美人社員彩子の陵辱手記3

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美人社員彩子の陵辱手記3
2021年07月05日 20時16分
信州書店
DUGA

中野が常連客に襲われた週の土曜日。夜の繁華街を僕と中野は歩いていた。デートではない。例の常連客に呼び出されたのだ。気が進むわけがない。電話が掛かってきた時、中野は涙ながらに誘いを断り続け、警察へ連絡するとまで言ったのだが、『これが最後だ』という男の言葉に折れた。僕は何も力になれそうになかったが、せめて現場の近くまで彼女を送ることにした。最悪の場合は警察を呼ぶことを考えていた。
「飯田さん、ありがとうございます。ここから先は一人で行きます」
僕達は付き合っているが、職場の付き合いの方が長いので、彼女は未だに僕のことを『飯田さん』と呼ぶ。僕を厄介事に巻き込みたくないのだろう。
「酷いことされそうになったら、逃げるんだよ」
「はい」
中野は肩を落として、指定されたビルへ向かった。これだけの美人ならば、もっと幸せな人生を送ることができるだろうに、どうしてデリヘル嬢なんかになってしまったのか。金は人を狂わせる。この世は決して金がすべてではないだろうに。

彩子は寂れたビルの入り口にいた。誰も見向きもしないようなビルだ。世の中から忘れ去られてしまった建物。彩子は意を決して中へ進む。
(飯田さん・・・)
自分が好きになった男の顔を思い浮かべる。気が遠くなりそうなくらいの恐怖を感じ始める。まさか殺されることはないだろうが、きっと酷いことをされるのだろう。でも、それを乗り越えれば何事もなく全てが終わる。それが一番いいのだ。下手なことをして、警察の厄介になるようなことは絶対に避けたい。

6階建ての雑居ビルの狭いエレベータに乗り、指定された5Fで降りる。細い通路があり、薄茶色のドアがある。不安と怯えで足が竦む。男の顔を思い浮かべる。金の亡者のような人がこんなところへ呼び出すだろうか。前回の超高級ホテルとは比較にならない。それとも、わざとこういう場所を選んで、自分を怯えさせようとしているのだろうか。ならば、その作戦は大成功だ。彩子はおそるおそるドアをノックする。すぐにドアが開く。待ち構えていたとばかりに例の男が姿を現し、手を伸ばす。彩子は抵抗せず、男が自分の胸を揉むのをじっと耐える。
「ほら、こっちへ来なさい」
男は彩子の胸を鷲掴みにしながら、強引に部屋の中へ引っ張り込んだ。

内装は驚くほど綺麗だった。視界の隅に、天井から垂らされたロープやら、拘束用の十字架やらが見える。色とりどりのバイブが整然と並べてあり、大型のディスプレイにはアダルトビデオが流れていた。大きめの姿見もある。
「よく来たね」
「今日で最後ですよね?」
「そのつもりだ。もちろん、金も払う」
彼はそう言って、彩子の唇を奪った。彩子はされるがままだった。今回で終わりと自分を納得させている。
「おい、少しは抵抗してくれないかな。それとも私に本気で惚れてしまったのかな?」
口を歪めて笑う男に彩子は心底嫌悪した。
(こんな男、死んでしまえばいいのに)
「あっ・・」
いきなりスカートを捲られてパンティをグイッと引っ張り上げられたので彩子は思わず声を出してしまった。グリグリ擦り上げられる。
「あぁ・・」
「そうそう。その声だ!」
自分の喘ぎ声が彼の興奮を誘うことは本望ではなかったが、股間への刺激はどうしようもなかった。
「おお、もうこんなに濡れている」
男は満足そうに彩子のクリトリスを擦りつける。特異なシチュエーションのせいか、彩子はすでに昇天寸前だった。
「今日はね、いろいろと用意している」
男はそう言って、彩子の体を部屋の隅へ向けた。先ほど視界の隅で確認したおぞましい物体が目の前に顕れた。
「そして、・・・そう、人も呼んでいる」
(え???)
驚いた様子の彩子を尻目にゾロゾロと筋肉質な男達が部屋の中へ入ってきた。全員全裸だった。総勢10人。
「は、話が違います」
喉がカラカラだった。こんな男達に犯されたら、間違いなく壊れてしまう。彩子は恐怖のあまり失神しそうだった。歯がガチガチと音を鳴らし、膝がカクカク笑って立っていられない。
「そんなに嬉しそうな顔をするなよ。淫乱女」
彩子は抵抗虚しく十字架に手足を縛り付けられた。男は満足そうに微笑んだ。
「さあ、楽しい夜の始まりだ」

