乙女の復讐3

女性もえっちな妄想をしてもいいんです。
当サイトは、アフィリエイト広告を利用しています

アダルトな読み物のお部屋

乙女の復讐3
2021年07月05日 20時38分
DUGA
M天国

結局、1時間ほどの休息を経て、小部屋を出た。その時には3台の木馬は撤去されており、部屋も綺麗に掃除されていた。まるで何事もなかったかのような変貌ぶりに優人は思わず肩をすくめた。
「やれやれ、『1号さん』は優秀だな」

部屋を出て廊下を進む。ものの数分で次の部屋に着く。どうやら迷路を歩き回るフェーズは終わったようだ。今度の部屋には何もない。そして、これまで通り『1号さん』が部屋の隅に立っていた。優人達の到着を確認すると、『1号さん』が近くの内線電話を取り上げ、すぐに下ろした。数分後、巨大モニターに花恋が現れる。怒りで顔が真っ赤である。
「まったく、あなたたち、私を1時間も待たせるなんて。どういうおつもりなんですの?お客様のおつもり?」
「・・・一応、そのつもりだけど」
「なんですって!困りますわ、そんなことでは!罰として今から愛海ちゃんにいやらしいことをしますからね!・・・って、あれ?ちょっとっ!勝手に寝てはダメでしょう?」
画面から彼女の姿が消え、声だけ伝わってくる。
「やれやれ、困った女ですね」
史織が呆れたように優人を見る。舞がクスクス笑っている。
「油断は禁物だ。ここは試練の部屋みたいだしね。内容も段々エスカレートしているし」
「そうね、優人の言うとおりかもね」
咲月が肯く。史織も舞もすぐに表情を引き締める。先ほどの三角木馬よりもグレードアップした試練を課されるに違いないのだ。
「・・・まったく、可愛い顔してどうしようもない子なんだから」
ブツブツと言いながら花恋が画面に戻ってきた。
「で、ここでは何をするんだ?」
「ふんっ、何かムカムカしますわ」
「おい・・・」
彼女から話してもらわないと何も進まない。彼女の機嫌を伺いながら、もう一度問いかける。
「なあ、花恋」
「・・・わかりましたわ。では試練のお話をします。やることは簡単ですけれど、とってもハードな試練ですわ」
彼女から説明されたことを整理すると、今『1号さん』が持っているカップを愛液で満たすという試練だった。ちなみにカップは小さめのコーヒーカップだ。
「条件があります。必ず、3人全員分を溜めること。愛液を溜める際は優人さんのエッチな指で掻き出してくださいな」
「・・・自分でやってはダメということですか」
史織が呟く。
「そうですわ、史織さん。あなたは優人さんにアソコをグチョグチョかき回されるんですわ。私の見ている前でね」
先ほどの三角木馬の時は優人と目を合わせずに、意識から追い出してしまえば、恥ずかしさも薄れたが、今度はそうはいかないというわけだ。優人にとっては、咲月は経験済みだが、史織と舞は今日が初対面の女性である。
「優人さん、嬉しいでしょ?」
そう言われると、男としては同意したくなる。これほどの美女の秘部を何の遠慮もなしに堪能することができるのだから。
「ねえ、優人さん。昔、私がアシスタントだった時にしてくれたように激しくお願いしますわ」
艶のある声。もちろん嘘である。彼女とはキスすらしていない。先ほども咲月にそう言ったはずだが、咲月の方から強烈な殺気を感じる。優人は恐る恐る咲月を見て、無理矢理作り笑いをしてみせる。彼女は無表情にこちらの仕草を無視した。
「作り話はよせ」
「あら、ごめんなさいね。咲月さんも気を悪くなさらないでね。でも本当の話かもしれませんわよ」
咲月は無言を貫いている。花恋は咲月の無反応に不満そうに唇を尖らせながら、説明を続けた。
「さて、早速始めてくださいと言いたいところですけど、制限時間がありますの。制限時間内に終わらなかった場合はこの部屋で終了。即お帰りいただくことになります。真剣勝負ですわよ。制限時間は90分。では始め!」

