遥と打ち合わせをしてから1週間後、彼女から電話が掛かってきた。俺は綾にしゃぶらせながら電話に出た。
「もしもし」
「先生!『彼』から電話がありました」
挨拶もなしで彼女はいきなり用件を切り出した。かなり興奮しているようだった。俺は綾に目で合図をした。綾はうなずいて部屋から出て行った。
「で?」
「今日の夕方6時にE駅前に来いと言われました」
E駅とは彼女のマンションの最寄り駅だ。彼女のマンションに行くつもりだろうか。
「それだけですか?」
「はい。また連絡すると言ってました」
なるほど、待ち合わせ場所を指定しないのは賢いやり方だ。もし遥が警察に通報していたとしても、臨機応変に対応出来る。
「『彼』は佐藤さんのマンションへ押しかけるかもしれませんね」
「多分そうだと思います」
彼女の声は恐怖で震えている。
「・・・あの、本当に大丈夫でしょうか?」
俺はわざと声を荒げた。
「今更何を言っているのですか?それに『彼』には返事をしたのでしょう?もう、後戻りはできませんよ!」
「・・・すみません。そんなつもりじゃ・・・」
「いいですか?私もリスクを負っています。佐藤さんのためにです!」
「はい」
「じゃあ、うまく彼を誘導してください。くれぐれも感づかれないように」
俺は携帯を切った。
いよいよ、始まった。『彼』との対面だ。
私は携帯を切った。ようやく遥が返事をくれた。今まで彼女にしつこいくらい電話をしていたが、彼女は煮え切らない態度を続けた。『隠れ家』での性生活は最高だが、たまには『浮気』も楽しみたいものだ。奴隷ではない『絶品』の1人、佐藤遥。あの長い脚と形の良い胸の味は忘れがたい。
私は16時に『隠れ家』を出た。亜美が駄々を捏ねたが、由衣と愛に宥めてもらった。部下はつけなかった。今日は『お忍び』なのだ。私はまっすぐ駅へ向かった。
俺は緊張していた。夕方5時。1時間後に『彼』と遥が出会う。そして俺は『彼』を目にすることになるだろう。どんなヤツだろう。遥の話では、背丈は俺と同じくらいで、凍りつくような冷たい印象。当時はグラサンをしていたので、顔はよく分からなかったらしい。そりゃそうだ。グラサンをしていなくたって、あれだけ陵辱されていれば、相手の顔どころの話ではないだろう。
とくかく喧嘩なら負けない自信がある。俺は診療所を出た。
私はE駅へ着いた。約束の時間の5分前。遥はどこかにいるはずだ。私の姿を探しているのかもしれない。私は駅前のファーストフード店へ入り、2Fの窓際の席に腰を下ろした。彼女が警察に通報している可能性はまずないと思っているが、用心にこしたことはない。私は携帯を取り出した。
「・・・もしもし?」
「遥か?」
電話の向こうでビクッと肩を震わせているのが伝わってくる。
「・・・はい」
「私だ」
「・・・」
「今、駅にいるな?」
「はい」
「指定通りの服を着てきたか?南口だろうな?」
「えぇ」
俺はノースリーブのブラウスにデニムのミニスカートの女を探した。彼女を陵辱した時の服装で、私のお気に入りだ。彼女が着ると、よく似合う。
この席からだと南口が一望できる。・・・いた。携帯を片手にキョロキョロ視点を彷徨わせている女がいる。
「見つけたよ」
「・・・あの、どこにいらっしゃるのですか?」
彼女は私の名前を知らない。
「妙なマネはするなよ」
「はい」
「じゃあ、今から私の言うとおりにしてほしい・・・」
遥が携帯を手にした。そしてキョロキョロと周囲を見渡した後、コクンと肯いていきなり駆けだした。俺は慌てて、彼女の姿を目で追った。遥のマンションとは逆方向だ。どうしたってんだ!『彼』はどこにいるんだ?待ち合わせ場所を変えたのだろうか?遥の姿はどんどん小さくなってゆく。しかし、全速力で追いかけるわけにはいかない。目立ってしまう。くそっ!どうすればいいんだ。とりあえず、遥の姿を見失わない程度についていくしかない。
テーブルに置いたラップトップのディスプレイにはE駅周辺の地図が表示されている。遥の携帯から位置情報を割り出すようになっており、彼女の現在位置が赤く点滅している。私は、彼女をある程度走らせておいてから、再び携帯を鳴らした。
「私だ」
「・・・はぁ、はぁ、・・・はい・・」
彼女は息切れ切れのようだ。まるでバイブで股間を刺激しているかのような喘ぎ声だ。パンティの中にローターを入れてから走らせるべきだったか。そうすれば楽しみが増えたかもしれない。
「走り続けろ」
「はぁ・・はい・・・はぁ・・・はぁ」
「お前にはもう少し走ってもらう。目の前の十字路を右へ。そして一本目をさらに右へ」
随分と歩いた。歩いたというよりは、小走りに近い。遥の姿を失わないように気を遣いながら5分近く追いかけた。と、先を走る彼女が急に右へ曲がった。俺は慌てて駆け出した。日が暮れて視界が狭い。見失ったら最後だ。それにしても、一体どこへ向かっているんだ?
