二人の時間3

女性もえっちな妄想をしてもいいんです。
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アダルトな読み物のお部屋

二人の時間3
2021年07月19日 23時31分
DUGA

3.桜の頃

――カチ、カチカチ‥‥
 マウスをクリックする音だけが部屋に響く。窓に目をやると、暖かな日差しにいつもの景色が春めいて見える。
(来週は桜かな‥‥)
 僕は仕事始めを一週間後に控え、一人ネットで暇をつぶしていた。大学の卒業式も終わり、人生のモラトリアムもあと一週間。なんとなく寂しいような、気合が入るような気分になる。
 ここのところ真奈はバイトが忙しいらしく、彼女の口から「会いたい」という言葉を聞いていない。
 いつもは会いたくなるころに真奈からの「お誘い」があって、デートをするパターンなので、自分から誘うことはあまりなくなっていた。いざ、真奈からの誘いがなくなると寂しいもので、なんとなく時間を持て余してしまう。
『今日も忙しいか? がんばれ~』
 カフェでバイトをする真奈にメールを入れて、ちらりと時計に目をやると針はちょうど90度になっていた。お昼を過ぎたこの時間帯もカフェの客は絶えない。今日はお昼から九時までがんばると言っていたのを思い出した。
 僕はベッドに飛び乗り寝転がると、天井を見つめて考えた。仕事を始めた後のこと、つまり真奈とのことだ。今までのように平日に会うこともできなくなるし、休みの度に遠出するのも正直きつい。真奈は照れ屋なせいか口には出さないが、本当はかなり寂しがり屋なことは知っている。そんな真奈が四月からの変化に耐えられるか、僕は正直不安だった。
 胸のモヤモヤが広まりそうなのを感じて、僕は目を閉じ、眠りに落ちた。

(かなり寝たかな‥‥)
目を覚ますと部屋は暗く、開いた携帯のディスプレイが眩しい。
 新着メールを知らせる画面を見て、すぐに真奈の顔が浮かぶ。
『今休憩中! 今日は人が多いよ~。帰るの遅いとやだなぁ』
 案の定真奈からで、なんとなく口元が緩んだ。
(そうだ‥‥)
 真奈からもらった合い鍵を握り、家を出る。僕は真奈の部屋に行くことに決めた。この鍵をもらってから二ヶ月経つが、こうして使うことは初めてで、なんとなく気持が高揚するのを感じた。

 僕の部屋から電車で30分揺られ、駅から歩いて10分かからない場所に真奈の部屋がある。丁度いい距離だ。
 見慣れた道をテクテク歩く僕は、この前来た時よりもだいぶ薄着だ。桜も開花宣言が出され、かなり暖かい。
(満開の桜見せてやりたいんだけどなぁ‥‥)
 もうすぐ仕事が始まるせいで、学生の時と比べて本当に会える時間が限られてしまう。満開が休日に合えばいいのだけれど、そんな保証はない。
「まだ桜咲かないのかな」
 とても楽しみにしている様子で、そう話していた真奈の顔が浮かんだ。四月から寂しい思いをさせてしまうのは目に見えていて、なんとなくふがいない気持ちのまま真奈の部屋に到着した。

