カゼっぴきの昼下がり1

女性もえっちな妄想をしてもいいんです。
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カゼっぴきの昼下がり1
2021年08月02日 10時11分
DUGA
HRC

1.

「ただいまぁ~、ちゃんと寝てたかいミノル?」
 バタンッ、とドアの閉まる音がして、オレはベッドから顔だけを玄関に向ける。
 黒のタンクトップにホットパンツというお決まりの格好に、胸の十字架を支点にして両手に目一杯のレジ袋。
 それと、左の太ももに貼り付いてる絵柄みたいなの‥‥アレは一体なんだ?
 シール?
「ぅわっ!?」
 長い腕が首に巻き付いてきて、重い頭をグイッと引き上ける。そのままコツン、と額をぶつけて樹流の体温測定。
「ん~~~‥‥ん、まだちょっと熱いねぇ。具合はどう?」
「アタマがまだボーッとしててダルい‥‥ハナミズは止まったんだけどなぁ」
「そぉ‥‥ったく、昨夜バイトから帰ってきたら、アンタ扇風機の前でパンツ一丁で寝てるんだもん。いくら暑いからってだらしなさ過ぎだよ‥‥」
 バカ、って囁きながら軽く唇を重ねて、ポンッと突き放されるとダルい身体は力無くベッドに倒れ込んでしまう‥‥そんなオレを尻目に樹は買ってきた食材やらをサクサクと片付け始める。

 迂闊。
 まさかオレが樹の[ヒモ]になってしまうなんて‥‥
 会社クビになって一カ月、すぐに見つかるだろうとタカをくくっていた就職先はいざ探してみるとなかなか見つからないもので‥‥
 それに引きかえ、樹は最初に受けたコンビニにあっさり採用されて一カ月、何のトラブルも起こさずにマジメに働いている。
 奇跡だ。
 コイツは父親に反抗してた影響から重度のオトコ嫌いで、接客なんてやらそうもんなら決まってオトコに蹴り入れたとかひっぱたいたとかでクビになっていたのに、だ。
 な~んかあるに違いない‥‥そう考えると一つだけ心当たりがあるんだよな。
 もしオレ以外に気を許せるオトコがいて、ソイツと一緒に働いてるとしたら‥‥

 ジリリリリリン――

 なんともクラシカルな電話のベルの音‥‥意外にも(?)田舎育ちの樹が懐かしいという理由で選んだ着メロだ。片付ける手を一瞬止めて、ホットパンツのふくらみに刺さった携帯を手早く取り出す。
「もしもし‥‥あ~おはよう」
 いかにも慣れ親しんだ感じのやわらかな受け答え。
「‥‥ゴメンね急に休んじゃって。ミノルのバカがカゼなんかひいて寝込んじゃったからさぁ‥‥」
 ぷっくらしたお尻と伸びやかなナマ脚をオレに見せつけながら、電話の向こうの相手と楽しそうにおしゃべりする樹。
「‥‥そぉ、うんアリガト。じゃ、後ヨロシクね」
 お尻に携帯を刺して再び動き出した樹に聞く。
「‥‥誰から?」
「コンビニのバイトの人だよ」
 残ってた物をテキパキ片づけながら樹はにべもなく答える。でもホントに知りたいのはそこじゃなくて‥‥
「‥‥オトコ?」
 そう。そこが肝心なワケ‥‥なんだけど、聞こえないのか聞こえないフリなのか樹は何も答えない。
 これは絶対何かあるぞ‥‥コイツは都合が悪くなるとすぐトボケて逃げようとするからな。

 安物のベッドをギシッと軋ませながら樹が腰を下ろして、程良く色落ちしたホットパンツのふくらみで頬ずりできるような距離からオレを誘惑する。
 いっその事、そのやわらかなお尻の中に挟まれてしまいたい‥‥などと想いながらボーッとまどろんでいると、やがて頬の上にやわらかな温もりが降りてくる。
 目を開けるとそこにはスラリと伸びる白い脚‥‥右の頬にはふくらはぎ、左の頬には太ももの弾けるような肌触り。
 その太ももをよぉく見ると、やっぱり絵柄みたいなのが貼り付いている。白い羽根を生やして弓矢を構えているこの絵は‥‥

 天使?

