小悪魔が生まれた夜

女性もえっちな妄想をしてもいいんです。
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小悪魔が生まれた夜
2021年07月07日 17時07分

あの夏が過ぎ去って、もう半年が経とうとしてる。
彼と過ごしたクリスマス、バレンタイン、誕生日‥‥
その間に私は、どれくらいの生きている力を使ったのだろう。
そして今、どこにいるんだろう。

 どおしたのかなぁ。やっぱ夜勤はつらいのかな。
 最近メールも電話も、つらいみたい。
 でも、あたしだってつらいよ。
 気持ちがどんどん募って、電話してみた。
 おかしい。
 こんなにコールして、留守電も入れてるのに、調子悪いのかな。
 午後4時30分。
 もうすぐ彼は夜勤に出る時間。
 今日もまた捕まらなかった。
 ひとつため息をつくと、聞きなれた着メロが流れ出す。
「もしもし!?」
 電話の向こうから聞こえたのは、1週間近く前に最後に聞いた声、一番聞きたかった貴教の声だった。
「ごめん、連絡できなくて」
「ううん。調子悪いのかだけ、心配だったよ。」
 でも彼は元気がない。なれない仕事のせいか、何のせいかやっぱり分からない。聞きたくても、この状態で問うには引け目を感じる。そっと話を聞くしかできないのか。そんな悲しい気持ちがあたしを覆いだした。
「あの‥‥さぁ。」
「うん。」
「俺たち‥‥別れよう。」
「‥‥え?」
「なんか‥‥ダメだぁ、俺‥‥」
「なんで?‥‥あの人のことが好きなの?同じ研修してる18歳の子。」
「うん‥‥」
「だ‥‥って、この間心は通じ合ってるって言ったの貴教くんじゃない!」
「ごめん」

 うそだ。
 きっとこんなのは夢だ。

 頭ではそう思ってるのに、いすに座った姿勢のまま、足元にブラックホールができて抜け落ちるような感覚が襲った。目の前は真っ黒でも、真っ白でもない世界。そして自然に涙が零れ落ちてた。
 前の電話のとき、愛してると交わした言葉。
 早く会いたいねって、うなずきあった。
 どんなに離れてても心はつながってるって、言ってくれてた。
 それはすべて‥‥うそ‥‥

 気づいたら電話は切れていた。貴教は出勤だからと言って切った気がする。
 そしてふつふつと思い浮かぶ、愛する貴教の声と顔。あんなに微笑みあって、愛し合った日々。毎日会えるカップルとは違うけど、そんなカップルよりずっと強い心で結ばれてて、見詰め合ったときは濃厚な時間をすごしてた。いつか貴教の元へ行って過ごす、それが夢であり、目標だった。
 その時間は、シャボン玉のように消えた。

 理由を聞きたい。
 あたしの悪いとこは、全部直すから!

 気づいた時間は深夜2時半。
 ずっと考えてた気持ちは、感情に支配されたあの瞬間より、幾分落ち着いたように見えた。そして昔の人間不信だった少女時代と同じような目の色に変わっていた。そんな亜有美が起こした行動はもう一度貴教の声を聞くこと。そして決意を伝えることだった。
 電話を持つ手に、迷いはない。
「もしもし」
 すごく無愛想に出る彼の声以上に、亜有美の声は冷え切ってた。
「ありがとう。‥‥バイバイ」
 そしてボタンを押し、彼との連絡を切った。彼の声に負けそうになって、決意は伝えられなかった。亜有美は自分の机に向かってカッターを取り出す。なんでこんな自分になってしまったのか分からないけど、精神状態は少女時代と同じ、いつ手首を切るのも惜しくなかった。あてがった瞬間に電話がなる。
 なぜか電話に出てしまった自分に戸惑い、困惑しながら、感情がすべて表に出た。あふれて止まらなくなって困らせることしかいわない。
「もう、死ぬんだから邪魔しないで!!」
「なに言ってるんだよ!」
「知らないもん、いいもん、いらない子なんだからっ!」
 感情とともに涙は溢れ出し、泣きおえるまで貴教はすべての言葉を聞いていた。
「少し寝るんだ。疲れてるでしょ」
「死んじゃう子に疲れなんか関係ないもん」
「ごめん。お願いだから‥‥」
 もうその言葉しか、かけないでいた。
 疲れきって眠ってしまった亜有美のケータイに、留守電が入っていた。
「本当にごめん。でもさ、夏の約束してた旅行には連れてってあげるから。」

