Four Pieces of Green Fruit7

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アダルトな読み物のお部屋

Four Pieces of Green Fruit7
2021年07月27日 00時37分
DUGA
フォーディメンション

るりは楢崎くんの自転車の後ろで、夢見心地だった。

 通り過ぎていく夜の家々が、街灯が、たとえようもないほどきれいに見える。

 こんなの、すごい大冒険だ。真夜中に男の子の家に行くなんて、まるで映画のなかのできごとのようだ。

 大通りを走り、路地に入り、八百屋の角を曲がった。楢崎くんの家は、もう目と鼻の先だ。

「あ」

 るりは小さな声をあげた。

「どした? 足痛い?」

 楢崎くんが、チラッと振り返った。

「ううん、何でもない」

 るりは首を振ったが、何でもない、なんてことは全然ない。

重大な問題に、今気づいたのだ。

 そう、オフロに入っていないのである。お医者さんから、今日はオフロに入らないでね、と止められてしまったからだ。山登りで汚れた体が気持ち悪かったので、絞ったタオルで全身を拭いたけれど、エッチの前にはシャワーというのがルールではないのだろうか。

 困った、超困った、と焦っているうちに、ついに家に着いてしまった。

「ちょっと待って」

 楢崎くんは玄関の戸を開けると、また戻ってきて、るりを抱えあげた。お姫様だっこである。

 うきゃー恥ずかしい、と心のなかで悲鳴をあげる。

 もう卒倒しそうなほどドキドキしている。玄関でいったん降ろされると、サンダルを脱がされ、また抱き上げられた。楢崎くんはゆっくりと階段を登り始めた。今日はお部屋に直行らしい。

 —— あ~どうしよう、フケツな女のコだって思われるくらいなら、二階から飛び降りて死ぬ!

 二階から飛び降りたくらいで死ぬか。足の捻挫が骨折に変わるだけだ、このバカ、と言ったのは、るりの頭のなかの遥だった。

楢崎くんは器用に自室のドアを開け、るりをベッドの上にそっと降ろした。

「えと・・お茶とか飲む?」

「あ・・ううん、いらない」

「ん、でも、何か持ってくるよ。俺、なんかこう」

 廊下の明かりだけが入る薄暗い部屋のなかで、楢崎くんは胸のあたりを手でおさえて苦笑いをした。ドキドキしているのは彼も同じなのだ。

 部屋を出ていった楢崎くんは、二つのマグカップにミルクティーを淹れて戻ってきた。ベッドに腰掛けたまま、黙ってそれを飲む。緊張しすぎて、何の味もしない。

「じゃ、カテキョーしよっか」

 楢崎くんが言った。

「ええっ?」

「うそ」

 楢崎くんはクスッと笑った。

るりの手からカップを取ると机の上に置き、楢崎くんの手がるりの胴にまわった。るりは目を閉じた。彼の唇がそっと触れただけで抵抗不可、もろ手をあげて降参します状態になってしまう。

 さっきのキスはすごかった。ディープキスは何度もしたことがあるとはいえ、あんな激しいキスなんて未経験だ。すごく、すごく嬉しかった。

 体がナナメになっていき、ベッドに横たえられる。セーターの胸が、楢崎くんの手に覆われて暖かくなった。

「あ・・」

「あんま動かないで。ケガに障るし」

 優しい動きで、セーターを脱がされる。ブラのホックをはずされると、もう意識はブラックアウト寸前だ。

 楢崎くんの頭が下がっていき、るりの乳首を唇のなかに含んだ。

「あっ・・ん」

 顔がカッと熱くなった。

 もうダメだ。

 キモチいいとか、感じるとか、そういう快感以前に、るりに異常なほど興奮してしまう。楢崎くんの唇、しっかりとした骨のながい指が、自分に触れているという事実に、惑乱してしまうのだ。アソコからにじみ出る熱いものが、もうパンティーを汚している。

 神様。汗臭くありませんように。

 あと、胸がちっちゃいとか、そんなことを楢崎くんが思っていませんように。

 るりの胸はそれほど貧乳ではないのだが、大きいとも言いがたい微妙なサイズだ。つまり、ここでも「フツー」なのである。遥みたいにおっきければいいのに、と考えてしまうが、楢崎くんの愛撫が、るりの思考を断続的にとめてしまう。