 玄関からチラッと見えたのはこれだったのか‥‥でもなんで太ももにこんな絵が? シール? それともボディペイント?
 どうしたのこれ?って聞こうとして樹に視線を合わせると、ちょっと悪戯っぽくクスッと微笑みながら答えを返す。
「彫っちゃったんだ~、タトゥー‥‥へへっ、今日は初めての給料日で嬉しくなっちゃってさぁ」
 彫っちゃったって?‥‥あ~そうかタトゥーか。
「てことは要するにコレ‥‥イレズミ?」
「ヤだぁ、そんなヤクザみたいな言い方しないでよ」
「そんな事より、それ彫るのにいくらしたんだよ? 結構値が張るはずだぞ‥‥今そんな余裕あんのかよ?」
 オレは樹の身勝手を戒めようとして、おどける顔を下からグッと睨み上げる。
 しかし、その視線はやわらかくも強く見下ろす樹の眼力に押し返されて、逆にオレの方が威圧されてしまう。
「‥‥何か文句あるの? 自分の食いぶちを自分で稼ぐのが自由だ、って言ったのはアンタでしょ? だったらアタシの稼いだカネはアタシが自由に使っていい‥‥そういう事になるよな」
 頬に乗せられた脚がゆっくりと折り曲がって、太ももとふくらはぎが万力みたいに顔を強く挟みつける。さらにその真上から容赦無く浴びせられる強い言葉‥‥
「今の自分の立場が分かってるのかい、ミノル? 養われてる身のくせにエラそうな口きくんじゃねぇよ‥‥なぁ?」
 からかうように顔をペチペチ叩きながら、突き刺す瞳と不敵な笑みでオレを屈服させる樹‥‥悔しいけど何も言い返せない。だって今まで自分が樹に言ってきた事をそのまま返されてしまったんだから。
 そして‥‥ふと我に返ると自分の身体さえ思い通りにならない事に気づく。関節技みたいに首をロックする脚には想像以上の力が込もっていて、カゼっぴきの身体では起き上がることも振り払うこともできない。
 首根っこを押さえ付ける脚をそのままに、樹はオレと逆向きに寝転がって毛布の中にもぐり込んでくる。

2.

 女性上位のシックスナインを横に崩したような形になるのかな‥‥175センチのスレンダーボディが10センチ近く背の低いオレの身体に絡みついて、長袖のシャツをゆっくりと胸までめくり上げていく。
 そのまま流れるようにスウェットとトランクスを脱がせようとする、余りにもためらいの無い手つきにオレは全く抵抗できない‥‥いや、抵抗する気すら起きない。
 首筋に巻き付いた太ももの感触は優しく暖かくしなやかで、でもオンナとは思えない程の強靭さで時折キツく締め付けたりもする。オレは毛布の中で素肌をさらして、身動き一つ取れずに樹のなすがまま‥‥

「ぅあっ‥‥」

 濡れた舌先が唐突に亀頭を襲ってきて、思わず全身がビクついてしまう。舌はまだ縮んだままの裏筋をジワジワと下って、根元から袋の裏側までを熱く濡らして這っていく。
 いきなりの攻撃に戸惑いながら身構えてしまうが、どうやらただのアイサツ代わりだったらしく舌はあっさり股間から離れて、毛布の中のさらに奥へと下りていってしまう。
 代わりに乾いた指先が膝小僧に伸びてきて、内と外から同時にそっとさすり始める。触れるか触れないかの微妙なタッチがこそばゆくて、血の流れがじんわりと早くなっていく。故意か偶然か太ももをくすぐる熱い吐息、股間の上に覆い被さってくる乳房のやわらかさ‥‥微細なタッチの一つ一つが静かに話りかけてくるみたいだ。