「ひぃぃ!!!!」
何度昇天したのか数え切れない。目隠しをされて一切抵抗できない状態で、ローションを全身に塗られ、バイブを持った11人の男達に同時攻撃を受けているのだ。全身性感帯の彩子には耐えられなかった。
「あぅ!あぅ!!!だめぇぇ!!!!!!」
誰かのバイブが激しく中を掻き回している。クリトリスを執拗に刺激する者もいる。乳首を舐め続ける者もいれば、アナルを広げようと躍起になる者もいる。これらが同時進行なのだ。抵抗する術のない彩子は体をくねるしかない。
「いやぁ・・・いやぁ・・・」
たまらず放尿する。その瞬間だけ、皆の攻撃が止み、静かになる。目隠しを外され、大勢の男達に放尿シーンを見つめられる。男がカメラを向けている。女として、人間としての羞恥に頭に血が上る。恥ずかしさと悔しさ。彩子の放尿が終わると、再び目隠しをされ、強烈な責めが始まる。

朦朧とする意識の中で時計を見た。夜の11時。飯田と別れたのが、だいたい10時頃。まだ、1時間しか経過していない。
(まだ・・・たったの1時間・・・)
絶望。そして、容赦のない刺激。彩子は気を失いそうになっては水を掛けられ、ローションを塗られ、バイブで中を掻き回されてのたうち回った。

僕はその場でじっと待ち続けた。1時間が経過し、2時間が経過する。中野が帰ってくる様子はない。途中で別れたのでどこに中野がいるのかも分からない。ひたすら待つしかない。
「あの、すみません」
「え?」
背後からポンポンと肩を叩かれた瞬間に、横腹に激痛が走った。

「あひぃ・・・あひっ・・・」
十字架から外された彩子は床に押し倒され、陵辱された。男達は全員すさまじく精力的だった。モノも日本人離れしたサイズで、突き刺される度に彩子は激痛に顔を歪めた。激痛が次第に快感になり、飛び散る愛液と彼らが発射する精液の区別がつかないくらいになってきた頃、男達の責めが急に止んだ。
「さあ、今晩の余興だよ」
彩子はボンヤリする頭を無理やり回転させる。体中がしびれている。誰かが乳首に吸い付いているが無視をする。ドアが開き、若い男が連れられてくる。グッタリとして、自分だけでは歩けないくらい弱っている。それが自分の愛する男だと認識するのに数秒要した。
「飯田さん!」
彩子は声を張り上げた。体を起こそうとして、数人の男に取り押さえられた。極太バイブがアソコに奥深く挿入され、彩子は呻いた。大切な人を巻き込んだ悔しさで彩子は泣き崩れた。それでも股間の刺激は止むことはなかった。

僕は目の前の光景を『すぐ』には認識できなかった。あまりに現実離れしていたからだ。外観からは想像できない豪華な内装、ムッとする臭気、裸体の男達、陵辱される中野。
「いやぁぁ!!!」
中野の悲鳴。両手両足を力づくで押さえつけられて、体中を弄ばれている。当たり前のようにバイブがアソコに突っ込まれて、ブルンブルンと震える胸を揉まれて、口に舌をねじ込まれて、中野は悶えている。
「あっ!くぅ!!!」
執拗な責め。中野が僕の名前を呼んだ瞬間から、どれくらい経つだろう。この間に彼女は2度ほど痙攣に似た昇天を迎えた。何度も声を上げようとしたが、夢の中にいるようで全く声が出なかった。

