未歩 愛しき幼馴染み1

女性もえっちな妄想をしてもいいんです。
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未歩 愛しき幼馴染み1
2021年07月05日 20時22分

朝起きると、僕は必ず決まったテレビ番組を見る。朝7時から始まる30分のニュース番組である。視聴率を競う他社番組を圧倒する人気番組。但し、その人気は番組の構成力や情報量に因るものではなく、ましてや下品な芸能人コメンテーターや、低脳なゲストの力でもない。

山口未歩。今や日本国内でその名を知らない者はいない。異性の熱い視線、同姓の嫉妬を一身に集める超人気女子アナウンサーである。彼女の笑顔を見るために、皆、毎朝その番組を視聴するのだ。そして、『今日も1日頑張ってくださいね!』という最後の決めセリフを聞いて、サラリーマン達は意気揚々と出勤する。

『今日も1日頑張ってくださいね!』
テレビの向こうで山口未歩がにっこりと微笑む。何度見ても、僕は彼女の笑顔に癒される。
「・・・未歩」
僕は彼女を呼び捨てにすることに慣れている。これは妄想で彼女と付き合っているとか、嫁にしているとかというわけではなく、れっきとした理由がある。実は、今となっては自分でも信じられないのだが、彼女は幼馴染みだったりするのだ。だが、もちろん、こんなことは誰にも打ち明けていない。打ち明けたところで、無用な詮索と非難を受けるだけだ。

岩瀬秀明。それが僕の本名である。僕は彼女を『未歩』と呼び捨てし、彼女は僕のことを『ヒデ君』と呼んでくれた。僕達は都内の同じ小学校に通い、ほとんど毎日のように遊んでいた。中学校は私立と公立で別れてしまったが、週に何度も会っていたし、週末は2人で出掛けることが多かった。僕は一匹狼タイプでクラスの連中に溶け込む努力をしなかったし、彼女は完成されすぎていて周りが遠慮してしまっていたため、お互いほとんど友人がいなかった。

高校に進学すると、彼女の周りに胡散臭い人間が近づくようになった。高校生、大学生、大人。あらゆる年代の男達が彼女に群がった。その頃の彼女は既に完璧な美女だった。容姿も性格も、もちろん本業の勉学も申し分なかった。
『ヒデ君、わたし疲れちゃったよ』
この頃から、彼女はこんな愚痴を漏らすようになった。言葉通り疲れた様子で、端正な彼女の表情に暗い影が差すようになった。彼女の性格を知り尽くしていた僕は心配だった。
『悪い奴らにヘンなことされてるの?』
ネットでいろいろと悪い話を見ている。容姿に恵まれた女性を狙って、あらゆる方法で汚れた触手を伸ばす大人達。彼ら、彼女らの目的は決まっている。純粋に体目当てか、あるいはそういった女性を利用した金儲け目当て。たしかに目先の金に惑わされて軽率な行動を取る女性側にも大きな責任はある。都合の良い時だけ被害者ぶるのは容認できない。だが、目の前で悲しい表情を浮かべる未歩を見ると、僕はそういった大人達を問答無用で殺したいという衝動に駆られる。
『ありがとう。ヒデ君と話せて楽になったよ』
別れる間際には必ずそう言って僕を安心させようとする彼女の優しい気配りが僕には辛かった。

やがて大学受験を控え、お互い励まし合って勉学に励んだ。自慢ではないが、才色兼備の彼女と同じくらい、僕も勉強のできる学生だった。だが、お互いの第一志望の大学のハードルは高く、真剣に取り組む必要があった。近所住まいの僕達は家族ぐるみの付き合いだったので、気分転換を兼ねてどちらかの家で一緒に勉強することも多かった。志望大学は違うが、良きライバルであり、戦友だった。