遥の後を追い、道を曲がると遥の姿が消えていた。おい?どこに行った?冷や汗がどっと体中から出てくる。嫌な夜だ。奇妙なトリックのカモにされているみたいだ。
すぐ先に交差点があったのでとりあえずそこまで行き、左右を確認する。いた!右手のはるか前方に彼女の後ろ姿を見つけた。ちょうど、来た道から一本外れた道を逆走している形になる。彼女はややペースを落としながらも、何かに取り憑かれたかのように走り続けている。くそっ!駅へ逆戻りか。
俺は舌打ちをした。『彼』は何のために遥を走らせているのか分からないが、このまま遥の後を追ってノコノコと駅へ戻るのはリスクが高そうだ。もしかしたら『彼』は遥の『助っ人』の存在を予期していて、餌を捲いて手ぐすね待ち構えているのかもしれない。俺は遥を追うのを止めた。どうせ、目的地は彼女の部屋に決まっている。こういう状況を考えて、彼女から合い鍵をもらっている。俺は駅へ戻るルートを避け、違うルートで遥のマンションを目指すことにした。
遥がE駅の南口へ戻ってきた。私は携帯を鳴らした。
「・・・はぁ、はぁ、はぁ」
言葉も出ないらしい。
「運動不足のようだな。そのままお前のマンションまで歩いていけ。早足でな」
「・・・はぁ、・・・はい」
彼女は何度か辺りを見回した。私はその様子を注意深く観察した。誰かの助けを宛てにしているのが見え見えだ。彼女の後を追う存在がいないのを確認してから、私は席を立った。
俺は足を止めた。駅からやや離れた住宅街は暗闇の中でひっそりと静まりかえっている。街灯の明かりだけが頼りだ。『彼』が俺のことを見張っているかのような錯覚を覚える。俺は嫌な汗をかき始めた。今回ばかりは相手が悪かったかもしれないな。俺は不安をかき消すように全力で駆けだした。
ほっそりした長い脚。私のすぐ前を遥が歩いている。急な運動で彼女の息は完全に上がっているに違いない。だが、彼女の見事な四肢は輝きを失わない。『絶品』はどんな時でも『絶品』なのだ。
マンションのエントランス。周りに人気のないことを確認してから、私は小走りで彼女との距離を一気に縮め、後ろから口を塞いだ。
「ん!」
彼女の体に一瞬力が入る。しかし、すぐに諦めたかのように力が抜けた。
「久しぶりだな」
「・・・」
私は彼女にエントランスのキーを解除させ、マンションの中へ入った。そして、エレベータの前まで連れて行き、そこで手持ちの布を使って目隠しをした。これにはさすがの彼女も抵抗した。
「・・・お願い、やめてください」
「心配するな。頼もしい『助っ人』がいるんだろ?」
彼女の肩がビクッと震え、急に大人しくなった。やはりそうか。そうでなければ俺の誘いに応じるわけがない。
「・・・あの・・・」
「いいから、乗れ」
私は、彼女をエレベータへ押し込み、6Fのボタンを押した。ちなみに彼女の部屋は4Fだ。6Fへ着くと、私は念のため、下りる間際に1Fのボタンを押して下りた。