「なら・・さき、くん・・」

 るりは彼の背中に手を回した。Tシャツを着たままだ。

どうしても肌に直接触れたかったので、ためらいながらTシャツの裾を引き上げた。楢崎くんはすぐに了解し、自分でそれを脱ぎ、上半身裸になった。

一見細身に見えるが、彼は着やせする。肩や胸や腕、そしてお腹にもしなやかな筋肉のついた体は、「男の子」なんて呼べないくらい大人びていて、グラリとめまいがするほどだ。

それに引き比べ、自分の体はなんだかキューピー体型というか、まだまだ「発展途上国」なので(これからどうにかなるとは思いたいが)、るりはやたらに悲しくなった。

「ん・・何、考えてる?」

 楢崎くんが聞いた。愛撫の手をとめ、顔と顔を間近にあわせた。

「なんにも・・」

「うそ。なんか、めっちゃ泣きそうに見えるんだけど」

「違うって」

「イヤ?」

「そうじゃなくて・・違う」

 るりは掛け布団で胸を隠しながら横を向いたが、顎を掴まれて引き戻された。

「ちゃんと言って。じゃなきゃ、わかんない」

 このコンプレックスを口に出せというのだろうか。ついでにお風呂に入っていない、この体のことも。

「なら、楢崎くんって、ステキだなーって・・」

 るりはモゴモゴと口のなかでつぶやいた。

「でも、その、なんかあたしって」

「あーあー、ストップ」

 楢崎くんは笑って、るりの鼻のアタマにキスをした。

「あのね、俺はさ、るりがマジでそーゆー風に思ってるなんて、かなりびっくりした」

「え」

「えぇっとね・・一度しか言わないから、ちゃんと聞いてろよ」

 楢崎くんは、う、うん、とちょっとワザとらしい咳払いをしてから、はっきりとした口調で言った。

「るりは日本で一番可愛い、と俺は思います」

 目がぱちぱちと、何度も瞬いた。

彼は今、ものすごく恥ずかしいのだとわかった。そして、それはるりも同じだったのだが、鼻の奥が熱くなり、じわじわっと涙が出てしまった。

「ホント?」

「ホント」

「でもそれってきっと・・」

 るりは泣きながらも、この間覚えた英語をつぶやいて笑った。

「ラブ・イズ・ブラインドなのかも」

「視力2.0だよ、俺は」

 楢崎くんは、少しムキになったみたいに答えた。

 本当はもっと優しく、カッコよく、言葉を尽くして彼女をほめてあげたいのだが、今日の俺にはこれが限界だ、と洋輔はるりにキスをしながら考えた。いくらベッドの上とはいえ、やはり照れくさくてしょうがない。

 可愛いと言ったのは、もちろん顔だけのことじゃない。性格も、しぐさも、しゃべりも、表情のひとつひとつに至るまで、磯村るりという女の子は、空恐ろしいほどに可愛いのである。単なる主観じゃなくて、これはもう厳然たる事実なのだ。

楢崎くんってモテるし、とか、女の子慣れしてるし、とか、るりはたまに口に出すが、じゃあ自分はどうなんだよ、と言いたくなる。るりが今まで二年や三年の男に何度コクられたか、こっちが知らないとでも思っているのだろうか。