――ガチャ‥‥
 初めて合鍵を使って入る真奈のいない、真奈の部屋。なんとなく新鮮に見える。
(お邪魔しまーす)
 心の中でそう呟くと、いつものように上着を脱いで、三人がけのソファにボスッと身をあずけた。
 真奈の部屋は学生の一人暮らしにしては恵まれた広さで、カフェでバイトをしているだけあってインテリアにも凝っている。 立ち上がり、部屋の所々に置かれた間接照明のスイッチを入れると、部屋がオレンジ色に染まった。
「‥‥ふぅ‥‥」
 ソファに横になると、思わず溜め息がこぼれた。
 グルリと部屋を見回す。改めて見ても、シンプルだけど気を使ったおしゃれな部屋だと思う。
「おっ!」
 真奈からのメールをつげる着信音に少し驚いた。
『やっと終わったよ~。今電車に乗ったところ』
 もうそんな時間かと返事を打ちながら、なんとなくドキドキするのが分かった。部屋に来ていることはもちろん秘密だ。
『おつかれ~。駅についたらまた電話して』
 駅からの道は街灯が少なく暗いため、短い間だけど部屋に着くまで電話で話すのがバイトの日の決まりだ。
(あと10分くらいかな)
 携帯の画面の時計を見ながら、いたずらを企む子供のような気分になっていた。
(かなりびっくりするだろうなぁ)
 逸る気持を抑えるためコンポの電源を入れる。流れてきたのはゆったりしたR&Bだった。真奈は音楽が好きで、ジャズなども含めて幅広く興味を持っている。僕らが仲良くなったきっかけも「ヒップホップ好きなんですか?」という真奈の一言だった。僕の格好が「もろだった」そうだ。
 ソファにゴロリと寝転んだまま、真奈からの電話を待った。
「はいはい?」
 真奈からの電話がきた。
「あ、祐ちゃん? 今駅だよー」
「おーお疲れ」
「ほんと疲れたよー。部屋まで誰か連れてってほしいよ」
 溜め息混じりの真奈の声だ。すぐ近くの駅からここまで歩いているのだろう。車の通りすぎる音が聞こえる。部屋にいることを言いそうになるのを堪え、しばらく話していると真奈の声がクリアになった。
「到着~」
「地獄の階段だな」
「ほんとだよー。エレベーター付けてほしいですよ」
 冗談を言いながらも、受話器から聞こえてくる階段を上る音に、自然と脈が上がる。
「よーし! やっと到着だー‥んしょ」
 鍵を探しているようだ。ドアのすぐ外に真奈がいる。
「着きましたかー」
「んー鍵が‥‥あ、あった!」
――ガチャ‥‥
 鍵の開く音が微かに聞こえる。
「ただいまー‥‥えっ!?」
「どうした?」
 クスクス笑いながら訪ねる。どうやら僕の靴に気づいたらしい。
「えっ!?祐ちゃんの靴!えぇ!?」
――ガチャ!
 勢いよくキッチンと部屋をつなぐドアが開くと、肩からバッグがずり落ちて、携帯を耳に当てたままの真奈が飛込んできた。
「おかえりぃー」
 真奈の驚いてる様子に思わず吹き出してしまった。大成功に終わったようだ。
「なっ、なに~?」
 大きい目をもっと大きくしている。
「あはは。もう携帯切りなよ。いつでも来てって言ってたでしょ」
