れていき、泉を沸かせていった。唇はふさがれているのに、声が漏れてくる。その優しかった指先は、急に激しくなり、泉の中へズブズブと沈んでいった。

「ああっ!」
「痛い?」
 その問いに答えることは出来なかった。痛いわけではないのだけれど、自然に声が出てくるのだ。しばらく沈んでいったかと思うと、再び浮かんでの繰り返し。早くなったり、遅くなったり。そのたびに亜有美は声を漏らすのだった。

 急に貴教は、全ての事を止めた。すると、ひょいっと亜有美を持ち上げ、上下逆の体勢に持っていった。びっくりした亜有美は、顔を紅潮させた。
「なに?恥ずかしいよぉ。」
「今度は亜有美ちゃんが、したいなって思う事してごらんよ。」
 なんていじわるを言うんだろう。アタマの中は混乱しているのに、身体は行動に移っていた。唇をふさぎ、しまった身体をそっと撫で、首から胸へキスをして、貴教がしてくれたように、身体中にキスをする。たまに舌先で、チョロチョロとなめてみたり悪戯心に任せていた。けれど、亜有美のように声はでない。なんだか悔しくなって、無意識のうちに、一生懸命、性感帯を探し出していた。

「ね、どうやったらもっと気持ちよくなるか教えて?」
「じゃあ、アソコにキスして。」
 身体をずらし、目の前にすると、身体中にキスしていたときより、また大きくいきり立っている。こんなものが、自分の中に入るのかと思うと、亜有美は痛さが怖くなってきた。

 けれどとりあえず、リクエストに答えようと、そばまでくちびるを持っていき、先のほうにチュッとキスすると、ぐっと押し付けられ口の中へ入ってきた。亜有美は訳がわからないまま、しばらくそうしていると、口の中にジワジワと塩分の味が広がってきて、出たり入ったり、ゆっくりとクチュクチュ音が出だした。貴教が動き出したのだ。少し舌を動かして見ると、貴教から声が漏れてきた。

「あぁっ、亜有美ちゃん。うまいよ…。」
 誉められた事が嬉しくて、口をすぼめて舌を動かした。どうしたらいいか分からず、無我夢中でしゃぶりついてると、貴教がもう1つ言葉をかけた。
「上下に動いてくれる?」
 快感に耐えながら、発せられた言葉。意味が分からないので、顔をいろんな風に動かしながら、貴教の動きと反対に動いてみた。反応が返ってきたら、それが答えだ。気付かぬ間に、69の姿勢に持ってかれていることもあった。答えを見つけるまで、さほど時間はかからなかった。

 しかし次の瞬間、急に運動が早くなり、亜有美ののどの奥まで入れてきた。さすがに苦しくなって、吐き出してしまう。いつもの貴教なら、そこで優しい言葉をくれるのだが、くるっと横を向いてしまった。数秒後、貴教は向き直った。
「ごめん、亜有美ちゃん。苦しくさせちゃったね。」
 息を切らせてる亜有美を、自分の隣へ連れてきて、髪をそっとなでた。
「びっくりさせちゃったね。気持ちよくなっちゃって…。」
 次の瞬間、貴教は目をそらした。亜有美はだいぶ呼吸も整い、貴教の様子を伺った。
「あたしは大丈夫だよ。…どうしたの?」
「気持ちよくなって、出しちゃった。」
 その姿がかわいいと思った。けれど、亜有美の中で目覚めたものは、まだ十分になっていなかった。亜有美は貴教にキスをすると、ごそごそと布団の中へもぐっていった。

「亜有美ちゃん?…あっ。だめだって…。」
 亜有美は同じように、もう一度、貴教の男の子自身をしゃぶり始めたのだ。さっきよりほんの少し細くなってるというものの、硬度は変わっていない。少し、チュクチュクと音を立て出すだけで、見る見る復活してきた。
「もう、ダメだ。我慢できない!」
 ぐっと強い力で亜有美を元の位置に戻し、すごい勢いで亜有美を下にし、舌を絡めるキスをしてきた。亜有美を驚かせていてばかりだ。

「いいよね?」
 ささやいた貴教は、自分の復活したモノをつかみ、位置を確認すると、ソレを亜有美の中にズブっと入れてきた。
「ああんっ!」
 悲鳴に近い亜有美の声が響いた。それでも尚、奥へと突き進む。
「ダメぇ、痛い!!ゆ、ゆっくりにして…。」
 涙声の亜有美に、はっと気付き、貴教はペースを落とした。
「ごめん。抜こうか…?」
 首を、ぶんぶんと横に振る亜有美。
「やだ。受け止めたいの。」
 強く見詰め返し、貴教はゆっくりと沈めていった。やがて深く突き刺さると、亜有美の顔から、痛みと戦う苦痛さが消えていた。
「動いていい?」
「最初は、ゆっくりね。」

