1. その日、英知は寝坊をしていつもより電車を一本遅らせた。春の景色にぼんやりと窓の外を眺めていると、息を切らせて走ってきた女の子が目に入る。ホームに強めの風が吹き、駅の脇に咲いていた藤の花びらがはらはらっと舞うと、ふ……
1. その日、英知は寝坊をしていつもより電車を一本遅らせた。春の景色にぼんやりと窓の外を眺めていると、息を切らせて走ってきた女の子が目に入る。ホームに強めの風が吹き、駅の脇に咲いていた藤の花びらがはらはらっと舞うと、ふ……
もう、急に降るんだから‥‥ 雨の音がまとわりつく。私はバイト帰りにコンビニに駆け込んだ。 いつも買ってる雑誌に見なれた顏。 「高史‥‥」 そう心でつぶやいた。 高史のモデル事務所に履歴書を送ったのは私だ。高史の夢……
私、星野香織は23歳のOLです。 私にとって“セックス”は、嫌いじゃないけど別にしなくてもいい、ただ彼とイチャイチャしてるだけで幸せって感じだったんです。彼もそんな私で満足してくれているって思っていました。 彼、田……
1. ピンポーン── 「‥‥んっ?今はぁ‥‥1時かぁ。まぁまぁ寝たな‥‥。はぁーい。」 彼は目をしばたかせながら、むっくりと起き上がった。昼下がりの光が部屋にさんさんとさしこんでいる。 「おーい。カヲルー。いますかぁ……
私がメイドとして今のご主人さまにご奉仕するようになって3ヶ月が経ちました。今では3ヶ月前の状態からは想像もできないような幸せな毎日を送っています。 久田早苗(さなえ)。これが私の名前です。昨年短大を卒業したものの、不景気……
1. ‥‥ほらほら早く、って声がしたんだ。 こんなに天気がいいのに遊びに行かないなんて、勿体無いじゃない、ってね‥‥ ※ 今日はバイトも無いし、洗濯機も一杯になってない。 当然、朝からベッドに入り浸り。 暇つぶ……
「はぁ~ドキドキするなぁ‥‥」 私、里谷まひる。19歳。私いま、彼氏の部屋のドアの前でつっ立ってるんだけど、なかなかドアベルが押せないの。だって、今日が初訪問なんだもん。 あぁ~、どうしよう?ドアの向こう側に、私を待……
「──じゃあ、サード入れてみようか」 「あ、ハイ‥」 私、井川璃瑠。今、免許を取るために猛特訓中。路上教習はやっぱりドキドキしちゃう。 今日の指導教官は他より若くて、歳が近いせいか会話も弾む。 「璃瑠チャンだっけ? ……
「おはよう」 「はよ茜。待った?」 「ううん、大丈夫。‥‥ちょっとその足どうしたの? 凄い泥だらけだよ」 「いやぁ、ちょっとどぶにはまって」 「はぁ? どぶ?」 普通二十歳の男がどぶにはまるかと呆れ返る。だがこんなこと……
「は~ぁ」 裕貴はため息をついた。ここ一ヶ月ずっと右手が恋人だ。 「何だよ、もおぉっ」 ベッドに大の字になって寝ころぶ。 自慢じゃないけど、俺は結構モテる。とゆーか、女の子に不自由した事がない。だからエッチの相手位……