 真夏の部屋に静かに響く、木の葉を揺らす風の音、アスファルトを転がるタイヤの音‥‥

 さする指先は徐々に太ももに移ってきて、弛緩しきった筋肉を軽く揉んでみたりもする。そのうちに軽く爪を立てながら太ももを捕まえて、その内側に生温かい舌を這わせていく。ベロッと舐めるのではなく、尖らせた舌先を吐息と一緒にもどがしいぐらいギリギリで触れさせて‥‥何かがジワーッと染み込んでくるようなカンジ‥‥

 なんか不思議。
 何でたかがカゼひいたぐらいで、こんなにも優しくしてもらえるんだろ?
 独りだった時にはこんな感覚を想像する事さえできなかったのに‥‥

 ジリリリリリン――

 あ。

 着メロのベルの音色でふと思い出す‥‥そういやさっきの電話の相手、誰なんだろ?
 ベルの音はすぐ近くから聞こえてくる‥‥もしや、と思いオレは樹が寝転がってる方と反対側の手で必死に探ってみる。
 すると、指を伸ばしたギリギリの所にブルブル震える物体が‥‥

 取った!

‥‥と思った次の瞬間、首筋を挟む細い脚にグイッと引きずられて、身体ごと強引に持ってかれてしまう。
 息苦しさとひしゃげた頬、指先から離れていく携帯のバイブレーション、そして‥‥
「もしもしぃ~」
 親しげな受け答え。
 あぁ無念‥‥カゼっぴきの身体は樹の前では余りにも非力だ。
 こうなったら受話器の向こうの声だけでも‥‥オレはありったけの神経を耳に集中させて、電話の向こうの相手を探ろうとする。

 その瞬間‥‥

 ピチュッ、クチュクチュッ――

 いやらしい音とともに身体の芯に走る甘い痺れ‥‥そう、湿った舌と唇が突如として股間を襲ってきたのだ。
「ん‥‥うん、そぉ‥‥」
 受話器に相槌を打ちながら先っぽの割れ目にピチャピチャしゃぶりつく樹。甘い刺激が絶え間無く襲ってくるから会話に神経を集中できやしない。
 気持ちイイんだけど‥‥ちょっとコレ卑怯じゃねぇの?
「‥‥うん、ゴメンね。今ちょうど食事中だからさぁ‥‥」
 どんな食事だよ? とツッコミつつも、会話より舌遣いに神経がいってしまう自分が情けない。しかもカゼっぴきの身体は反応が鈍くて、飴を溶かすみたいに亀頭をコロがされても全然カタくなってくれない‥‥さらにさらに情けない。

 結局、受話器の向こうの相手は分からずじまい。電話が切れると同時に舌も離れていって、オイシイ快感もおあずけだ。

「誰からなんだよ、樹?」
 悔しさをかみしめて問い詰めても樹はクスクス笑うばかり。
「フニャチンには教えてやらないよ~だ」
 うぅ‥‥クヤシイ。オトコの影をちらつかせてバカにされてる事にも、身体が思うように反応してくれない事にも‥‥胸が焦げるぐらいに自分が情けない。
 そんな気持ちをなだめるつもりだろうか‥‥裏筋のふくらみに唇が優しく吸い付いてきて、チュッチュッと音を立てながらやわらかなモノをついばんでいく。
「ん~~~可愛いおちんちんだねぇ‥‥フフッ、心配しなくてもいいからおとなしくしてなよミノル。今のアンタはヒモでカゼっぴきで情けないんだから‥‥ね」
 ハスキーな甘い囁きに強がりを奪われて、ふうっと溜め息をつくとアタマがボーッと霞んできて‥‥何もかもがどうでもよくなってしまう‥‥