裸体の男達の精力は凄まじかった。果てても、すぐに力を取り戻す。サイズも日本人離れしている。ギンギンに屹立した10本のモノが中野の口へ繰り返しねじ込まれる。もちろんフェラの間も、下半身への攻撃は続き、中野の愛液が何度も飛び散る。男達の一人がアナルを開発しようと躍起になっているのが分かり、無理やり指を突っ込む度に中野の悲鳴が部屋中に響き渡る。まさに集団レイプだった。

「よし、少し休憩だ」
ひときわ目立つ男の合図で裸体の男達は部屋から出て行った。その際に中野は十字架に貼り付けの格好で縛り付けられた。バイブはアソコに挿した状態で固定されている。色白の肌は精液でまみれ、拘束された中野は虫の息だ。部屋には中野、僕、男の3人となった。
「君は彩子のカレシだね?」
落ち着き払った声が部屋中に深く響く。権力を持った人間の声だ。男が中野のことを馴れ馴れしく『名前』で呼んだことに若干の苛立ちを感じたが、僕は素直に肯いた。
「君には手荒なことをするつもりはない」
「何をするつもりですか?」
「別に・・・」
男は十字架に縛り付けられた中野を見やる。バイブがウネウネと動いている。
「金は払う。ルールも守る。君を呼んだのはただの余興だ」
「こんなことして良いとでも?」
「彼女はそのつもりで来ている」
男の言葉にハッとさせられる。中野の覚悟。きっと今の僕には理解できないだろう。
「さて、少々汚れすぎだ。彼女の体を洗ってくるから、そこで待っていてくれ」
そう言って、男は中野の拘束を解き、バイブを外した。そのまま、中野を抱き上げて浴室へ入っていってしまった。中野は一切の抵抗をしなかった。僕はただ見ているだけだった。

シャワーの音がする。1度だけ、中野の悲鳴が聞こえた。長い待ち時間に思えたが、実際には10分程度だった。白い清潔そうなバスタオルに身をくるんだ中野が浴室から姿を現した。頬に赤みが差し、先ほどよりは若干生気が戻っている。僕と目が合うと、彼女は泣きそうな顔をした。
「飯田さん・・・」
「大丈夫か?」
中野はフルフルと首を振るだけだった。
「大丈夫。僕がついてるからね」
「はい」
「おいおい、いきなり話し始めるなよ」
男の声が僕達の会話を遮った。
「君を金で買っているんだ。つまり、今の君は僕のものなんだよ。勝手に部外者と話すな」
そう言うと、男は思いっきり中野の頬を張った。パンと乾いた音を立てて、中野が床に崩れ落ちる。一瞬にして頭に血が上ったが、グッと堪える。これは彼の挑発だ。
「な?今は私の言うことを聞いてくれ」
「・・・はい」
中野は頬をさすりながら、小さく肯いた。

男は悠然と煙草に火をつけた。よく見ると、思ったよりも若かった。せいぜい30代の前半だ。若くて、女ウケしそうなルックスだった。マスコミ業界の人間というよりは、どこかの金持ちのボンボンだ。
「ほらっ」
男は何かを中野へ向かって投げた。札束だった。札束は中野の頬に当たり、床に落ちた
「最後に渡そうと思ったけど、先に渡しておくよ。今の君は私のものだということを理解してもらいたいからね」
男は僕を見やる。
「あと、1時間は僕のものだ。それがルールだ」