『今日はどこに行こうか?』
 そんなセリフはいらない。
 最初で最後の2人だけの旅行。
 思い出を作るための旅行。
 この3日間が終わってしまったら、もう会うことはない。
 友達に戻るなんてできない。
 ほかの女の子と歩いてる姿、想像もしたくない。
 1秒1秒を噛み締めて、海へ向かった。
 とてもきれいな青空が広がって、とても暑い日だった。

 夜はまだまだ慣れないお酒を無理して飲んで、ほろ酔い気分。
「ん~、ねむい‥‥」
「まだ寝ちゃだめだよ。」
 支えきれない体を、ソファーに沈めていく。
 抱き寄せ、肩に腕を回して、寄りかからせてくれる。
「うっ、気持ち悪い‥‥」
「吐く?」
「ううん、息苦しい。暑いの‥‥」
 心配そうに覗きこむ顔の向こうには、飲ませすぎたと失敗したバツの悪い顔と、優しさが出入りしていた。水を飲ませようにも、ぐったり。しかしピンク色の頬は、誘ったような色香も交えてる。
「水、飲む?」
 うん。うなずきたいけど気だるい。
「暑いなら、脱ぐ?」
 そう言ってすばやく脱がせて行く。

 なんで?
 恥ずかしい。ドキドキする。
 こくっと、水を口に含んだ顔が近づいて、ゆっくりと口の中に流し込んでいった。あったかさのある、罪滅ぼしの水。水の流れとともに、体の中もとろとろと流れて、暑いものがこみ上げてくる。
 あふれる水が胸元に滴っていく。こぼれた水のあとに沿って、舌を這わせていく貴教。当然のように亜有美の体は火照っていく。そしてアルコールも手伝って、感度のいい体は、よりいっそうの反応を返してく。
「んんっ‥‥」
「ベットに行こうね。」
 意識は倒れこんで行く時に見えた景色とともに、飛んでいった。
「亜有美‥‥」
 優しく髪をなでて、体の火照りをなぞるように、優しくなでて、舌を這わす。どんどん息が上がっていき、2人の呼吸は一体となる。腕を回し、手を絡ませ、無意識の中で必死に答えていくのだけれど、次々と繰り出される波に、太刀打ちできずにいた。
小さな胸を揉みしだいて、手のひらで乳首を転がし、吸い上げる。舌でころがして、少しかんで。そのたびに声をあげて、猫の鳴くような喘ぎ声をあげる。

「俺にもして」
 言われるが早いか、体位をあっという間に逆転させ、激しくキスをする。耳を甘噛みしながらなめて、首筋へと降りて行く。そっと優しくなでる手のひらは、胸のあたりを往復させ、横腹へと移って行く。乳首のあたりを重点的になめてみると、たまらず声が漏れてくる。その声が嬉しくて、キスマークをつける。
「さあ、次はココを‥‥」
 黒く光るイキリ立ったものを差し出す。
 先っぽにちゅっと挨拶をすると、それだけで先走りがテカテカと返事をしだす。ツーッと裏筋をナメあげる。
「くふぅ‥‥」
 根元から先へと、まるでハーモニカをくわえるように、唇でしめながら、舌をちょっとだけ使って、スパイスをきかせる。小さく身悶えるとともに、漏れる声がより一層熱くさせる。
「ねぇ、立ち上がって」
 そう言って立ち上がらせると、
ぱくんっ。
「ぁぁっ」
 くわえ込んで先っぽを、チロチロと舌を使って舐め回す。口の中には3分の1くらいしか入らず、入りきらない部分を優しく包む。キューっと吸い込んでは、頭を上下に振り、丁寧に吸い上げていく。割れた部分、へこんだ部分に下をなぞらせて、塩気のする味が口に広がる。
「上手になったね‥‥」
「おいしいよ。」
 押さえつけられていた頭をなでられて、嬉しい気持ちでいっぱいになる。