 情けねぇオレ。

 指と舌が再び内股に戻って悪戯を始める。くすぐる指先が波線を描いて、その真ん中を唾液のラインが幾筋も這っていく。舌は膝から脚の付け根までゆっくり上がってくるんだけど、縮んだままのモノにフゥッと息を吹きかけるとまたスッと離れていってしまう。
 そのまま食らいついて貪って欲しい‥‥そんな宙ぶらりんな欲望がジリジリ焦らされ弄ばれていく。
 でも‥‥いっそこのままでもいいかな、とも思ってしまう。くすぐる指先から舌先から、何だかとても暖かい気持ちみたいな物が流れ込んでくるようで、それだけで満たされてしまいそうな気がするんだ。

 このままいつまでも夢の途中でいるほうがいいのかもしれない。目が覚めたら全てがマボロシになってしまうんだろうから‥‥

 ふぅ‥‥

 ガブッ――

 痛ってえ!?

3.

 内股の一番やわらかい筋肉を猫のように鋭く咬まれて痛い。アタマは相変わらず霞んでボーッとするのに、ズキズキ刺さってくる痛みがオレを寝かせてくれない。
「なんだよオイ、勝手に寝ちゃうなんてヒドイんじゃないの? せっかくアタシがここまで看病してやってるのにさぁ」
 看病だったら寝かせてくれよ‥‥と思いつつも、歯型をなぞるザラザラした舌の湿度にゾクゾクしてしまう。よこしまな肉体は再び欲望に目覚めて、電流のようなそのゾクゾクを股間の真ん中にも欲しくなる。

 幻なんかじゃなかったんだ‥‥今そこにある確かな感触がオレには何より嬉しい。

 コリッ、とした乳首がツンッと亀頭に触れて、股間の上の乳房が縮んだモノを挟むように覆い被さってくる。樹の乳房はそんなに大きくない代わりに弾力があって、中に挟まれるとキュッと締め付けられるように感じてしまう。
 そのまま樹は被せた乳房を前後左右に揺すって、挟んだモノにやわらかな刺激を食らわせる‥‥硬度のないソレが乳房の中でもみくちゃにされて、身体の芯からぐにゃぐにゃに揉まれてしまうようだ。
「‥‥どぉ?」
 脳天を突き刺すような甘ぁい囁き‥‥のしかかった女体がゆさゆさ揺れる度に太ももがキツく締まって息苦しいけど、そのままトんでしまいそうなぐらいに力ずくで[気持ちイイ]。
 でもねぇ‥‥それについていけない身体がダルくて悔しいんだよね。なんつーの、ほら‥‥穴が開いた風船にいくら空気を入れても膨らまないような‥‥そんなカンジなんだよ。
「樹‥‥悪いけど今日はムリだよ。身体がダルくで力が入らないんだ」
 気持ちは嬉しいしもっと欲しいんだけど‥‥やっぱダメなものはダメなんだからしょうがねぇよなぁ。
「ふぅん‥‥」
 ちょっと残念そうに溜め息をついて、樹は動きを止める。毛布の中の不満そうな表情が透けて見えるようだけど、どうしてやる事もできない。
 情けなくてゴメン。

 遠くに踏切の警告音を聞きながら‥‥絡みつく温もりと汗が気持ち良くてついまどろんでしまう。タタンタタン、タタンタタン‥‥徐々に遠ざかる電車の音と霞む意識‥‥

「電話の向こうのアイツだったら、もっとアタシを楽しませてくれるのになぁ‥‥」

 ナニ!?

 あんまり突然の一言に、平和な気分がすっかりひっくり返されてしまう。
「ちょっと待てオイ、[電話の向こうのアイツ]って、一体それ誰な‥‥んぎゅぅ‥‥」
 聞き返すオレの頬を太ももでギュッと挟みつけながら、樹は話を続ける。
「‥‥結構イイモノ持ってるんだよね、アイツ。先っぽがおっきくて長くってさ、まるで槍みたいだったなぁ‥‥しゃぶってあげてる時の表情もまたソソるんだよねぇ、何しろ可愛くってさぁ‥‥」
 うぅわ、そこまで言うかよコイツ!
「‥‥安心しなよ、ミノルを捨てるとかそういう話じゃないから。でもねぇ‥‥燃えちゃったんだよね、あの夜は。ンフフフ‥‥クセになりそうでコワいなぁ」