僕は時計を見た。深夜2時。
「さて、カレシの前でキスでもお願いしようかな」
男は中野を抱き寄せ、無理やりキスをした。舌をねじ込み、これ見よがしに僕の方を見る。中野は必死で逃れようとするが、男の力に敵わなかった。
「んぅ・・くぅぅ」
男の手が中野のバスタオルを払いのける。眩しいほどの裸体が目に飛び込んできた。完璧な脚線美、豊満な胸、くびれた腰。男は中野の乳首をつまみ、クリクリと刺激を始める。
「あっ・・んぅ・・・」
僕の存在が中野の羞恥心に火をつけてしまう。
「カレシが見ているのに、そんなに可愛らしい声出しちゃって」
男が不敵な笑みを浮かべる。
「じゃあ、こっちはどうかな?」
「あっ!あん!」
中野の腰が砕け、ビクビクと震え始める。
「ほらほら。カレシの前で濡れちゃったりしたら大変だぞ」
「あっ・・そんなに・・だめぇ・・」
しばらくすると、クチュクチュと音が聞こえてくる。
「おいおい。グチョグチョに濡れてるぞ。カレシ君、君はどう思う?」
男の手が激しく中野の股間を刺激している。慣れた手つきだ。壺も心得ているのだろう。中野はキュッと目を瞑り、懸命に堪えようとしていたが、男のテクニックの前には為す術もなかった。
「イッ・・イクッ・・・」
消えそうな小さな声で中野は昇天してしまった。男は愉快でたまらないといった様子で、僕を見た。
「あーあ、イッちゃったか。カレシの前で。この淫乱女め!」
興奮しきった男は中野を押し倒した。愛する男の前で昇天させられたという辱めを受けた中野は悔し涙を堪えるのが精一杯だった。
「あと30分の間だ」
僕と男は同時に時計を確認した。
「残りの時間、そこで見ていなさい。嫌なら、外で待ってなさい。だが、外で待つならさっきの男達がやってくるぞ」
選択の余地はなかった。あんな筋骨隆々の男達が再び中野を襲い始めたら、中野は壊れてしまうだろう。
「分かりました。ここにいます」
僕は部屋の隅に移動した。

男は自分のモノを中野の口へ押し込んだ。今夜で何本目のフェラだろうか。中野は涙を流しながらも早く終わらせてしまおうとジュポジュポと音を立ててしゃぶり上げる。
「おお・・・素晴らしい」
男のモノが大きく硬く変貌する。ギンギンに力が漲ったモノを僕に見せつけ、それから中野のアソコへもってゆく。
「あっ!あん!あっ!」
男は中野と結合した。あんなに大きなモノがズポズポと出し入れされる。中野の手はギュッと拳を作っている。中野が必死に耐えようとすればするほど男の興奮を誘い、さらなる責めを受けてしまう。中野は体全体で悲鳴を上げている。激しい責め。あまりの凄惨さに直視することができない。
「あはぁ!!!」
やがて防波堤が崩れ落ちた。端から見ていた僕にも分かった。抵抗力がなくなったのだ。こうなると中野はされるがままだった。男はあらゆる体位で腰を激しく動かした。アダルトビデオでもこんなに激しい行為は見たことがなかった。このまま中野が壊れてしまうのではないかと本気で不安になる。
「いやぁ・・・いやぁ・・・」
首を振り、両腕をばたつかせる。男はなおも深くモノを埋め込み、そのまま彼女の上に屈み込んで唇を奪った。両腕も押さえつけられた。
「んぅ!!!んぅ!!!」
涙が止まらない。この行為が終わったら中野の涙の泉が枯れてしまうのではないかと思うほど、彼女は泣き続けた。

急に僕は彼女の喘ぎ声の変化に気付いた。グッタリと力尽きている中野は無理やり犯されながらも、体を襲う快感に抵抗できずに喘ぎ声を漏らしている。その音色が変わったのだ。苦しさから解放された快感の声に聞こえ始めたのだ。

僕は愕然とした。それを聞いているだけで僕は気が狂いそうになった。
「あっ!だめぇ!!!」
男は巧みに中野を責めてゆく。小道具は一切使わず、己の肉体のみで中野を何度も昇天させる。僕は目を閉じ、耳を塞いだ。中野の喘ぎ声がはっきりと『喜び』の声に聞こえてきたからだ。男としての劣等感。これだけ見事に相手の女性を満足させる男に対して僕は激しく嫉妬していた。
「イクゥ!!!!」
「おぉぉ!!!」
時間ギリギリで中野と男は同時に果てた。男は中野の中で果て、最後にネットリとしたキスを交わした。中野は一切抵抗しなかった。シチュエーションはどうであれ、2人で成し遂げたという達成感にも似た空気が僕には苦しかった。僕は立ち上がり、彼女に駆け寄った。
「もういいでしょう?」
「ああ、いいとも」
男は満足げに微笑み、悠然と服を着始めた。中野は全身で苦しそうに呼吸をしながらも、どこか満たされた表情をしていた。一人の女として、この男を認めたかのようだった。