俺は目撃した。かなり遠目だったが、遥の後を追う男の姿を見ることができた。『彼』に違いない!後ろ姿だけだが、歩き方、身のこなしが明らかに訓練されている。『彼』は遥の後を追ってマンションへ入った。もう急ぐことはない。俺は呼吸を整えながら、マンションへ向かった。どんな奴だろう。
マンションへ着くと、俺は合い鍵でエントランスのキーを解除した。エレベータは1Fで待機していた。さては階段で上がったな?ここでエレベータを使うのはリスクが高そうだ。もしかしたら4Fへ着いた途端にナイフを突き付けられるかもしれない。俺は注意深く辺りを見回してから階段を上り始めた。
「きゃっ!」
私は遥をベッドに押し倒した。ミニスカートなので見事な太ももが露わになる。もちろんパンティも丸見えだ。目隠ししているので、私は彼女の目を気にすることなくじっくりと鑑賞する。
「良い眺めだぞ、遥」
私の言葉に彼女はスカートの裾を抑えようとする。その隙に私は彼女に馬乗りになった。「いやっ!」
強引にブラウスを引きちぎり、ブラジャーをズラした。見事な胸がブルンと飛び出てくる。
「・・・だめっ」
「お前はどこが感じるんだったかな?」
「・・・」
まずは乳首をゆっくりと執拗に舐めてやる。目隠しの効果は抜群で、普段よりも感度がいいようだ
「あぅ、はぅ・・・」
チュパチュパと音を立てる度に遥の口から喘ぎが漏れる。
「・・・あん、・・・ここ・・・ここ、どこ?」
さすがに気づいたようだ。自分の部屋の匂いではないことが。
「ここ・・・わたしの部屋じゃない・・・」
私は胸から顔を離した。そして僅かの間、勝利の余韻に浸る。
「当たり前だ。ノコノコお前の部屋に行ったら、誰か来るんだろ?」
「そんな・・・」
「申し訳ないが、お前みたいな低脳ではないんだよ」
遥の顔に絶望の色が広がった。
俺は遥の部屋の中で呆然と立ち尽くしていた。誰もいない!誰もいない!誰もいない!
「おう、こいつか」
私はモニターに映し出されている映像を見て、思わず微笑んだ。モニターには1人の男が微動だにせずに立ち尽くしている。私は遥の目隠しを取り、モニターの映像を見せた。
「お前の部屋に泥棒さんがいるぞ?」
最初、彼女はモニターの映像が何を表しているのか分からないようだった。しかし、見慣れた家具、見知った人間が映っていることを察知し、遥は思わず両手で顔を覆った。
「いやっ!」
私は彼女の手を後ろ手で固定し、無理矢理顔をモニターへ向けさせた。
「こいつは誰だ?知り合いか?」
遥は首を振った。
「・・・何でわたしの部屋が映ってるんですか?・・・」
どうやら、彼女は男の存在よりも、モニターに自分の部屋が映し出されていることの方がショックのようだ。
「毎日ずっと見てたんだよ。お前のすべてをな」
「いやぁぁぁ!!!」
「遥!!!どこだ?」
俺の声が虚しく響く。念のため、トイレやバスルームを覗いてみるが、案の定誰もいない。やられた。俺の負けだ。逃げるか?どうする?
