何故か夜中に目が覚めた。 散歩がてら、自分が通う学校の方へ何気なく歩いていった賢一は、不振な音を耳にする。 ガチャガチャというその音は、フェンスを掴んで揺り動かすような音だった。 「何だろう?こっちか。」 音は学校の……
何故か夜中に目が覚めた。 散歩がてら、自分が通う学校の方へ何気なく歩いていった賢一は、不振な音を耳にする。 ガチャガチャというその音は、フェンスを掴んで揺り動かすような音だった。 「何だろう?こっちか。」 音は学校の……
深夜遅く、豊田雄太(ゆうた)はテレビのアニメ番組を見ていた。深夜アニメとはいえ、ファンの絶大な支持を得ている人気アニメである。アニメ好きな雄太は毎日のようにこうして深夜アニメを楽しんでいるのだが、アニメによっては気持ちが……
いよいよ最終段階だ。ここでしくじったら、1週間が水の泡。せっかくの今日からの旅行も憂鬱なものになってしまう。 今、僕の目の前には丸く平べったい寒天プレートがあり、その表面には、3日間、丹念に愛情込めて育てた大腸菌がびっ……
オンライン小説というものがある。人によっては、ネット小説だったり、ウェブ小説だったりと呼び名は様々だが、要はネット上で公開されている小説のこと。ネットに繋がりさえすれば、通常は無料で閲覧することができる。それらオンライン……
電車に揺られながら大学へ向かう。席が空いていないので、窓際に立っている。窓外は晴れ渡っている。秀秋と窓の間に明奈。 「ねえ、痴漢ごっこしようよ」 スリル満点の野外プレイが大好きな彼女は、目を輝かせて懇願する。 「いいけど……
僕にはセフレがいる。彼女の名前は坂本七海。一昨年高校を卒業して、大学進学と同時に風俗の世界へ足を踏み入れたらしい。ルックス、スタイル共に抜群な上、愛嬌満点でサービス精神旺盛な彼女はあっと言う間に勤務先の看板嬢となった。風……
朝起きると、僕は必ず決まったテレビ番組を見る。朝7時から始まる30分のニュース番組である。視聴率を競う他社番組を圧倒する人気番組。但し、その人気は番組の構成力や情報量に因るものではなく、ましてや下品な芸能人コメンテーター……
都内某所 僕は唇を強く噛んだ。一線を越えたかと思った瞬間、血の味が口の中に広がる。チームメンバー全員が集った朝のミーティングで、3歳年下の女に罵倒された。今、自席でパソコンのモニターを眺めながら、ついさっきの出来事を思い……
都内某所 瑞希(みずき)は私の奴隷だ。歳は十八、Eカップ。亜麻色のショートヘア。お姉さんタイプではなく、アイドル顔。これだけの条件が揃えば、大抵の場合、何の苦労もなくチヤホヤされる。しかし、彼女はチヤホヤされることはない……
都内某所。 俺の名はユウト。定職に就いていない。俺の彼女の希美は都内で働くキャバ嬢で、毎月彼女から小遣いをもらっている。要するに『ヒモ』だ。『ヒモ』であることに後ろめたさはないし、彼女から望んだ関係なんだから文句を言われ……