 合鍵を真奈に向かってポンッと投げると、真奈はうまく受け取った。変わりにバッグがドサッと床に落ちたけれど。
「そっかー、あーびっくりした。電話で話しててさぁ、祐ちゃんは祐ちゃんの部屋で電話してると思ってて‥‥それなのに靴があって。あーびっくりだよ」
 安心したのか一気に言葉が流れてくるようだ。
 いつから部屋にいたとか、連絡しなくて悪かったとか、あらかた説明し終わると、真奈はケラケラ笑いながらバッグを片付け、テーブルを挟んで対面して床に座り込んだ。
「やっぱメール入れときゃ良かった?」
「んーん、いいよ。祐ちゃんの靴見つけた時びっくりしたけど、嬉しかったし。それに‥‥」
「何?」
「いつになったら合鍵使ってくれるんだろって思ってたしさ」
 そう言ってイシシと笑った真奈は、なんとなく少年のような雰囲気で愛らしかった。
「こっち来てよ」
 僕は真奈をソファに呼ぶと、寝転ばせて、膝枕をしてやった。猫のようにコロンと横になった真奈の髪を撫でる。
「疲れた?」
「ちょっと‥‥」
「そう。これから頻繁には会えないじゃん?」
「ん‥‥」
「だから、今のうちに会ったくなった時に会いに行こうと思ったわけよ」
「ふふっ。サンキュー」
 なんとなく無言で髪を撫でていると真奈はムクッと起き上がり、ソファの上で僕に向いて正座をするようにして、僕をジッと見つめて言った。
「祐ちゃんが仕事始まっても、わがまま言わないから。寂しくても祐ちゃんだけだからさっ」
「え、何? いきなり」
「だからさ、どんなに会いたくても、忙しかったら会えないの分かってるし、祐ちゃん困らせたりしないから」
「おぅ」
 ニッコリ笑った真奈はピンと小指を立てて、僕の目の前に突き出した。
「約束しとく?」
「何を約束してくれる?」
「わがままを言わないことと‥‥んーあとお互い浮気はしません」
「オッケ」
 僕らは笑いながら指切りをした。たわいないことだけど、僕の心はすごく和んだ。不安がってた昼間の僕が、すっかり消えたのを感じた。
――プチュ‥‥
 自然に顔が近付き、唇が重なる。いつものように柔らかい真奈の唇が、僕の唇を甘く挟む。小さな暖かい舌が唇を割って入ってくると、僕の舌を探してうごめいた。
「んっ‥‥んふっ」
 その舌に応えるように舌を絡め、真奈の舌を吸うと、ピチュピチュと唾液の弾ける音が響く。唇を離すと、二人が短い糸で繋がり、そしてプツッと切れた。
「お前思ってたよりお子様じゃないのな」
 僕に気を使わせないようにという真奈の気遣いと、かわいらしい指切りに、思わず頭をクシャッと撫でて言った。
「そぉだよ。大人の女ですから」
 胸を張る真奈。
「どこがだよっ」
「失礼なー!」
 僕らは、久しぶりにキャーキャー言いながら、ソファの上でじゃれあっていた。
(これなら春からもなんとかいけそうだ)
 胸が安堵感で満たされる。すると、不意に真奈の動きが止まった。
「‥‥そうだ!」
「何よ」
「約束だよっ」
 真奈がいたずらっぽく笑って言った言葉は、僕を驚かせるものだった。
「祐ちゃん、一人でして見せてっ」