「ひどい!ひどいです!!」
彼女は私の胸を何度も叩いた。
「何がひどい?」
「だって・・・だって・・・」
遥の両腕が急にだらりと落ち、彼女はシクシクと泣き出した。私は彼女を押し倒し、大きく股を開かせ、極太バイブを挿入した。私は女の涙に甘くない。
「はぅ!!!」
「こんな時でも、アソコはグチョグチョだな、遥」
「いやっ!あんっ!あんっ!」
私は遥をうつ伏せにしてから、彼女の鞄から携帯電話を取り出した。そして履歴欄の一番上の番号にコールした。携帯のディスプレイには「聡美」とある。きっと遥の友達だろう。2回のコールの後、「もしもーし」と垢抜けた若い女の声が聞こえてきた。
「聡美さんですか?」
「・・・はい?そうですけど?」
てっきり友人から掛かってきたと思っていた聡美は警戒した声で返事をした。うつ伏せの遥は股間の刺激で私の悪戯に気づいていない。しかし、私が携帯を彼女の顔の傍に持って行った瞬間、弾けるように暴れ出した。
「いやっ!だめ!!!」
「聡美ちゃんだよ」
「だめっ!!!」
私は遥の両手を手近にあったタオルで縛り、身動きできなくしてから携帯を彼女の口の傍に置いた。
「・・・お願い・・・お願い・・・」
遥は消え入りそうな鳴き声で懇願したが、私は甘くない。その状態で思いっきり、股間を刺激する。数秒我慢できた遥だったが、すぐに携帯に向かって喘ぎ声を聞かせる羽目になった。
「いやっ!あん!だめぇぇぇ!!!」
携帯の向こうから「遥、大丈夫?」と何度も聞こえてきたが、遥の悲鳴にかき消されてしまう。そのまましばらく責め続け、私は携帯を切った。
部屋は静かだ。遥のすすり泣き以外は。私は再び、彼女の携帯の履歴欄を見て、適当な番号にコールした。
ピッピッピッ
急にポケットの中の携帯が振動した。俺はびっくりして後ずさった。自分の携帯が鳴っただけでこれほど動揺してしまうのは生まれて初めてだ。こんな時に!俺は悪態をついた。かなり苛立っているのが自分でも分かる。しかし、着信画面を見た時、俺の背筋は凍り付いた。遥の番号だったのだ。
「おい!」
出るなり、俺は声を荒げた。
「どこにいるんだ?」
しかし、遥の声はない。いや、受話口の奥で微かに音が聞こえる。すすり泣き?俺は全神経を傾けた。
これは傑作だ。コール先は何と!モニター画面の男だった。私は思わず吹き出しそうになった。ここは冷静に男の出方を窺うことにしよう。
「おい!遥だろ?」
俺は苛立ちを隠さなかった。彼女の性格は何となく掴んでいる。何か俺に隠し事をしていて怖くなって声が出ないのかもしれない。あるいは・・・
「誰だ?」
携帯を持つ手が震えている。俺は緊張している。俺は怖じ気づいている。しばらくそのまま待った。嫌な予感がする。やがて電話の主は『彼』に違いないと思い始める。俺は『彼』が遥の後を追ってマンションに入ったのを確かに見たのだ。
「あんたなのか?」
今頃になって、俺は『彼』について何も知らないことを痛感した。もちろん、名前も知らない。やがて・・
「・・・こんにちは、近藤先生」
地獄の底から湧きあがってくるような声がした。俺は思わず漏らしそうになっちまった。
遥は静かになった。泣き疲れてそのまま眠ってしまったのだ。私は彼女の見事な太ももに頬を寄せ、じっくりと柔肉の感触を味わいながら、モニターの男に挨拶をしたのだった。携帯の履歴に『近藤先生』とあったので、そのまま使うことにした。
「・・・こんにちは、近藤先生」
男はモニタ画面の中でふらふらと歩を進め、ベッドにどかっと腰を下ろした。
「誰なんだ?あんただろ?」
「遥がいつもお世話になっています」
「・・・ふざけるな!」
私は思わず、携帯を耳から離した。無礼な男だ。面識のない相手に怒鳴るとは。
「遥はどこだ?あんたと一緒なんだろ?」
「・・・」
「このマンションにいることは分かってるんだ!何なら一部屋ずつ虱潰しにしてもいいぞ?」
「・・・」
「あんたのしていることは犯罪だ!警察に連絡してもいいのか?」
思ったよりも『普通』の男だった。私は遥を起こすことにした。電話はそのまま繋げておいて、遥の頬を叩く。
「・・・うん?」
可愛らしく身悶えし、何度か瞬きをした後、彼女は目を覚ました。そして覚めた現実が変わっていないことを察すると再び絶望の淵へ追いやられたようだった。