 そんなことを考えているうちに、洋輔はなんだかおかしくなってしまった。

 似たもの同士だ。

不安を口に出せなくて、まるでボクシングの試合みたいにジャブばかり繰り出して、相手の周りを、いたずらにぐるぐる回っていたのだ。

 洋輔はるりのスカートに手をかけた。彼女の服を脱がせるのは久しぶりだ。なんだか、きれいなお人形の服を脱がせるみたいな背徳感にドキドキする。

「あの・・あの、楢崎くん」

 るりが切羽詰った声を出した。

「ん」

「あのね、あたし今日」

 お風呂入れなくて、入ってないの・・とるりはやっと聞き取れる小声で囁いた。顔がまっかっかになっている。

「いいよそんなん」

「よくないよ~」

「別に臭くないし」

「『臭い』とか言うな~!」

 ぼかぼかと頭を叩かれ、洋輔は噴き出した。

「えぇっと・・それを言うならさ、俺もTシャツにでっかい穴開いてるよ」

 なぜだか、ケロッと口に出せた。

「えっ?」

「ホラ」

 洋輔は脱ぎ捨てたTシャツを取り、穴に指を入れてみせた。

「うち、母親が留守がちだしね、脇の下の縫い目んとこ、やぶけてんだけど着てる」

 るりはキョトンとした後、笑った。

「言ってくれれば、あたしが縫うのに」

「ホント? なんか腕とか上にあげられなくて困ってたんだよな」

 ちなみに靴下も、たまにパンツさえ困った状態だったりもするのだが、今は黙っていよう。

「とにかく、風呂のことは気にしなくていいから」

 臭くないし、ともう一度からかってみると、るりは本気で怒ったが、やがてケラケラと笑い出し、洋輔も笑い、しっかりと抱き合った。

 抱き合いながら、るりのスカートを脱がせてしまうと、ピンクのパンティーがあらわれた。つるつるした生地を撫で、手を深いところにもぐりこませると、洋輔の指の下のそれは、ドクッと波を打った。

「や・・」

 るりは、もじもじと太ももをこすり合わせたが、構わずに触り続ける。布越しでも濡れているような感じだが、自分の指の汗なのかもしれない。かなり興奮してきた。洋輔はジーンズのチャックを降ろし、張りつめたものを少し楽にした。

 早く、るりの体が見たかった。

 パンティを脱がせようとした洋輔の手を、るりが押さえた。

「自分で脱ぐから・・」

「ケガしてる人は寝ててください」

 膝まで降ろしてから、真っ白なお腹の下にある、淡いヘアを指で掬った。子供みたいに細く柔らかな毛だ。パンティを足首から抜き、るりの脚の間に体を割り込ませる。一円玉みたいに小さな乳輪のまわりを舐めながら、もう一方の手で、探り当てたクリトリスを触った。

「あっ・・んん」

 乳房を掴み、ころころと硬くなった乳首を強めに吸うと、るりが顔を背けた。背中がくっと浮き上がり、震えがこっちにも伝わった。

「あ・・あふ・・」

 あっというまに、洋輔の指が愛液で水浸しになった。

ペニスが痛いほどに膨張している。興奮のあまり、息が弾む。一刻も早く挿入したくてたまらないが、もう少し彼女の体を触りたいし、触ってあげたい。

やわらかな胸への愛撫と、クリトリスへの攻撃を続けると、るりはつややかな声を何度もあげた。両腕でしがみついてくる。ヒダに指をそろそろと這わせ、中指を濡れたスリットのなかに埋めた。

「ひゃ・・あ、あん!」

 お人形みたいな顔が、エロティックに歪む。

洋輔の宝物は、こんなに感じやすい体を持っているのだ。腕のなかで抱いているだけでは、彼女はこんな甘い声をあげてくれない。

—– あいつは隠れインランで、いつもお前に抱かれたくて、うずうずしてるような女だ。

榎本の言葉が胸をよぎる。

だが、「隠れ」だろうと「おおっぴら」だろうと、どうでもいい。るりをインランにできるのは、たぶんこの俺だけなんだし、と洋輔は自惚れて考えた。

あれをしてみようかな、と思った。

 ちょっとやってみたいとは思っていたのだが、まだ経験はない。前の彼女の奈美にだって、こんなことをしたことなどなかった。

 洋輔はドキドキしながら体をずらし、るりの股間にまで顔を下げていった。

「あっ、ダメ!」

 楢崎くんが何をしようとしているかわかったので、るりはとっさに手で彼の頭を掴んで、やめさせようとした。

怖い。恥ずかしい。ていうかお風呂に入っていない。そりゃ確かにアソコだってタオルで拭いたけど、拭いただけなのだ。

「ダメ・・ダメ、ほんと、ダメ」

「ダメじゃない」

 逃げようとした腰を、両手でガッチリと抱えられた。彼の息がヘアにかかった。

「やだ、楢崎くん、やなの、だめだって」

 るりは半泣きになった。だが、楢崎くんはあまりに強引だった。舌の熱さをそこに感じたとたん、るりは叫んでしまった。

いたたまれなさに、手で顔を覆う。

 チュルチュルと音がする。

楢崎くんの舌でアソコが押し開かれ、侵略されていく。楢崎くんの顔が、るりの股間で動いている。アソコがキュウッと縮み、緩み、ほとばしる。とてつもない快楽の波に襲われ、るりは声を何度もあげた。