 ゆっくりと、運動がはじまった。次第に慣れてくると、亜有美の腰も自然に動いてくる。亜有美の喘ぎ声から、痛みは消え、快感へと導かれていた。貴教はだんだん激しく腰を動かしたり、胸を揉んだりして、楽しむ余裕も出てきた。亜有美が背中に回していた腕を、ぎゅっと強くした。なにごとかと思ったとき、急に締りがよくなってきたのだ。
「だめだよ、そんな風にしたら出しちゃうよ。」
 亜有美の表情は、なにがなんだか分からないでいる。まだ、コントロールできていない様子だ。

 貴教はその位置からひっくり返し、亜有美を上へ持ってきた。その角度がなんともエロティックさを増し、ますます興奮してきてしまった。亜有美は顔を赤らめたものの、貴教の胸に手をつき、自ら腰を振りはじめたのだ。亜有美は、ただ快感に身を任せていた。亜有美の運動と、声と、ぷるんぷるん揺れるその胸をわしづかみにし、絶頂まで後少しになっていた。我慢できなくなった貴教は、再び亜有美をベットに寝かせた。

「もう、イッていい?」
 うなずく亜有美を確認して、一気に運動を早めた。それと同時に亜有美の快感も、絶頂に登りつめる。もう、自分が自分でなくなっている。 
「外に出すからね。」
「だめ。」
「だ、ダメって…。あっ、ダメだ。もうイッちゃうよ。」
「うん。」
「亜有美…!」
「いいよぉ。貴教…!」

 亜有美の中で果ててしまった。亜有美も同時にイッてしまい、初めての感覚を味わっていた。亜有美の女の子自身からは、2人の印が流れ落ちていた。

 夜も更けていき、もっと激しく2回登りつめたあと、眠りについた。 

 群馬から帰らねばならない朝がきた。目覚めたのは亜有美のほうが早かった。トイレに立ち、自分は何も着てないことに気付き、夕べの事はウソじゃないと確認して、顔を赤らめた。トイレから戻り、スヤスヤと眠るあどけない貴教の顔を見詰めた。

 バックに手を伸ばし、夕べ渡しそびれていたクリスマスプレゼントを出してみる。かわいく自分でラッピングしたもので、目覚めたら渡そうと決めた。再び隣に横たわると、貴教の頬にキスをした。するとガバッと抱きしめられる。

「起きてたの?」
「ちょっと前にね。」
「あたし、冷え性だから、体冷えちゃうよ。」
「俺が温めてあげる。」

 チュッと首筋に攻め込んできた。夕べ、亜有美が弱いのがそこだと察知したようだ。
「ああんっ、だめぇ。」
 甘い声が、貴教の耳をつく。
「ねえ、待って。渡したいの。」
 先ほど手にしていたものを、貴教の前に差し出す。
「クリスマスプレゼント。こうなるとは思わなかったから、なんか普通だよ。」
「うわ、嬉しい!開けていい?」
「うん。」

 クリスマスの朝、彼にあげたのは手作りの携帯ストラップ。ずっと味気ないのをしていたから、これが一番、いつも持っててもらえると思って用意したのだ。友達としても、重い意味を含まないだろうと思って。

「ありがとう。俺、初期のストラップのままだったんだ。」
 こんなに喜ぶとは思わなかったけれど、喜んでくれた彼の笑顔はステキだった。
「俺もあるんだよ。」
 そう言ってサイドテーブルに手を伸ばした貴教は、いつの包みを出した。
「なにがいいのか分からなくて。」

 さっそく開けてみると、天使の羽の間に水色の宝石のあるシンプルなブレスレットだった。本当は、亜有美の寝てる間に、側に置こうと用意していたらしいけど、亜有美のほうが早く起きてしまったのだ。その宝石は、亜有美の誕生石だった。
「すごい、嬉しい!…つけてみていい?」
「うん。」
「似合う?」
「かわいい。かわいいから、また悪戯したくなっちゃうなぁ。」
 そう言って、胸へ顔をうずめてきた。
「っもう。」

 もう一度、甘い時間が流れた。夕べのように激しくなくても、深いものだった。その後お風呂でも、1回やった。なんだか偶然に、偶然の重なった出会いから、気持ちよさの追求をしていくなんて。

 それから、月に1回は会うようになり、遠距離恋愛が始まった。

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