「次は俺の番だよ」
 亜有美を押したおして正常位にしたと思ったら、思いっきり足を広げられてアソコは丸見え。ピンク色と黒くなった茂みが呼んでいる。
「あんっ」
 がばっと埋もれていく貴教の顔は、小さなつぼみをめがけていた。びくんっと身体が跳ね上がると、波は一気に押し寄せてきた。
「だ、だめぇっ」
 それでもべろべろと嘗め回して、部屋中にはぴちゃぴちゃと音が響きだす。割れ目を上下させ、指でつぼみを弄ぶ。零れるジュースは落ちないように飲み込んでいく。

ぴちゃぴちゃ、ぴちゃぴちゃ‥‥
じゅるじゅるじゅる‥‥

「こんなに濡らしてえっちな音がしてるよ。これは亜有美ちゃんの音だからね。」
 そう言うと次は指を進入させてきた。
「うぅんっ」
 くちゅくちゅとリズミカルな音が聞こえてくる。1本、2本と増やす。しかしちゃんと心配りがあるのも貴教だ。
「痛くない?」
 亜有美の顔色をちくいち確認して、締め付けや中のゴワゴワ感が最高潮になるのを待つ。
「さあ、入れるよ」
 しかしいつもと違う。
 くるんとうつ伏せにされたかと思うと、おしりを大きく持ち上げられて一気に挿入してきたのだ。それも生で。
 今までにないリアルなあたたかさと、体勢と、突き刺す感じが、お互いの快感を盛り上げていく。
「どんなかんじ?」
 パンパンと肌が打ちつけられる音がなる。それに交わる喘ぎ声。
「タマがクリちゃんに当たってるでしょ?」
「う、うん‥‥っ」

にゅちゅっ、にゅちゅっ‥‥
パンパンパンパンパン‥‥

「あんっ、ああんっ。んっ、んっ、んんっ。」
「あぁ~。」
「だめ、だめ、だめぇーーーっ!」
「イキそうだぁ」
「んんんーーーっ」
「イキそう?」
 ぶんぶんと上下に頭を振ることしかできない。
「イクよーっ」
「あっ、ああぁぁーーーっ!!」
 最初で最後に注ぎ込まれる、白く濁った液体と、混ざり合う愛液。その果てに白とピンクに包まれた世界へ、誘われていく。

 最初で最後の思い出の3日間。
 朝から晩まで注ぎ込まれ、最後の気持ちを振り絞って、ただ寄り添っていた。

 小さなアパートの静かな夜に響く、ベットの音と男と女の声。
「あっ、あっ、あん‥‥」
 小ぶりの胸が、ブルンブルンと揺れる。それをわしづかみにし、ものすごい勢いで揉みしだく。欲情のままにすべての機能を使い続ける。思いつくだけの淫らな言葉を浴びせ続け、締まり続けるものを、貪欲な獣の武器で押し上げ、突きあげ、こじ開けていく。
「キレイだよ。でも彼に、突かれまくって、ぐちゃぐちゃにしたんだよね? 悪い子だ‥‥。」
 いつもクールな表情が、嫉妬心を出している。
「いっぱいイカせてあげるからね。」
「んんっ‥‥」
「隣のオヤジにも、聞かせてあげようね。我慢できなくなっちゃうだろうな。」
「やぁ、やぁああーーーっ!」
 訳の分からない叫び声にも、喘ぎ声にもならない声をあげて、快感の波に飲まれて、ヒューズを飛ばし、現実へのスイッチを入れる。
 涙が流れた。
 次には深い闇が待っていた。