「遥、近藤先生から電話だよ」
遥は自分が裸であることに気づき、慌てて胸を隠した。近藤先生よりも、自分の胸を隠すことの方が大事らしい。
「・・・お願い・・・」
「何を『お願い』してるんだ?」
「あの人を巻き込まないでください」
私は彼女の健気さにうんざりした。腕を押さえつけて、豊満な胸に顔を埋める。彼女は抵抗しなかった。
「・・・あん。もういいでしょ?」
「自分がこんな目に遭ったのはあの男のせいじゃないのか?」
細かい事情は知らないが、おそらく私の勘は当たっているはずだ。
「・・・違います」
私は特製バイブを取り出した。遥の顔が引きつる。
「本当に違うのか?」
彼女は泣きそうな顔になった。
「・・・お願い」
「仕方ないな」
バイブが挿入され、彼女の中で淫靡な回転運動を始めた。
「・・・くぅ・・・あん・・・」
「違うのか?」
そう言って、私は徐々に刺激を強めていく。そして同時にクリを舐める。
「あっ!だめっ!」
「携帯は繋がったままだぞ?先生に聞こえちゃうぞ?」
「あぅ!・・・うっ・・・はぅ!!」
しばらく責めてから私はバイブを抜き出し、代わりに携帯をそのままずっぽりと彼女の中へ埋め込んだ。
通信が切れた。俺は携帯の画面を食い入るように睨んだ。しかし、再び携帯が鳴ることはなかった。
遥はどうやら失神したようだ。ピクリともしない。ショックと恐怖と快感が一気に頂点に達してしまったために、自己の正気を保つことができなかったのだろう。私は深呼吸をして神経を集中させた後、再び彼女に目隠しをした。そして、彼女の体を持ち上げて部屋の外へ連れ出し、そのまま非常階段を使ってマンションの屋上まで運んだ。もちろん、細心の注意を払いながらだ。鍛え上げた私の筋力は彼女を運ぶくらいわけない。
屋上は意外と明るかった。星空と非常灯。周囲を念入りにチェックしてから、彼女の体に『若干の作業』を施した。その際に遥の中に入りっぱなしだったベトベトの携帯を取り出し、念のため踏みつけて破壊しておいた。最後に私は自分の携帯を使って、近藤先生へ電話を掛けることにした。彼の番号は頭の中に入っている。
「誰だ?」
好戦的で怯えた声が聞こえてくる。私は微笑んだ。
「今から、遥を引き渡す」
「・・・っ、あんたか?どこにいるんだ?遥はどうした?」
「今から、エレベータで運ぶ。きちんと4Fで受け止めてほしい。迷っている時間はないぞ」
「待て!」
私は電話を切った。近藤先生の慌てようが目に浮かぶ。
俺は慌てて、部屋を飛び出し、エレベータのボタンを押した。エレベータは最上階からゆっくりと1階ずつ下りてくる。心臓の鼓動が収まらない。遥が中にいる。途中の階で誰かが乗ったらどうする?そもそも遥は無事なのか?
6F・・・5F・・・4F
ボタンが点滅し、エレベータの扉がゆっくり開く。俺はゴクリと唾を飲み込んだ。しかし、エレベータは空だった。
私は駅前の喫茶店でコーヒーを啜っていた。私はコーヒーに目がない。今頃、近藤先生はどうしているだろうか。
可哀想になってきたので、10分程前に彼に電話を掛け、『遥は屋上にいる』とだけ伝えておいた。遥は私の奴隷になるだけの見事な体を有していたが、自分の問題を解決するために他人の力に頼ったのは大きなマイナスだ。ある意味、裏切りだ。私は裏切りを許さない。亜美も愛も由衣もそんな弱い女性ではない。あの体はもったいないが、彼女とはこれっきりだ。私は部下に電話を掛け、今回使用した部屋の後処理を頼んだ。
俺は屋上へ駆けつけた。そこには、猿ぐつわと目隠しをされた遥がこちらに背を向けてバスタオルの上に横たわっていた。身動きが取れないように、両手両脚がタオルで縛られている。股間には2本のバイブがうねりをあげている。もちろん服は身につけておらず、彼女はビクンビクンと体を痙攣させていた。うーうーと猿ぐつわの奥で喘ぎ声を発している。
俺はゆっくりと彼女に近寄った。彼女は俺に背を向けているので、俺に気づいていない。俺は唾を飲み込んだ。何なんだ?このシチュエーションは?にわかに股間がムズムズしてきた。くそっ!目の前に完璧なスタイルの若い女性が裸で横たわっている。しかも、彼女は俺に気づいていないし、身動きすら取れない!