「えっと、どうしようか」
優人は3人の顔色を伺うように意見を求めた。立場的に優人からは何も言えなかった。そんな優人の気持ちをくみ取ったのか、咲月が冗談交じりに言った。
「良かったわね、優人。さっきから、美味しい思いばかりじゃない。死ねばいいのに」
普段の咲月に戻っている。
「なあ、そんなこと言うなよ」
「あなたの得意技でしょ」
「だからさ・・・もっと建設的なフォローを頼むよ」
史織や舞に見つめられて、優人は泣きそうな気分だった。咲月はそんな優人を不満げに見ながら、残りの仲間に向き合った。
「栗原さん、安藤さん、すっごく変な言い方になるけど、優人って・・・その・・・潮吹きって言うのかな・・・あれね、上手なの。痛くないし。だから安心して。エロいだけが取り柄みたいな男だから」
優人は顔から火が出るほど恥ずかしかった。舞が身を乗り出す。
「私、青木さんのこと、信じてます。だから、いいよ」
優人は舞を見た。彼女の本性は先ほど少しだけ垣間見た。問題は史織の方だ。案の定、史織は渋っていた。これが普通の反応だ。ここであっけなく同意されたら、それこそ、彼女に対しての評価が一変してしまう。
「申し訳ないですが、まずは井上さんと安藤さんでお願いできないでしょうか。もう少し考える時間が欲しいです」
優人は彼女を安心させるように微笑んだ。
「当然です。栗原さん、こちらこそ申し訳ない。本当に嫌なら妹の件は何とか別の方法を考えますから」

こうして、まず咲月から始めることにした。当然、いきなり膣内を掻き回すことなどできない。しっかりと手順を経て気持ちを高めてから一気に処理する必要がある。よく考えると、これは大変な作業だった。
「咲月・・・」
「・・・いいよ」
優人と咲月はいつも通り、キスから始めた。
「他の人達の前でなんて恥ずかしいね」
そう言って恥じらう彼女はいつにも増して愛らしかった。普段はツンツンしてやたら好戦的なくせにこういう時は借りてきた猫のように大人しくなる。
「大好きだよ、咲月。花恋に見せつけてやろうぜ」
キスから愛撫へ。耳、首筋、鎖骨、胸、腹、腰、尻、そして太もも、脹ら脛、足の指。少しずつ愛情を込めて股間以外を撫で回す。
「あぁ・・・ふぅ・・・んぅ・・・」
甘い喘ぎ声。こうなると周りの目は気にならなくなる。いつも通り、彼女の性感を高めてゆく。先ほどの木馬と媚薬の影響が残っているせいか、若干いつもよりも敏感になっている。時折キスに戻り、愛を確かめてから、撫で回す。
「ひ、優人・・・早くぅ」
これもいつも通りの催促。時間をかけて愛撫していると、パンティがビショビショに濡れてしまうのだ。パンティをそっと脱がせて、秘部をなぞる。
「あっ・・・あんっ」
ビクンビクンと体が痙攣する。クリトリスを指の腹で強めに擦ると彼女の柔肌がフルフルと細かく震える。
「あっ・・・あぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
青息吐息の彼女を抱き寄せ、もう一度キス。蜜壺に指を入れると、しっとりと愛液が絡みついてくる。ゆっくりと指を出し入れする。
「んはぁ・・・お願いぃ・・・」
奥深くへ指を入れ、スポットを探り当てる。
「んあぁぁ!!!」
これで十分。彼女を立たせて、すぐ下にカップをあてがい、少しずつ掻き出す。ポタポタと愛液が垂れ落ち、指の動きを激しくするのに比例して、愛液が噴き出し、カップに溜まる。
「いやぁぁ!イクッ!!イッちゃうぅぅ!!!」
絶頂に導かれた咲月はビクンビクンと背中を反らしながら痙攣し、ぐったり崩れ落ちる。愛液は半分近く溜まった。
「はぁ・・・はぁ・・・」
咲月が朦朧とした様子で優人にしがみつく。優人は咲月にキスをした。
「お疲れさま」
「・・・うん。大好き。ちょっと休んでるね」
そう言って、彼女は部屋の隅へ行った。疲れているというよりは、他の女と優人の行為を見たくなかったのだろう。