「ん~、亜有美起きるの早いよ。」
「だっていつももう、起きてる時間だもん」
「やだもん。俺は寝てる時間なの。」
 時計を見ると8時半。
「慧ちゃんは、いつも遅いの」
「夕べ、あんなにイカせてあげたのに、まだ足りないかぁ」
 そう言ってキスの嵐を浴びせてくる。
「朝から元気なんだからぁ」
 しょうがないなぁ。
「今度は、バイブとか買ってあげようね。」
 そう言いながらも、別世界に連れてってもらえると思うと、思い出してたことを吹き飛ばしたくて、身をゆだねるだけだった。

 彼、慧ちゃんとは、2ヶ月前に知り合った。
 同じ年の大学生で寂しがってたあたしに、いつもくだらない話をして、笑わせてくれたり、ニュースを見て討論したり、貴教とは別のタイプで、とっても変わった人だった。
 そんななにも意識してなかった慧ちゃんのうちに、遊びに行った。
 クリスマスも過ぎたころ。
 去年はどう過ごしてたか、なんて話をしてて、思い出して泣き出してしまった。肩にそっと腕を回し、キスをして、思いっきり胸で泣かせてくれた。そのまま快感の波を繰り出す彼に、夢中になって振り落とされないようにしがみついていた。

 初めて別の人のモノを見た。
 初めて別の人にみられた。
 初めて別の人に抱かれた。
 その気持ちが、よりいっそう体を熱くさせたのかもしれない。

「いつもかわいい慧ちゃんなのに、えっちの時はかわいくない。」
 キスをしながら見詰め合う。
「なんだとぉ。」
 舌を絡ませる。
「お腹すいた」
「これからなのにぃ?」
「だってお腹が減っては戦はできないよ。」
「‥‥って言うか、俺が立たないから中止。
 ご飯作ってあげるから、もう少しおとなしくしてなさい。」
「はーい。」
 同じ年なのに、いつもお兄ちゃんぶる。
 母性本能ではなく、父性本能というか兄性本能が、うずくそうだけど。よく分かんない人。
 外見はDOGGYBAGの雄ちゃんって感じ。特徴のある感じで、万人がカッコイイとは言わないだろうけど、なかなか男前ではあるでしょ。

「できたよー。」
 キッチンから戻ってくる慧ちゃんは、ちゃんとエプロンをしている。
 やっぱりかわいい。
「約束守ったカッコでこないと、食べちゃだめだよ。」
 慧ちゃんに、夕べ出された指令。
 帰るまで、慧ちゃんのパジャマの上を着て、パンティーだけで過ごすこと。チラチラ見えるおしりが、パンティーで隠れてるのが、嬉しいんだって。
「はぁーい。」

 この夜、小悪魔な私が生まれた。
 もうすぐ、21世紀になる‥‥

 あれから数ヶ月がたった。
 たまに会う慧ちゃんとは、会うたびに体を重ねてしまう。罪悪感と重なりながら。しかし、心ここにあらず。やっぱり貴教のことが忘れられなくて、慧ちゃんに打ち明けてみた。
「無理だと思うよ、忘れるの。俺は2番が好きだから、その彼のこと好きでいなよ。」
 優しいのか、冷たいのか分からない。
 だけど、そのことについては1つも怒りもしなかった。
 そんな時、久々に見慣れたメールフォルダが光った。
「貴教くん‥‥」

”亜有美ちゃん、げんき?
 あの時は本当にごめん。
 もうすぐ、誕生日だね。”

 たった3行の短いメール。
 だけど、彼からの言葉は、それだけで充分だった。
 非情な人なのかも知れない。
 優しい人なのかも知れない。
 しかし自分にとってはすごく嬉しくて、胸がいっぱいで、メールをすぐに返していた。

”元気だよ。そっちは?
 あれから彼女には告白して、うまくいったの?”

 好きだけど会えない。
 でも、知りたい‥‥。
 次の日には、またメールが返ってきていた。

”彼女はね、結婚したんだよ。
 俺、連絡ないなぁと思ってたら、この間知って驚いた。
 というわけで、告白してないよ。”

 他愛ないメールのやり取りが続いた。
 そして誕生日の日、もう一度再会する約束をした。

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