そんなある日の会話。これが僕にとってとても大きな意味を持つことになった。確か、日曜日の夕方。未歩が僕の部屋にやってきて、2時間ほど勉強して、休憩になって、コーヒーを飲んでいたと思う。
『ねえ、ヒデ君』
『ん?』
ベッドの縁に腰掛けた彼女は綺麗な脚をブラブラさせていた。
『未歩とヒデ君、2人とも第一志望に合格したら・・・』
『したら?』
彼女の目は少しだけ潤んでいた。可愛らしく唇をすぼめている。
『したら、何?』
『・・・エッチしない?』
飲んでいたコーヒーを吹きそうになった。もちろん、彼女の言葉が可笑しかったからではなく、あまりの意外性に驚いたのだ。今まで、誕生日のお祝いとバレンタインデー、ホワイトデーに限ってキスを重ねる程度だった2人である。異性というよりは、親友という存在だった彼女だが、そういった方面に興味津々の年頃だった僕は、幼馴染みの美少女からの提案が嬉しかった。
『本当に?エッチしていいの?』
『未歩じゃ、ダメ?』
『良いに決まってるよ。・・・ちなみに今はダメ?』
『バカ』
・・・
目の前に魅惑のニンジンがぶら下げられた。もともと努力家だった僕は、さらなる明確な目的を得て猛勉強し、見事第一志望の大学に合格した。発表日当日、大学構内の掲示板で自分の受験番号を見つけた僕は嬉しさのあまりその場で彼女に電話した。彼女が一足先に志望大学に合格したことは数日前に聞いていた。
『未歩、受かったよ!』
『本当?すごいじゃん。やったね!ヒデ君』
電話越しの彼女の声は嬉しそうに弾んでいた。長年の付き合いなのでよく分かる。それほどの難関大学だった。
『ヒデ君、頭良いモンね!』
『そんなことないよ。未歩の約束のお陰だよ!』
つい勢いで無意識に無用な言葉が吐き出された。名誉のために言っておくと、この時は嬉しさでいっぱいで、彼女との『約束』のことは全く頭になかった。だが、気付いたときには時既に遅し。
『ごめん、違うんだよ!』
慌てて言い繕ったが、未歩は黙り込んでしまった。焦った。彼女に誤解されたくなかった。息を殺した。しかし、電話は切れなかった。そのまま1分ほど沈黙があった。合格の喜びが一気に冷め、今はこのまま無言で電話が切れないことをひたすらに祈るばかりであった。
『・・・ねえ、ヒデ君』
ようやく彼女の声を聞いて、僕は安堵するとともに緊張した。
『ごめん』
『違うの。怒ってないよ。あのね・・・』
その日は確か金曜日で、未歩が消え入るような声で、両親が今晩旅行へ出掛けるから夜は家に誰もいないと言ったと記憶している。あまりに儚い声。そっと包み込んであげないと消えてしまいそうな声。
(次の言葉が大事だ)
心臓の激しい鼓動で苦しみながら、慎重に言葉を選ぶ。
(次の言葉で、この運命の電話は完結するんだ)
『じゃあ、今夜・・・遊びに行くね』
『・・・うん』
そっと電話を切る。思わず拳を固めた。

一旦家に戻って、服を着替えた。彼女の家なら何度も遊びに行ったし、彼女のご両親とも仲が良い。だが、これほど緊張して行くのは初めてだった。喉がカラカラになって、膝が笑っていた。合格の報告に喜ぶ両親は『早く未歩ちゃんにも知らせてあげなさい』と、笑顔で見送ってくれた。自分達の息子が幼馴染みの家にエッチをしに行くとは想像もしていなかっただろう。

歩いて3分、いや5分。未歩の家が妙に大きく映る。震える手でインターフォンを鳴らす。長い間があって、ゆっくりとドアが開いた。彼女は恥ずかしそうに俯き、僕と目を合わそうとしなかった。
『来たよ』
『うん』

2階の未歩の部屋。清潔で綺麗でお洒落な部屋。彼女の成長と共に、部屋の内装も洗練されてゆく。ベッドの縁に2人並んで腰を掛けた。口が思うように動かない。いつもなら、咄嗟に軽口が出てくるのだが。
『ヒデ君、おめでとう』
ようやく掠れた声で彼女が切り出した。甘い香りがする。ホットパンツから覗く太ももが眩しい。普段意識していない脚のラインの美しさ、豊かな胸、くびれた腰、細い腕。ゴクリと唾を飲み込む。
(未歩ってこんなに可愛かったんだ)
今更に驚く。これだけ器量が良ければ、いろいろな男が近寄ってきても不思議ではない。もしかしたら、既に野獣共の慰み物になってしまっているかもしれない。僕に心配させまいと隠しているのかもしれない。そう不安にさせられるくらい、その日の彼女は素晴らしかった。
(あぁ!くそっ!)
彼女の魅力に気付かなかった自分に苛立つ。不意に大勢の男達に蹂躙される彼女のイメージが思い浮かぶ。妄想の中で未歩が淫らに犯される。
(ちょっと待て!!)
妄想に耐えきれず、振り払うように僕は首を振った。目を強く瞑った。
『ヒデ君?』
落ち着かない僕の手に彼女の手が重なった。温かい手。優しい手。愛しき幼馴染みの手。我慢の限界だった。僕は彼女をベッドに押し倒し、覆い被さった。