「あら、彼女すごいのね」
モニターの中から様子を見ていた花恋は驚いた様子だった。
「もっと何度もやらないとダメかと思っていたのですけど。一回でそんなに溜まるなんて計算が狂いましたわ。あなたの指使いが達者なのかしら」
優人が花恋を睨むと、舞が優人の肩を叩いた。
「青木さん、お願いします」
そう言って、嬉しそうにミニスカートを捲る。やはりこの子はそういう女の子だったのだ。今の咲月との行為で20分強が経過していた。時間的には余裕があるが、この試練は優人の体力もかなり消耗する。
「こちらこそ、よろしくね」
舞はとにかく敏感だった。体中が性感帯とでも言わんばかりにどこを愛撫しても過剰なくらいの反応が返ってきた。男としてこれほど興奮することはない。優人は丹念に愛撫を繰り返し、舞の濡れ具合を確認した。
「ねえ・・・もっとぉ・・・」
舞が催促してくる。
「キス・・・してぇ」
キスをすると貪るように唇を重ねてくる。そして、すぐに彼女の舌が優人の口の中にねじ込まれる。
「んふぅ・・・んぅ・・・」
舞は咲月の数段上を行く上級者であった。おそらく、花恋あたりに毎日のように仕込まれているのだろう。アシスタントとは名ばかりで実は花恋の性玩具なのかもしれないと勘ぐってしまうくらい、彼女は巧みでしかも積極的だった。股間に手をあてがうとパンティ越しでも分かるくらいしっかりと濡れている。
「あんっ・・・青木さんのエッチぃ」
天使のような舞は今や小悪魔のように見える。
「じゃあ、やるよ」
「・・・優しくして・・・ね」
さすがに緊張の色がサッと差す。カップをあてがい、蜜壺に指を入れる。それだけでトロトロとカップに愛液が溜まり始める。何度か抜き差しをしてから、一気に奥へ指を入れ、スポットを探り当てる。
「あっ・・・そこぉ・・・」
クッと内股になり、舞の腰が砕けそうになる。それをしっかりと支えながら、指を激しく動かす。
「あっ!だめぇ!!!」
ものすごい勢いで愛液が噴き出し、あっという間にカップを満たす。指を止めると、キュッと膣内が窄まる。すごい圧迫感である。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「もう大丈夫だよ。これだけ溜まったし」
「・・・じゃあ、続きはまたいつかお願いします」
舞は咲月や史織に聞こえないようにそう囁いて満足げに微笑んだ。とんでもない女の子だった。

「花恋、カップに一杯になったけど?」
優人がそう言ってコップを見せると、花恋は首を振った。
「ダメです。史織さんもやらないと。3人全員でと言ったはずですわ」
簡単に誤魔化せるとは思っていなかったが、さすがに花恋は自分の言葉を覚えていた。おそらく彼女にとってこの試練の最大の目的は史織へ恥辱を与えることなのだから忘れるわけもない。優人は唇を噛み、史織の方を見た。彼女も優人を見つめていた。
「青木さん、大丈夫。やりますよ」
「・・・栗原さん」
「みんなやってるんですから、私だけ逃げたりしません。お願いします」
そう言って、史織は優人にすべてを預けるように抱きついた。制限時間にはまだ余裕があったが、これから史織を汚すのだと思うと優人は気が重かった。先ほどの三角木馬の時とは違い、直接自分の手で彼女に触れるのだ。オンライン小説界のアイドル、栗原史織。その美貌から、リアルの世界からの誘いも後を絶たず、衰退する出版業界の救世主として祭り上げられるくらいのカリスマ美女。ネットで友達付き合いはしていたものの、こんなことさえなければ指一本すら触れることの許されないような女性なのである。
「・・・早く。私の気が変わらないうちに」
唇を噛みしめ、俯く彼女。おそるおそる髪を撫でると、はっとしたようにこちらを見つめる。そして、無言で優人にキスをしてくる。おそらく彼女の中のすべての勇気を振り絞っているのだ。優人は意を決して愛撫を始め、しっかりと時間を掛けて、彼女を絶頂へと導いた。愛液は十分に溜まっていたので量は関係ない。ただ、彼女が傷つかないように、ひたすら快感へと誘った。

「はいはい。結構ですわよ」
モニターから白けたような声がした。
「なんか、優人さん、舞ちゃんとも史織とも仲良くなっちゃって、ムカツキますわ。もっと嫌々潮吹きさせて、ショックで史織さんが泣き叫ぶとか、そんな展開を期待していましたのに。もういいですわ。試練はこれで終わり。すぐ私の部屋にお出でなさいな」
そう言って一方的にモニターが切れてしまった。