私は最後に1つだけ悪戯をした。それは彼女の目隠しだ。一見、目隠しをしているようで、実は視界が隠れない特殊な目隠しをしておいたのだ。
さて・・・近藤先生はどうするかな?あんな状態で『絶品』が放置されていたら・・・男なら食いつくだろうな。近藤先生と遥の関係などは知ったことではないが、彼は欲望を抑えきることができるだろうか。そろそろ彼女も失神から覚めているはずだ。
俺はもう一度、唾を飲み込んだ。このまま彼女を犯しても、俺はバレない。どうせ、彼女には見えていないんだ。俺は彼女の傍でひざまずき、彼女の髪の香りを嗅いだ。華奢な肩に手を置くと、遥は「うー、うー」と唸った。俺は意を決して、彼女の上体を起こし、背後から胸を鷲掴みにした。どうせ、この女はもう診療所に来ないだろう。やるだけやって、楽しんでおこう。胸の感触を楽しんだ後、俺はバイブを外し、背後から彼女を犯した。彼女は猿ぐつわで思うように声は出ないが、悲鳴に近い喘ぎ声を上げているのだろう。このシチュエーションは俺を激しく興奮させた。
一度彼女を昇天させ、体位を変えて前から中へ挿入しようとしたとき、遥の体が一瞬強張った。急にうめき声が止まった。彼女に凝視されたような錯覚を感じた。俺は胸を突き刺されたような気がした。
・・・目隠し・・・されてるんだよな?
・・・俺のこと・・・見えないんだろ?
俺は怖くなった。怖くなって、数歩後ずさった。目隠しされているはずの遥が俺をじっと見てる。最後の最後で裏切った俺を見てる!
「佐藤さん・・・タオルほどきます・・・だから・・・」
遥の顔はずっとこちらを向いたままだ。俺は怖々と彼女に近寄り、タオルをほどいて彼女を束縛から解放した。そして猿ぐつわを外し、目隠しを取った。その瞬間、心臓が天まで跳ね上がった。俺はその時の彼女の目を一生忘れないだろう。
・・・俺は生まれて初めて失禁しちまった。もうどうにでもなってくれ・・・
・・・診療所で香奈や綾と遊んでいれば良かった。『彼』を見たいなんて思わなければ、こんなことにならなかったのに・・・
俺は診療所を一週間ほど休んだ。カウンセラーは俺しかいないので、俺が休めば診療所も休みのようなもんだ。その間にも次々とバカ女どもの履歴書が送られてくる。それらを香奈達に仕分けさせ、めぼしい患者のリストが俺のデスクに置かれる。
結局、遥とはあれっきりだ。治療代を前払いにしておいて良かった。電話もないし、メールもない。彼女はこれからどのように生き抜いていくのだろう。あの体には未練があるが、彼女と関わり合いになることは2度とないだろう。もちろん、『彼』とも・・・
一週間後、俺は元気に復帰した。『彼』のことは考えないようにした。香奈と綾と3Pで楽しんだ後、俺はリストを手にした。写真とスリーサイズを確認しながら、1人ずつ吟味していく。結局、女の価値なんてルックスとスリーサイズで決まっちまうんだよな。まあ、化粧したりエステ行っている段階で彼女達に『言い訳』の余地はないんだが。
よしっ、こいつにしよう。
山口由佳
佐藤遥に勝るとも劣らない美人だ。思わずヤリたくなる女だな。ん?レイプされた?俺の心臓がドクンドクンと踊り出す。
・・・大丈夫・・・だよな?