無我夢中。彼女の喘ぎ声で僕の股間がどんどん熱く滾ってゆく。
『あっ、あんっ、あっ!』
彼女の声は官能的で甘く優しかった。僕の背中に腕を回し包み込んでくれた。
『ヒデ君、気持ちいい』
スベスベの肌。柔らかな胸。何度も唇を重ねて、胸を愛撫した。童貞だった僕はネットで得た乏しい知識で、彼女の身体を貪った。僕のモノが彼女のとろけそうな太ももに擦れて気持ちよかった。
『ねえ、初めて?』
未歩はうっとりとした表情で訊いてきた。火照った彼女は一段と魅力的だった。童貞であることを隠すつもりはなかった。
『そうだよ』
そう答えると、彼女は嬉しそうに微笑んだ。この時の彼女の表情は一生忘れないだろう。
『わたしも・・・だよ』

正直言うと、僕達の初体験は散々だった。思い出すだけでも恥ずかしい。だが、僕も未歩も満足していた。事が終わると、裸で抱き合ったまま、ふと沸き上がる喜びに身を浸した。笑って、笑って、最後は飽きるほど泣いた。涙を拭いながら、彼女が耳元で囁いた。
『また、エッチしたいな。ヒデ君と』
僕はその言葉に応えるように、彼女の小さな頭をポンポンと叩いた。

大学生になると同時に、僕は1人暮らしをすることにした。未歩は実家から通い続けた。これで『近所の幼馴染み』というわけにはいかなくなったが、今まで通り何も変わらないと思っていた。だが、僕の甘い見通しはあっけなく打ち砕かれた。彼女は大学進学と同時に、ドロドロとした蟻地獄に引きずり込まれていったのだ。

あの『約束』の件以来、彼女のことを女性として意識するようになった僕は、真剣に彼女と付き合いたいと切望した。だが、望めば望むほど、彼女との距離は開いていった。入学当初から目を付けられてしまった未歩は、その美貌によって文字通り『標的』となってしまった。キャンパスを歩けばナンパ目的に声を掛けられ、講義室では席を取り囲まれ、食事中は好奇の視線に晒された。ローカルネットでも噂は広まり、彼女を盗撮した写真データがネット上にアップされたりした。こんな状況では友達も作れない。彼女は完全に孤立してしまった。特に各サークルの勧誘は度を超したもので、脅迫まがいに彼女を強引に誘い込もうとするサークルが後を絶たなかった。性に飢えた大学生達の目的はただ1つだった。
『ヒデ君、辛いよ』
一方で平凡で充実した大学生活を満喫していた僕は、電話越しに聞く彼女の惨状に愕然とした。
『大丈夫?力になるよ』
いろいろと頭を悩ませた。柄にもなく、力の限り彼女を励ましたりした。そして最後はいつもの彼女の言葉で終わった。
『うん。ありがとう。ヒデ君と話せて楽になったよ』

未歩の苦難は入学から梅雨明け頃まで続いたが、その頃になってようやく事態が変わり始めた。腐りきった世の中にも正義は存在する。政治家だって、警察だって、真面目に働いている人間は存在する。大学にも真面目に活動している学生はいる。まず、未歩と同じ学科の女子学生達が未歩の『盾』になり始めた。次に、正義感に溢れる無骨な男子学生達が、未歩の親衛隊となった。未歩に手を出そうとする軟派な学生が現れると、集団で取り囲んで徹底的に痛めつけた。教官が地位を利用して未歩に触手を伸ばそうものなら、女子学生達が噛みついた。この嬉しい『異変』は彼女の誠実な人格に起因していると僕は思っている。彼女は驚くほど美人だが、それを鼻にかけることは一度もなかったのだ。