「ぁ、あっ、ひぁ・・だめっ、だめ」

 だめなんかじゃない。もっとしてほしい。でも、やっぱりだめ。気持ちいい。もう、イッてしまう。

 相反する思考が交錯して、渦を巻いた滝つぼに放り込まれたような気がした。こんなところを舐められるなんて、それがこんなにキモチいいなんて、少しも知らなかった。

「あん、い・・あ・・ああ」

 執拗にクリトリスを擦り上げられ、るりはガクガクと震えた。もう、絶頂がすぐそこまできている。

「あぁ、ん、ん、あたし・・もう・・あっ!」

 あと数秒、というところで、ぱたっと攻撃がやんだ。

「あ」

 理性がパキッと壊れて、宇宙空間に飛んでいった。

「いや・・やめ・・ないで、お願い」

 るりの顔までノソノソと戻ってきた彼に、しがみついた。恥ずかしいのに、おねだりの言葉をとめられない。

「やめちゃ、や。楢崎くん、ねえ・・」

「さっきはやめてって言ったくせに・・」

 楢崎くんは、かなり苦しそうに笑うと、ケガをしていないほうの左足を抱えあげ、るりの中に押し入ってきた。

「ひあっ、ああっ!」

 圧迫感に、背中がのけぞった。

 みるみるうちに、体のなかが異物でいっぱいになっていく。

 こんなことは初めてだ。

 彼はいつも、「いい?」と聞いてから、コンドームをつけ、静かに挿入してくれていたのだ。

「は・・あ・・あ、あ」

 衝撃に耐え切れず、涙が流れた。楢崎くんの腕が肩に回り、きつく抱かれた。

「ごめん」

 楢崎くんは、るりの耳元で謝った。

「外で出すから心配しないで」

「ん・・ううん」

 るりは首を振った。まだ少しも動いていないのに、じぃんと痺れるような快感が広がっていく。

「楢崎君くんが・・キモチいいふうに、して」

 この間、友達が話していたことを、るりはうっすらと思い出していた。

彼氏がそうしたがるから、たいがい中で出してるけど、妊娠とかゼンゼンしないよ~って。彼女は遥みたいにピルを飲んでいるわけじゃないのに、たしかそう自信ありげに言っていたと思う。

「あのねー、そういう問題じゃないんだよ」

 楢崎くんは説教するような口ぶりになった。こんなエッチな格好で挿入しているのに、なんだかヘンだ。

「今度そーゆーことさ、ちゃんと相談しよ。でも今日は外で出します。綱渡りなんて、誰がさせられるかって・・」

 最後は独り言のようだった。

 ああ、もう、彼は優しすぎる。

 るりは、ふえ~んと声をあげて、泣き出しそうになった。

どうしてこんなに優しいのだろうか。

こんな人を、絶対に、一生嫌いになることなんかできない。あたしは一生、囚われの身だ。恋の牢獄だ。モテすぎる彼に恋焦がれたまま、あたしはおばあさんになるのだ・・と、るりの思考は支離滅裂な方向に流れていった。

 幸せのあまり混乱しているるりの上で、楢崎くんは動き始めた。

「あっ・・」

 ズン、と重い刺激が股間に走る。

るりはまだ、挿入でイッたことがない。

ちなみに、楢崎くんにフェラチオをしてあげたことも、まだない。

彼はいつも、天地無用の壊れ物をそっと運ぶみたいに、るりの体を扱ってくれた。人のことばかり考えて、自分の体などまるで存在しないかのようにふるまう彼のことが、るりは少し悲しかった。