 黒板を爪で引っ掻くような冷たい囁きが、落書きみたいな妄想を頭の中に描いていく。

 唾液の筋が長く長く伸びていく。
 赤い唇から伸びる透明な糸はオトコの先走りと混ざって薄く濁りながら先端の割れ目にたどり着いて、鐘のように膨らんだ亀頭を薄い膜でぬるく包み込んでしまう。
 子宮まで深々と貫いてしまいそうな長い竿‥‥絡みつく細い指がクラゲの触手みたいだ。
 彫刻のように立派な艶かしいモノを前にして、樹はニタリと微笑みを浮かべる。フウッ、と軽く吐息を吹きかけてやるだけで、オトコはその何倍も快楽の溜め息を吐き出すんだろうな‥‥やがて樹も堪えきれなくなって、とろけそうに熱い舌を硬い肉棒に絡ませていく‥‥

「うぅ‥‥わっ!」

 熱く絡んだ湿った感触がオレを妄想の中から引きずり出す‥‥縮んだままのモノに樹の舌がベタッと張り付いて、根元から裏筋のふくらみにザラついた感触を塗り付け這っていく。
「う‥‥ぁ‥‥うぅん‥‥」
 先っぽの割れ目にやわらかな唇がそっと吸い付いてきて、同じぐらいやわらかなモノを頭からまる飲みにしてしまう。唾液を含んだ口の中で軽く歯を立てながら、油揚げみたいなモノをじっくり嬲っていく樹‥‥いや、女性上位だから[嫐る]が正解か?
「ンん‥‥ふぅ、やぁらかくておいひいよミノル‥‥もっともっとちょうだいよぉ」

 まだ反応が追い付いてこないカラダに代わって、アタマの中の妄想が再び加速し始める。

 唇を大きく開いて頭からまる飲みにしても、オトコの長いモノにはまだまだ余裕がある。逆に口の中の亀頭は目一杯に硬く大きくふくらんで、呼吸ができないぐらいに樹を圧迫する。
 逞しいモノの前にひざまづいて貪る樹の頭を捕まえて、オトコは立ったままゆっくりと腰を揺すり始める‥‥ガチガチに膨らみ切った亀頭が口の中の隅々までを掃除して、腰を引く度に唇の端から濁った唾液が糸を引いてこぼれる。
「どうだ樹、もっと欲しいだろう。あんなヤツのよりもオレの方が美味しいだろう?」
 そんな事を囁きながら、オトコは樹を好きなように弄んでるのかなぁ‥‥?

「アイツ、後ろから犯すのが好きなんだってさ‥‥アンタもなにげに好きでしょ、アタシのお尻を捕まえてFU〇Kするのさぁ?」

4.

 ケロリと吐き出された呟きが突風のように渦巻いて妄想の炎をさらに煽る。その一方で袋の片側に唇が食らいついてきて、焦れったいぐらいにジワジワと神経を焚きつけていく。

 チュポン、と音を立てて槍みたいなモノを唇から抜く。吹きかかる荒い息遣い、ヌルヌルになるまで塗り重ねられた唾液のヌメりが気持ちよくて、長い竿を思わず手でしごいてしまう。
 まだ呆然としたままの樹の後ろにスッと回り込んで、上体を前に屈ませて四つん這いにしてしまう。両手にそっと包み込むお尻のしなやかな弾力‥‥中の肉ひだの一枚一枚が吸い付いてくる感触までも想像して、先走りがドバッと漏れて糸を引く。

 至福の瞬間。

 締まりの強い唇をブチュッ、とこじ開けて、ヌルヌルした蜜の中を奥へ奥へと入っていく。恥骨がお尻に触れるよりほんの少し先に、先端がコツンと子宮の壁をノックする。瞬間、お尻を抱える手にブルッと震えが伝わって、それを全身で受け止めるために腰から太ももまでをグッと密着させてしまう。
 肉ひだのギッシリ詰まった感触が苦しいぐらいにオトコを締め付ける‥‥