 本当に忘れていた。だってあれは一週間も前だ。

 でも確かに約束していた。交換条件だったのだ。あの日、真奈の淫靡なオナニーを鑑賞できたのは、僕の自慰行為を見たいという真奈の好奇心が最初にあった。
 こうして僕は今、渋々ながら下半身だけ裸になりソファに座っている。僕のそれは、無論、元気がないままだ。
「ねぇ真奈。やっぱオカズいるわ」
 苦笑いしながら言うと、彼女はウーンとうなってしまった。女の子の部屋だ、エロビデオも無くて当たり前だ。
「じゃぁさ、真奈がなってよ」
「えっ?」
「オカズ」
 真奈は驚いた様子で顔を赤くしてしまった。
「下着になるだけでイイからさ」
「ほんとに?‥‥」
「ほんと」
 僕はこれから起こる、初めての体験を想像して、すでに下半身を熱くし始めていた。

「ゆっくりだよ。ゆっくり脱いで」
「う、うん‥‥んしょ」
 僕の目の前で服を脱ぐ真奈。ゆっくりはがされた上着から、水色のレースが使われたブラジャーが顔を出した。
「かわいいのつけてるじゃん」
 真奈は無言でジーンズに手をかける。
「待って、おしり見せるように脱いでよ」
「えっ‥‥あ‥‥」
 恥ずかしそうに僕に背を向けた真奈は、そっと前のジッパーを下ろし、腰辺りに手をかけると、水色のレースに包まれた丸いおしりを少しずつあらわにした。立ったまま脱いでいるので、僕の目の前におしりを突き出す格好になる。ふと視線を落とすと、僕自身がすでにグッと頭を上げていた。
「これで‥‥イイかな」
 綺麗なレース使いの下着に身を包んだ真奈が、恥ずかしそうに立っている。
「かなりイイ。横来て」
 ピタッと体を寄せて座った下着姿の真奈に、僕はすっかり熱くなり、先端をジワリと湿らせた。
「見られるのって恥ずかしいね‥‥」
 僕の二の腕に白い腕をギュッと絡ませ、チラリと僕を見ながら真奈が言った。僕の方が20センチほど背が高いため、自然と上目使いになっている。
「真奈がするわけじゃないんだから」
 僕はそう笑って言いながら、思わず押し倒したくなるのを我慢した。なにしろこの眺めは最高だ。見下ろす視線になるため、髪がかかる鎖骨、白い胸の膨らみ、柔らかそうなふとももと、レースに覆われた三角。全てが綺麗に見える。
 真奈は僕の視線をジリジリと感じたのか、深い呼吸をして、より強く腕に抱きついた。
「あっ真奈」
「へ?」
「いや‥‥なんでもない」
 真奈はただしがみついたつもりだろうが、僕にしてみれば胸をムニュッと押し付けられたのだ。
「あ‥‥祐ちゃんの先、濡れてる‥‥」
 真奈の手がスルリと降りてきて、僕のふとももに置かれた。なぜだろう、一度も触ってないのに、恋人の視線が痛いほど僕のそこに絡まり、先端からはジワッと欲情の液体が溢れている。
「真奈‥‥なんかこうゆうのヤバイかも‥‥」
「‥‥ドキドキするね」
「始めるよ」
 僕はやっといきり立ったものを握りしめた。心地よい感覚が体に広がり、思わず声が出る。
「あっ‥‥」
 真奈の体を舐め回すように見つめながら、握った手を動かした。真奈の視線は僕の手の動きを捕えて離さない。絡まる視線に、まるで愛撫をされているような感覚が僕を襲う。
「んっ‥‥はぁ‥‥」
「祐ちゃん、声‥‥」
「はぁ、勝手に出‥‥るんだ」
 正直普段一人でする時はこんなに感じない。真奈の下着姿からくる視覚的な刺激と、自分の手で作る直接の刺激、それに真奈の熱く絡み付く視線‥‥僕の熱い棒は淫らな汁を垂れ流し、すでに音が立ち始めていた。
(もっとやらしくしたい‥‥)
「真奈、もっと胸くっつけてよ」
「え‥‥これでイイ?」
「ん、さっきみたくして」
 真奈は僕の腕に自分の両腕を絡め、二の腕を胸で包むようにした。
「すっごいやらかい‥‥」
 この淫靡な行為をなるだけ引き伸ばそうと、手の動きを緩める。
「胸をつけて」と言ったが、本当の目的はそれではない。真奈に抱きつかれた腕の先の手は、今、真奈のふとももの上だ。僕は、ためらうことなくレースの三角布に手を這わせた。
「きゃぁっ、祐ちゃん!?」
「イイでしょ? 俺だけ気持ちくなるのは悪いし」
「ダメだよ‥‥」
 僕の手が動かないように、ギュッと押さえ付ける真奈の頬は桜色に染まっている。
「真奈のエッチな声聞きながら‥‥イキたいんだよ」
 耳元に口を寄せ、わざと息を吹き込むように囁いた。耳が性感帯だと分かっていて、そうした。
 真奈の返事は無かったが、僕の手を押さえる力が弱まったのは「イエス」ととらえて良いだろう。僕はふとももの間に手を進め、中指が割れ目に届いたのを感じた。
「真奈‥‥湿ってるよ」
 驚いたことにそこは湿り気をおび、布の向こうがどうなりつつあるか、僕に教えてくれた。
「‥‥見てたら‥‥感じちゃったよ‥‥」