 けれど、今日は少し違う。

 楢崎くんは息を弾ませながら、気持ちよさそうに目を閉じたり、開いたりしている。ベッドがキシキシと鳴るくらいに、るりの体を揺さぶっている。

 しっかりとした腕に抱かれて、切ないほどの嬉しさが胸にこみあげる。

 もっともっと、キモチよくさせてあげられたらいいのに。

 あたしの中で、楢崎くんを包み込んであげられればいいのに。

 そう願いながら、るりは目を閉じた。

 挿入での快楽を、るりは生まれてはじめて得ようとしていた。

 彼のペニスが、ものすごく感じやすいところを擦るたびに、声が漏れる。

「や・・あん、あっ・・」

 自然に腰が動いた。

楢崎くんの体をもっと感じたくて、感じさせてあげたくて、彼にあわせて体を動かす。さっきまでかすかに意識していた手や足の痛みなど、きれいさっぱり吹っ飛んでしまった。

「いい・・よ、ん・・!」

 楢崎くんが呻いた。

 はあ、はあ、と激しい息が、るりの耳をくすぐる。

「あ・・あん・・ああ」

 るりは動き続けた。

 視界がモヤモヤしてきた。彼に規則正しく突かれながら、アソコの奥から何かがせりあがってくるのがわかる。

 誰かがタタタッとるりの背骨を弾いたように、「それ」はいきなりやってきた。

「あ・・いや、いや、来る。なんか、来る!」

 るりは首をねじった。

 言葉が勝手に唇から飛び出してくる。

「あ、イキ・・そう?」

 楢崎くんの翻訳に、るりは何度もうなずいた。

 楢崎くんは、スピードを速めた。アソコが、ぐちゃぐちゃに突き上げられていく。

「あっ・・やぁっ、ぁんん、ん!!」

 苦しくて、キモチよくて、無我夢中で楢崎くんにしがみつく。足の先までジンジンする。

 幾重もの薄いベールに包まれた。

 体がふわあっと持ち上がり、楢崎くんの名前を呼んだその瞬間、るりは絶頂に達した。

気がついたときには、楢崎くんがティッシュで、るりの右胸を拭いていた。

「ヘ、ヘンなとこ飛んじゃって・・」

 バツが悪そうに言い訳しながらティッシュを捨てると、ベッドに横たわり、ふたりの体に布団をかぶせた。るりはフニャフニャする体をなんとか動かして、彼にぴったりとくっついた。涙が出てきた。今日はなんだか、泣いてばかりいるような気がする。

「なんか・・良かった。超」

 るりの髪を撫でながら、楢崎くんが言った。

 良すぎたよう・・とるりは胸のなかでつぶやいた。

 こんなことを知ってしまったら、ますますインランになってしまう。彼に抱いてもらいたくて、二十四時間モノ欲しそうな顔をしてるコになってしまう・・・。

「るり・・」

 楢崎くんに呼ばれて、るりは涙目で見上げた。

「もう少ししたら帰んなきゃね。バレたら大変だしさ」

「えっ」

「えって・・だってもう、夜中の二時だよ?」

「やだ、そんなの」

 そんなの冷たい。このイジワル、と思うそばから、涙がじわっと溢れた。

「帰んない。ずっとここにいる」

 るりはガバッと伏せて、枕にしがみついた。

「ダメだって」

「やだ、やだ、ここにいる、ここに住む」

「はあ?」

「ぜったい、ぜったい、ぜーったい、テコでも帰りませんっ」

「なに言ってんのもぉ~。ワガママだなぁ~」

 楢崎君はブッと噴きだし、ゲラゲラと笑った。今まで見たこともない、遠慮のカケラもない笑い方だったので、るりもつられて泣き笑いをしてしまった。

「でも」

 楢崎くんはクックッと笑いながら、るりの頭を軽く二回叩いた。

「今日はダメ。次回は泊まって」

「次回?」

「うん」

 楢崎くんは、るりのおでこにキスをした。

「まさか彼氏んちに行くとは言えないだろーけどさ・・なんとか言い訳して、ここに泊まってほしい。俺だって朝まで一緒にいたいもん」

 照れも何もかなぐりすてました、というような無邪気な表情が、るりの目の前で優しい微笑みに変わっていく。

「・・・はい」

 るりは素直にうなずいた。

「はい・・ありがとう」

 なぜかお礼を口にすると、るりはまたぽろぽろと泣き出してしまった。

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