こうして次第に状況は劇的に改善され、未歩にも笑顔が戻った。
『ヒデ君、未歩ね、いろんな人に助けられてるよ』
彼女の声は弾んでいた。僕も嬉しくなった。
『実はさ、僕が裏で手を回しておいたんだ。未歩を助けてくれって』
『えっ?うそっ?』
彼女の驚き様と言ったらなかった。あまりのリアクションの良さに罪悪感を感じてしまったほどだ。
『嘘だよ』
『ひっどーい!バカ!』
どちらともなく笑った。
『今夜、うち来ない?』
入学して以来、電話ばかりで会っていなかった。地獄に耐え抜いた彼女を抱きしめてあげたい。こちらはせっかくの1人暮らしなのだ。
『駅まで迎えに行ってあげるよ』
『えー、でも、ヒデ君、嘘つきだし』
電話の向こうで彼女が微笑んでいるのが分かる。
『ごめんごめん。もう嘘つかない。じゃあ、7時に改札で』
『はーい』

会うたびに未歩は魅力的になってゆく。大学生活に落ち着きを取り戻してからは、なおさらだった。公共の場で彼女と待ち合わせるのが誇らしい反面、監視されているようで怖いくらいだった。
『お待たせ』
大学入学以来である。
『綺麗になったな、未歩』
真面目にそう言うと、彼女はケラケラ笑った。
『変なヒデ君』

付き合って欲しいと言えないまま、自宅のドアを閉めるとすぐに彼女に抱きついた。
『あんっ、ヒデ君。靴、脱いでないよ!』
そんなことはどうでも良かった。久しぶりの感触。どんな抱き枕よりも心地よくて、満足感を得られる未歩の身体。興奮しすぎて僕は玄関で果ててしまった。
『はぁ・・ごめん・・ごめん』
何度も謝る僕に微笑みながら、彼女はゆっくりとした動作で靴を脱いだ。
『綺麗にしてるね。エライエライ』
部屋中をじっくりと観察する未歩の後ろ姿に欲情した僕は、再び力を取り戻して彼女に抱きついた。
『未歩!』
『うん。ヒデ君、あっちいこ』
ベッドの上に雪崩れ込み、夢中で服を脱いでゆく。彼女はすべてを受け容れてくれた。
『あっ!あんっ・・うぅ』
一糸まとわぬ彼女の身体を隅々まで舐める。硬くなった乳首を舌で転がすと彼女は甘い溜息をついた。
『あふぅ・・気持ちいい』
蜜壺から愛液が溢れ出す。ピチャピチャと淫靡な音が部屋に響き、僕達は意を決する。
『入れるよ』
『・・・うん』
何度か経験を積むうちに、僕達は上手にエッチが出来るようになった。上手と言っても、映画やアダルトビデオみたいにはいかない。だが、どんなエッチよりも、愛のある行為だと自負していた。
『あっふぅ・・っ!・・イッちゃう!』
頬を赤らめて、キスを求めてくる彼女は何物にも代え難い宝物だった。

僕は完全に彼女の虜になってしまった。だが、相変わらず『付き合って欲しい』と言い出せなかった。幼馴染みってそういうものかもしれない。今まで距離が近すぎた分、不安が大きい。彼女に拒まれるなんて考えただけでゾッとした。ならば、今のままで良い、たまに会ってエッチをして楽しむ関係で良いと考えてしまうのだった。

裸で抱き合ったまま、静かな時間が流れた。幸せすぎて夢のようである。
『未歩、オモチャとか興味ある?』
『オモチャ?』
ポカンと首を傾げる彼女の大きな胸を優しく揉む。
『あん、エッチ』
『大人のオモチャだよ、バイブとか』
『あっ、そのオモチャね』
彼女も無知ではない。大学生にもなれば、そのくらいの知識は自然に身につけるものだ。
『でも、怖いかも』
『試してみない?』
『持ってるの?』
『いや、持ってないけど、ネットで買おうよ』
ベッドにノートパソコンを持ち込んで、裸のままアダルトグッズのサイトを回った。いろいろ悩んで、ようやくショッピングカートにお洒落で可愛らしいローターと、メイド服が入れられた。
『わっ、高いね』
『じゃあ、僕が買って上げる』
『いいの?』
上目遣いで僕を見つめる彼女は最高だった。
『その代わり、メイド服着るんだよ!』
『はいはい』
彼女の柔らかい唇に僕の唇が重なった。