 ズボッ、ズボッ、ズブッ、ズブブッ‥‥

 一刺しごとにブルッと震える太ももと、吐き出される切ない吐息が何よりもオトコを喜ばせる。
「オマエはオレのモノだ、樹。いいだろう‥‥こんなに一緒に気持ちよくなれるのはオマエだけなんだよ‥‥」
 欲望剥き出しの傲慢なセリフに、樹は息を乱しながら小さく頷く。満足したオトコは乳房にまで手を伸ばして、熱いビートで女体を撃ち抜いていく‥‥

 これは‥‥見知らぬオトコに対する嫉妬? それとも自分自身の欲望?

 どっちだろう‥‥?

 さて‥‥現実に戻って来ると樹の熱い舌が裏筋をゆっくりと往復していて、ぬるい唾液を滴るぐらいに塗り付けてくれている。
 そして、先端から根元までの移動距離が少しずつ長くなっているのに気付く。股間にグッと力を込めるとピンッ、と膨らむ確かな手応えが返ってきて、硬くなった亀頭に絡みつく舌先を強く弾いてしまう。
 頭の中の妄想が血に溶け込んで、全部ソコに流れてくるようだ‥‥
「ンフフフ‥‥イイねぇミノル、そう来なくちゃアタシが面白くないでしょ。もっともっと硬く大きくふくらんで、もっとアタシをドキドキさせてごらんよ‥‥」
 硬さを確かめるように亀頭のすぐ下辺りを細い指先でコリコリ揉みながら、ハアッと吐き出すぬるい吐息で全体を包んでしまう。
 亀頭のくぼみに入り込んだ舌先がリンゴの皮剥きみたいにグルグル回る。竿をしごく指は樹の長い指だからクルッと輪を描くことができるけど、普通のオンナの指じゃあ絶対に届かないはずだ‥‥そんな太いモノをムリにくわえ込む唇のケナゲさ。わずかな隙間からダラダラ溢れてくる唾液は媚薬をも含んだ最高のローションだ。
 ジュル、ジュルッ、ジュルルッ‥‥口の中を震わせて大きく音を立てながら夢中になって先端の膨らみを吸っている。ドクドク涌き出る先走りがそんなに美味いのかな?‥‥ギチギチの口の中をザラザラした舌がのたうち回って熱い。ヤメなよ、そんなに急いで食いついたらヤケドしちゃうだろ‥‥
「ん‥‥ぱぁ、ハァ‥‥ダメ。ミノルの太すぎて竿までくわえられないよぉ。こんなに美味しいのに‥‥」
 蛇のように尖った舌先がチロチロと竿を突っついて、次に食らいつく場所を探している。その間にも脇腹をくすぐる指先がゾクゾクと、感覚の外堀を埋めていく。
 毛布の中をゆっくりとうごめく樹の唇は、しかしなかなか食いついてこようとはしない。熱い息遣いを吹き付けながら神出鬼没に舌を這わせて離れていく。竿の側面から裏筋、割れ目をこじ開けるようにヌルリと、こぼれる唾液を追いかけて亀頭のくぼみから袋の下まで‥‥さらにはへその周りや内股にまで吸い付いて、滴る唾液を塗り付けていく。
 早くソコに食いついてくれよぉ‥‥卑猥な言葉を唾液と一緒にどうにか飲み込む。
 唇は再び割れ目をついばんで、ジュルジュル美味しそうに汁を吸う。ビンビンにそそり立つ太い竿をストロー代わりにしてカラダの奥から精気を吸われるみたいで、骨盤の中がくすぐったくて力が抜けていく‥‥
 たっぷり吸った汁のお返しにドロッと唾液を垂れ流しながら、やわらかな唇が亀頭を飲み込む。今度は口の中に充分に余裕を残して、舌を自由自在にねっとり絡ませてくる。
「う‥‥わぁ、あっ‥‥ハァ‥‥ぁあっ、はあ‥‥ぁんっ‥‥」
 膨らみの周りをヒルのように這い回りながら、時々唇からはみ出して膨らみの段差までもニュルッ、と滑っていく熱い舌先。神経のひだを一つ一つなぞられる度に、膨らみ切った太いモノがピクピクと跳ね回るように脈動する。