「みんな、本当にありがとう」
優人が頭を下げると、咲月が抱きついてきた。先ほどの行為で好感度がアップしたようだ。あるいは、試練とはいえ、相当の忍耐を強いられた反動かもしれない。
「まだ、お礼を言うのは早いわよ。さっさと愛海さんを連れ戻しに行きましょう」
「そうだな」
舞を見ると、ニコニコ笑っている。史織とはしばらく目を合わせられそうもない。
「よし行こう」
部屋を出ると、短い廊下を挟んで花恋の部屋に繋がっていた。広々とした部屋に入ると、窓際のクイーンサイズのベッドに花恋と愛海が並んで座っていた。愛海は優人に気づくと、パッと明るい顔になった。一睡して媚薬の効果も和らいだようだ。
「お兄ちゃん!」
「愛海」
愛海は優人に駆け寄った。花恋が邪魔をする様子はなかった。妹を抱きしめてから、頬にキスをする。
「まったく、人騒がせな妹だな。栗原さんと安藤さん、咲月にお礼をしなさい」
「はあい。えっと、・・・皆さん、本当にお騒がせしました。後日、改めてお礼をさせていただきます。ごめんなさい」
深々と愛海が頭を下げる。史織と咲月が愛海に声をかける。そんなことをしている間に舞は花恋の元へ歩いていった。元気なく俯いている花恋に声を掛ける。
「花恋さん」
「舞ちゃんか・・・こっちおいで」
舞は言われたとおりに花恋の隣に腰を下ろす。
「優人さんに怒られるのね」
しょんぼりと肩を落とす花恋を見て、舞は彼女のことが可哀想になってしまった。花恋が優人のことを熱烈に愛していた過去のことを舞は知っている。そして今でも花恋は優人のことが好きなのだ。今回の件で花恋に言い訳できる要素は何一つないのだが、舞は何とかして花恋を助けてあげたくなった。そう思っているうちに向こうから優人が近づいてきた。
「花恋さん、私が何とかします」
舞は花恋にギュッと抱きついてから立ち上がった。舞はレズビアンではないが、花恋に毎日のように愛されているため、実の姉以上の親密さを持っていた。舞が先手を取ってすぐ傍まで来た優人に声を掛ける。
「青木さん」
「何?」
花恋の前に立ちふさがる舞を優人は困ったように眺めた。
「花恋さんを許してあげてください」
「許すも何も、僕は被害者じゃないからね。仕事を邪魔されたという意味では被害者だけどさ。それよりも花恋が謝るべきは、栗原さんと咲月だろ」
「そうですけど・・・」
舞は何も言い返せなかった。優人はそんな舞の頭をポンポンと軽く叩いた。
「大丈夫だよ。一緒にいて分かっただろ。栗原さんも咲月もそんなに怒ってないよ」
「・・・そうですね」
舞が一歩引く。ここからは優人と花恋の話である。花恋は顔を上げようとしない。
「ごめんなさい、優人さん」
「だから、僕に謝るなって」
「今日は、優人さんの部屋を出てからちょうど1年なの」
あれから1年経ったのだ。辛い思い出。
「そうか、もう1年経ったんだな。じゃあ、今日はある意味、僕にとっても大切な日だったんだな」
「優人さん・・・」
不意に優人は花恋の唇にキスをした。他のみんなは愛海との会話に夢中になっていて気づいていない。
「優人さん・・・」
感極まったように花恋は泣き出した。
「もうしないから・・・こんなこと絶対しないから・・・」
「ああ、もうしないでくれよ」
花恋の泣き声に気づいた咲月がこちらを見る。だが、すぐにあちら側の会話に戻る。彼女なりに気を回してくれているようだ。これなら花恋も許してもらえたも同然だ。
「なあ、お前には辛い思いさせてしまったけどさ」
花恋の髪を撫でながら優人は続けた。
「昔みたいに一緒に仕事できないかな。また、お前と一緒に過ごしたいな」
「・・・優人さん」
「お前がいると愛海も喜ぶし、咲月とも気が合うと思うよ。それに栗原さんとの喧嘩だって、元々は些細なことだったんだろ?」
原因はあの対談中の言い争いではあるが、周囲の人間達がむやみに騒ぎ立てたり、煽ったりしたのも大きい。花恋も史織も十分に解っているはずなのだが素直になれなかったのだ。
「そうですけど、でも史織さんには酷いことをしてしまいましたわ」
「大丈夫。・・・栗原さん!ちょっといいかな?」
優人は大声で史織を呼んだ。史織は何事かとこちらへ近づいてくる。
「・・・だめ、優人さん」
「大丈夫だって」
史織がやってきた。
「どうしたのですか?」
「花恋が栗原さんに謝りたいってさ」
史織は花恋を見た。花恋は俯いたまま、絞るような声を出した。
「史織さん、あんなことしてごめんなさい。本当に・・・私、どうかしていましたわ」
優人は史織を見た。史織は穏やかな顔で花恋の方を見ていた。
「ねえ、花恋さん。顔を上げてください」
花恋が顔を上げると、史織はいきなり花恋の唇にキスした。
「あっ!」
突然のことに驚く花恋。優人も唖然としている。
「・・・どうして?」
史織ははにかんだ。
「あなた、確かに酷いことしましたけど、今ので許してあげます。なかなか経験できないことでしたしね」
そう言って明るく微笑む史織はさすがの人格者だった。今回の経験で真面目な性格に奔放さが加わり、人間として格段に成長したような気がした。
「うぅ・・・史織さん・・・うぅ・・・」
花恋は史織の胸に飛び込んだ。史織はそんな花恋を優しく受け止めた。