それから2週間後の僕の誕生日。何も言わなくても、当日、彼女は当然のように電話を掛けてきてくれた。
『ヒデ君、今夜空いてる?』
『空いてるよ』
それだけで十分だった。彼女はケーキを買ってきてくれた。
『誕生日おめでと』
『ありがと』
『あ、そうだ。この前買った服、届いてる?』
『メイド服?』
『そう。着てあげる』

メイド姿の未歩は実に官能的だった。僕の股間はすぐに熱くなった。
『ちょっと過激すぎないかな?』
確かにスカートは短すぎるし、胸元も大きく開いていた。彼女の美脚と巨乳が存分に楽しめるコスプレだった。
『いや、良く似合ってるよ』
『ありがとうございます、ご主人さま』
わざとらしくお辞儀をして、にっこり笑う彼女を抱き寄せた。
『あんっ、ちょっと待って。・・・先にケーキ食べよ』

照明を落とした部屋で、ケーキの上の蝋燭の炎がゆっくりと揺らめく。気持ちが高揚する。気持ちを伝えるなら今しかない。ゴクリと唾を飲み込んだ。
『ヒデ君も19歳かー。もう大人ね』
彼女は自分のことのように微笑んだ。もう一度、唾を飲み込む。勇気を総動員する。
『・・・未歩』
『ん?何?』
『いや、その・・・好きだよ』
あっけなく言い切った。あまりにあっけなかったので、自分の声が彼女に届いたかどうかよく分からなかった。一瞬の間。そっと未歩を見る。彼女の目は潤んでいるようにも見えた。錯覚かもしれない。彼女の手が僕の手の上にそっと置かれた。温かかった。
『未歩もヒデ君のこと好きだよ』
僕のヤワな心は、それ以上の展開に耐えられそうになかった。僕は勢いよく蝋燭の炎を吹き消した。

ケーキを食べ終え、未歩がテーブルの上を片づけ始めた。ケーキを食べている間、2人は言葉少なだった。僕の不用意な言葉が何となく部屋の空気を重くしてしまっていた。
『あれ、そう言えば、誕生日プレゼントは?』
嫌な流れを変えようと努めて明るく声を掛けた。彼女もホッとしたような顔になった。たったこれだけで部屋の空気が一気に軽くなった。にわかに解放感でウキウキしてくる。
『ちょっと待ってて』
片づけが終わると、彼女はテーブルを部屋の隅に移動させた。そして、僕の前に立つと可愛らしく両手を差し出した。
『はいっ!』
『はっ?』
『メイド服の未歩がプレゼントです。召し上がれ』

僕は彼女にむしゃぶりついた。夢のような淫靡な時間。メイド服を着た未歩の媚態は小悪魔どころではなかった。いつにも増して興奮した。
『未歩、アレ、使ってみようか』
先日、メイド服と一緒に買ったローターである。まだ新品のローターを取り出し、スイッチを入れると、可愛らしくプルルと振動した。
『ちょっと痛いかも』
『じゃあ、上から当ててみようか』
薄いパンティの上からゆっくりと股間に這わせてみる。
『あっ!だめっ!いやっ!』
僕は彼女が感じてると思って、逃げようとする未歩をしつこく追って股間にローターを当て続けた。
『いやっ!あっ!・・・っ!!!』
未歩の身体が大きくビクンと痙攣し、そのまま動かなくなった。慌ててローターのスイッチを切る。
『ごめん、未歩、大丈夫?』
彼女は泣いていた。申し訳なくて彼女を包み込むように抱きしめた。
『ひどいよ、もうっ』
『ごめん』
未歩は首を振った。
『ううん、大丈夫。なんかね、無理やり犯されてる気がして怖くなっちゃったの』
それ以来、彼女にオモチャを使うことはなかった。

結局、夜更けまで抱き合った。いろいろとあったが、僕の気持ちは彼女に届いたと思う。こうして、僕の19歳の誕生日は終わった。

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