 気持ちイイ‥‥

 でも、このままヤラれっ放しじゃ悔しい。

 毛布の中の両手をゆっくりと、おなかの上に被さる乳房のふくらみに伸ばしていく。両側から指をそっと触れさせて、テニスボールみたいな弾力の中に少しずつ爪先を食い込ませる。
 頬を挟む脚がピクッと震えて、おなかの上の乳房が指先を誘うようにスッと持ち上がる。
 すかさずその隙間に指をこじ入れて、親指の腹の部分を乳首に吸い付ける。そのまま残りの指を胸の谷間に突っ込んで、真ん中から外に搾り出すように乳房を揉む‥‥コイツにはコレが一番効くはずなんだ。
「ンッ、んぐぐ‥‥んぅ‥‥パアッ、はぁ‥‥クチュッ‥‥んンっ、ンン‥‥」
 太ももの震えが頬にブルブル伝わって、亀頭のくぼみに刺さった歯が少しだけ痛い‥‥可愛いヤセガマンしてるけど絶対に感じてるはずだ。乳房の谷間の指をクネクネとうねらせる度に、覆い被さった女体が少しずつ痺れていく感触がこっちにも伝わってくるぜ‥‥

5.

「電話の向こうのアイツは、ココの事を知ってるのかな?‥‥答えてみなよ」
 樹の弱点‥‥胸の谷間にまんまと入り込んだ指をゆっくりくねらせながら、逆にオレが[アイツ]を利用してやる。毛布の中の悔しそうな顔が目に浮かんできて楽しくなってくる。
「ンん‥‥ハァ、知らないよぉ‥‥ソコは‥‥ぁん、ミノルだけの場所だから‥‥んぐっ、んふぅ‥‥」
 太いモノをまる飲みにしながら嬉しいセリフを吐いてくれる樹。お返しとばかりにホットパンツの股ぐらにも手を伸ばしてやると、ボタンとファスナーはすでに開いていてオレを待ち構えていた。
 ホットパンツだと股下がスースーするから履いている毛糸のパンティ‥‥その真ん中に向けて指先をゆっくり滑らせていく。やがてコツンと触れた硬い膨らみを両側から挟み込んで、毛糸の中の可愛い勃起をこねるような指遣いで虐めてあげる。
「ンぐぅ、んん‥‥ンぅ‥‥」
 しなやかな脚が首筋をきつく締め付けて苦しいけど、指はさらに奥へ奥へと誘い込まれていく。弾けるようなお尻に挟まれたその入り口はヤケドしそうな程に熱くて、毛糸の上から触れると自身の発する熱で飴のようにグニャグニャになっている。
 クリトリスに置いた親指を支点にして、入り口に添えた二本の指をギュッと揉み込むように中に沈めていく。これで胸も含めて三か所、同時に感じさせられるはずだ。
「んふぅ‥‥ぅ‥‥ん~~~‥‥ぱあっ、ハァッ、ハッ‥‥あぁん、んぐっ‥‥んン‥‥」
 やわらかい‥‥何でオンナのカラダってこんなにもやわらかい場所が多いんだろう?胸やお尻、太ももにふくらはぎ‥‥触れるだけでオトコを癒す事ができるように、太古の昔から進化し続けているのだろうか?
 そしてこの熱い体温。毛糸のパンティにジワジワと染み込むマグマみたいな蜜も、喘ぎ声に栓をするように夢中で太いモノに食らいつく唇も、その中の舌や唾液や息遣いまでも‥‥オトコを包み込んで溶かしてしまいそうな怖さを孕んでいながら、それでもオトコはその中に甘い憧れを抱いてやまないのだ。