花恋は咲月にも謝った。当然のことながら、咲月は花恋をあっけなく許した。すでに夜になっていたため、その晩は花恋の好意で贅沢な夕食が用意された。舞と愛海以外にはアルコールも振る舞われ、優人も軽く酔った。久しぶりに大勢での楽しい夕食となった。その場で史織と花恋は共著の作品を出す約束をしたし、歳の近い舞と愛海はすぐにうち解けた。

オンライン小説界に激震が走った。2大人気作家の栗原史織と神園花恋がそれぞれのウェブサイトで、2人のツーショット写真と共に、今後共著作品を創作する予定だと発表したからだった。ネット住人は当初あっけにとられ、疑い深く様子を伺っていたようだが、彼女達の復縁が本物であると知ると、素直に喜び合った。そもそも、彼女達の仲違いを持ち上げ騒いでいたのは一部の狂信的な人間と、マスコミだけだったからだ。ネット上の至る所で祝福メッセージが踊り、彼女達の人気はますます増大していった。

花恋は優人と史織に創作の場を提供したいと申し出た。
「仕事に集中できるスペースを用意してあげますわ。それに、優秀な3人なら、困った時とかアイデア出しとか、その他諸々で都合が良いと思いますし、必要な資料は何でも揃えてご覧に入れますわ」
それは優人にとって願ってもない申し出だった。優人の仕事場はお世辞にも恵まれているとは言えなかったし、ライバルと一緒に仕事をすればモチベーションの向上に繋がる。史織も同様だったらしく、すぐに話はまとまった。数日後には、それぞれの荷物を持ち込み、大学以外はほとんどの時間を、花恋の自宅内の創作スペースで過ごすようになった。タイプが進まなければ、プールもあるし、娯楽設備もある。作家同士、専門的な会話もできるし、言うことなしだった。自然、優人のアシスタントである咲月も常駐するようになり、泊まっていくことも多くなった。ちょっとした共同生活である。ただ、一つだけ、頭痛の種なのは、ことあるごとに舞が絡んできて、性的なアプローチをしてくることだ。男の理性などあっさりと吹き飛ぶような彼女の媚態に耐えるほど辛いこともない。

そんなある日、咲月はふわふわのソファーに腰を下ろしながら、優人の方を向いた。
「ねえ、優人」
「どうした?」
「すっごく楽しいわね。私、人生で生まれて初めてかも、こんな素敵な毎日」
優人はタイプを止めて、咲月の隣に座った。
「そうだな、僕も幸せだ」
「でも、もう少し、外にも出ましょうよ。最近、ずっとここばかりだわ」
ここ一ヶ月、優人は大学院と創作スペースの往復ばかりだった。咲月も一緒にいるので問題はないと思っていたのだが。
「なんで?別に外へ出るのは構わないけどさ」
すると咲月が恥ずかしそうに俯く。
「だって、ここだと2人きりになれないでしょう?」
そういうことかと優人は納得する。折りを見て彼女とのエッチも楽しんでいるが、それでも以前に比べれば、確かに2人きりの時間が減っている。
「分かったよ。気づかなくてごめんな」
「いいのよ。あなたはエロと創作しか取り柄のないおバカさんなんだから」
優人は咲月に覆い被さった。咲月は抵抗しない。
「誰かに見られちゃうよ」
耳元で咲月の声がする。
「いいよ、あの時みたいにみんなに見せつけてやろうよ」
咲月の忍び笑いが聞こえる。それがまた、最高に心地よかった。

この小説がよかったらいいねしてね
0