 僕の左肩にコツンと額をつけて、真奈が恥ずかしそうに言った。僕は迷わず真奈の秘部をまさぐった。自分のそれを右手でしごきながら、左手の中指を真奈の割れ目に這わせる。
「あっ‥‥あぁん」
 もどかしげな声をあげる真奈は、微かにふとももに隙間を作り、僕の指を受け入れてくれた。中指に感じる淫らな湿度は、往復する度に上がり、僕を興奮させた。
「あぁっ‥‥はぁ‥‥祐ちゃん‥‥」
 切なそうに僕の名前を呼び、ギュッと腕を抱き締める真奈。
「はぁ‥‥真奈、気持ちいいよ。もっと声聞かせて」
 握った先からはとめどなく男の蜜液が溢れ、すでにグチュグチュとしごく度に音を立てる。僕は、真奈のパンティが布越しにも水気を感じるほどになったのを感じ、じらすことなく上から手を差し入れた。
「あんっ! あっ‥‥あぁ」
 驚きの声が甘く変わる。僕の指先は回り道をすることなく真奈の核心に触れたのだ。それはすっかり膨らみ、僕のものと同じ様に固く充血していた。中指から伝わるその存在が、いっそう僕を興奮させる。
「真奈のここ、ぷっくり膨れてるよ‥‥」
 声に出すことで、自分自身の性感の高まりが分かる。
「い、言わないでぇ‥‥」
 真奈の声が震えた。
「イイくせに‥‥」
 僕はヌルヌルになった熱い固まりをしごきながら、同じように真奈の芯をしごいてやる。
「あっあっあぁ! はぁん!」
「はぁはぁ真奈‥‥そんなに声あげて‥‥んっ」
 間近で聞く真奈の声が体に響き、快感が中心へと送り込まれる。ヌメヌメと光る頭から、段差を滑り降りる感覚が全身を駆ける。
「んん真奈‥‥真奈‥‥」
 きっとうわ言のように、何度も名前を呼んでいただろう。快感の波が音を立て始めているのが分かった。
「真奈、俺の前に立って‥‥」
「えっ‥‥うん」
 目の前に真奈が立つと、僕はブラジャーを取り、一気にパンティを引き下ろした。少々乱暴だったに違いない。
「きゃぁ!」
 真奈は驚いた様子だが、僕はおかまいなしだ。目の上にくる白い乳房に顔を埋め、左手を真奈の腰に回す。柔らかい胸とおしりの感触を味わいながら、自分自身に刺激を与え続けた。
「あぁ、真奈‥‥すげぇ気持ちいいよ‥‥」
「ん‥‥祐ちゃん‥‥」
 思わず赤みをおびた乳首を口に含み、舌先でこねくり回し、吸い立てる。
「あぁん! だめぇっ」
 きっとおしりに回した左手にも力が入っていたはずだ。
 恋人の体を思い切り貪りながら、自慰行為に没頭している。このあまりに淫らな状況に僕は完全に溺れた。
「あぁぁっ! 祐ちゃん! だめぇ」
 僕は左手をおしりから離し、下から垂直に真奈の中を中指で犯したのだ。そこは熱く熱く潤み、開かれた花弁を伝い、愛液が手のひらに溢れてくる程だった。中指を曲げ、ざらついた天井ばかりを攻める僕。
「あっあっあぁ、祐ちゃん‥‥祐ちゃん‥‥」
 僕は口に乳首を含み、右手で自分自身を握り、左手を真奈の蜜で濡らして、快感の渦に巻き込まれる寸前だった。
「あぁぁ真奈! いきそう」
「祐ちゃんっだめぇ! 真奈もいっちゃう!」
 真奈が僕の両肩を掴み、必死で立っていようとする。自分と真奈を絶頂に導くためにつむがれる、グチュグチュという淫音が響き渡る。
「あっあっ真奈! いく! んっ‥‥くぁ!」
「いくっいくぅ! んぁぁっ!」
 握った棒はビクビクと跳ね、真奈の足の間を抜けて、床に熱い精液を思い切り吐き出した。真奈は体を震わせながら、僕にしなだれかかってきた。
「はぁ‥‥真奈、大丈夫?」
「ん‥‥ぅ‥‥」
 荒く息をしながら、真奈の目は開かない。
 僕はそのまま真奈をソファに横たえ、後を片付けた。

(すごいことしちゃったなぁ‥‥)
 ようやく落ち着いたらしい真奈を見つめながら思う。
「‥‥しょっと!」
 裸の真奈を抱え上げ、そのままベッドまで運ぶと、真奈の目がゆっくり開いた。
「お前は病人か?」
「えっ! あ‥‥また?」
 自分が絶頂を迎え、失神状態になったことに気付いたようで、真奈はばつが悪そうに笑った。
「死なないでくださいよ?」
 頭をくしゃっと撫でて言うと、真奈は照れ笑いしながら答えてくれた。
「おっけー」
 真っ暗な部屋で布団に入り、小さな声でする他愛ない会話。その最後に真奈がこう言った。
「祐ちゃん」
「ん?」
「私、祐ちゃんに会ってから、大人になれたかな?」
「ははっ。どうでしょ?」
 つい笑ってしまう。
「まだまだ子供かもしれないけどさ、私、大人になるからね。祐ちゃんと一緒に」
「‥‥おぅ」
 暗闇の中で僕らは笑い、どちらからともなく手をつないだ。
 どんなに忙しくても、ずっとこいつとの『二人の時間』が続きますように。

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