 なんだか、樹の策略にまんまとハマってその気にさせられてしまったような気もするけど‥‥

 まぁいいや。

 覆い被さっていたカラダをグイッと引き剥がして、毛布の中から樹が起き上がる。脚はまだ首筋を押さえ付けたままだけど、目の前にある締まった裸体と上気した顔は最高にセクシーだ。
 ホットパンツの後ろのポケットから何かを取り出す樹。きっとコンドームだろう。ギチギチになったモノを舌で優しく撫でて充分に濡らしてから、ヌルリと滑らかにゴムを被せていく‥‥上手い。憎いほどに慣れたその手つきがとにかく心地良い。
 しかし、樹の指先はまだ止まらずに、太いモノにもう一つ何かを引っ掛けようとしている‥‥根元にビチッと張ったこの感触、ヘアバンドかなんかだろうか?
「どぉ?‥‥これなら途中でヘタったりしないでしょ」
 根元にくくり付けられたヘアバンドはかなりキツくて、血の流れがせき止められてしまったみたい。先っぽが痛いぐらいにズキンズキンと脈打って、何かの拍子に弾けてしまいそうだ。

 オマエのそのやわらかな肉壷で、弾けそうなモノを優しく包んで欲しい‥‥

 カゼっぴきという事をすっかり忘れて、本能に忠実なだけのケモノがそこにいる。

 そうだ‥‥脚が離れた瞬間に襲いかかって、逆にオレが樹を押し倒してやろう。弾けそうな太いモノでじっくり責めながら、[アイツ]の事についてどこまでも問い詰めてやろう‥‥

 その時が来た。

 頬を挟んでいた長い脚がシュルッ、と真っ直ぐに伸びて、そのままゆっくり頭の後ろに引いていく。
 その一瞬のスキを狙って、オレは勢いをつけてガバッと起き上がった!
「‥‥!?」
 襲いかかるオレにビックリして慌てて身をかわそうとする樹。だがもう遅い。伸ばした両手はすぐに樹の身体を捕えて、グイッと肩を抱き寄せる‥‥後はそのまま体重を預けて、ゆっくりと押し倒してやるだけだ。

 ところが‥‥

 次の瞬間、突然目の前が真っ白になってしまう。そして続けて襲ってくる、頭が一回転するようなひどい目眩い‥‥肩に手を掛けたままの体勢で、オレは力無く頭を垂れてしまった。
 アタマいてぇよ、アタマに血が昇らないよぉ‥‥
 哀しいかな、こんな所で自分がカゼっぴきだという事を思い知らされる。

 あ~~~‥‥

「アハハハ‥‥カゼひいてるのに暴れるからそうなるんだよミノル。ほぉら‥‥いいからおとなしく寝てなさい‥‥ね」
 さっきと逆に樹に二の腕を掴まれると、いとも簡単に押し倒されてしまう。クラクラ眩むカラダでは抵抗なんかできやしない‥‥
 マウントポジションを確保した樹はオレの長袖のシャツを素早く剥ぎ取る。そしてシャツの袖の両端をピンと伸ばして、手首にクルリと巻きつけると‥‥
「ンフフ‥‥これで一丁上がり、っと」
 シャツの長い袖に手首がキツぅく縛られてしまった。
 それでも樹はまだ手を緩めない。縛った手首を頭の後ろに回すと、今度はシャツの裾の部分をピンと伸ばして‥‥それを首筋にキュッと結び付けてしまう。
「‥‥‥‥!」
 血が止まりそうなぐらいにキツく手首を縛られて、腕の自由が全く利かない。それでも力任せに腕を抜こうとすると今度は喉笛がきつく締まって、気が遠くなるぐらいに呼吸を圧迫する。

 カゼっぴき相手にそこまでやる?

[勝ち]を確信したんだろうか‥‥樹は長い脚を見せつけるように思いっきり伸ばして、そこにお尻から外したホットパンツをゆっくり滑らせていく。

 う~~~~‥‥

「‥‥悔しい?」

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シリーズ連載 : black angel