悔しくて、不意に目頭が熱くなり・・・

僕はバスタオルを拾って、無言で彼女の体を拭き始めた。

中野は一人で歩けないほど疲れ切っていた。僕があの部屋に連れて行かれるまでの2時間の間も筋骨隆々の大勢の男達のオモチャにされていたのだ。並大抵の疲労ではないだろう。こうして無事に戻ることができるだけでも良しとしなくてはならない。僕達は途中でタクシーを拾い、僕の家へ向かった。夜明けの街は閑散としていて、この世の終わりの様だった。

家に着き、彼女を浴室へ運ぶ。うずくまる彼女の体を綺麗に洗う。彼女は眠っているかのように微動だにしなかった。タオルで体を拭いている間も一言も発しなかった。

死人のように眠りに落ちた彼女をじっと見守る。徹夜で気分が高ぶっていた僕は彼女の体に覆い被さって泣きじゃくった。あまりに無力な自分が情けなかった。

僕が目覚めたのはその日の夕方だった。いつの間にか眠ってしまったのだ。中野は起きていた。
「おはようございます」
「あ、おはよう」
眩しいくらいの笑顔に僕は安心した。
「昨日はごめんなさい。迷惑かけちゃいました」
「いや・・・」
適当な言葉が浮かばない。地獄のような夜だった。いや、僕なんかより彼女の方がよっぽど地獄だったに違いない。
「体、大丈夫なの?」
「はい。酷い目に遭っちゃったけど」
肉体的な傷よりも精神的な傷。
「でも、これでさっぱりです」
「そうだな」
「デリヘルなんてもうしません」
「当たり前だ」
「ごめんなさい」
中野が僕に抱きついてくる。僕はしっかりと受け止める。
「もうあんな目に遭わせないからね」
「・・・はい」

デリヘル嬢になった理由は訊かないことにした。聞いても仕方がない。売春婦、風俗嬢と呼ばれる女性は世界中にいる。だが、『小遣い欲しさ』に体を売るのは日本の女だけだと言われている。特に東京都内は酷いの一言だ。もちろん、仕事を斡旋したり、金を払う男も悪いのだが、当の本人に問題があるのは言うまでもない。深入りする前に地獄を経験できた中野はむしろ幸運だったのかもしれない。

「飯田さん、美味しいモノ食べに行きませんか?」
「いいけど、大丈夫なのか?」
中野はバックから札束を取り出した。昨夜のマスコミ野郎が投げつけた札束だ。僕の不安をよそに中野は笑顔だった。
「あんな変態からもらったお金なんてパーと使っちゃいたいんです」
彼女が僕を安心させようと気丈に振る舞っているのが伝わってきた。僕も笑顔で応じた。
「そうだな!」
「じゃあ、決まり!」
跳ねるように僕に抱きつく中野の温もり。この温もりはマスコミ野郎のものでもないし、誰のものでもない。僕だけのものなのだ。もう2度と彼女を泣かさない。
「あっ!」
いきなり中野が声を上げた。
「どうしたの?」
「今日って・・・仕事は???」
どうやら曜日の感覚がズレているようだ。彼女は金曜日に無断欠勤している。僕は中野の頭をポンポンと叩いた。
「今日は日曜日だよ」
「あ、・・・そうですね」
「明日から最後の追い込みだぞ。休んだ分、しっかり頑張ってもらうからな」
「そっかー、また残業の毎日ですね」
「それももう少しの辛抱だよ」

陽が沈み、駅前の繁華街は活気づく。中野の復帰を街中が喜んでくれているかのようだ。

「プロジェクトが終わったら・・・」

「え?何ですか?」

「・・・いや、何でもない」

焦らない。静かにゆっくりと関係を深めればいいのだ。金を払って彼女と付き合っているわけではないのだから。

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