「もしもし?大丈夫ですか?」
ハッと我にかえった私の前に、アパートの隣の部屋に住んでいる男性が立っていました。
アパートのドアの前で突っ立っている私の様子がおかしいので、声をかけてきたのです。
「なんだか物凄く汗をかいてますよ?息も荒いし・・・ 具合でも悪いんですか?」
「いぇ・・ 大丈夫です。何でもありませんから・・・」
軽く会釈をして、逃げるように部屋に入った私は、冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出し、グビグビと一気に飲み干すと、そのままソファーに倒れこみました。
身体は冷や汗だらけで下着までグッショリと濡れています。今すぐ汗を流したいという気持ちはあるのですが、シャワーに立つ気にはなれませんでした。
「私・・・、気が変になっちゃったのかしら・・・。」
通路で突っ立ったままハァハァ息を切らし、汗まみれになっていたのは、卑猥な妄想に浸っていたからなのです。隣人の姿をみたとたん、現実と妄想の区別がつかなくなり、隣人と通路で絡み合っている妄想をしていたのでした。
異常にリアルな妄想で、隣人の肌の暖かさも、汗の匂いも、唇の味も、男根を握った感触でさえ現実と変わらないほどリアルな感覚が残っているのです。もちろんそんな恥ずかしい事、言えるはずありません。
近頃の悩みは、イヤらしい妄想をする癖がでてきてしまったことです。子供の頃から、多少は妄想を楽しんでいたことはありますが、なぜか一日中淫らな妄想をするようになってしまったのでした。
仕事中でもボーッとしていることが多くなり、ミスも多く、上司からも頻繁に叱られてしまいます。
(しばらく彼氏がいないから・・・欲求不満なのね・・・)
右手はいつの間にかスカートの中にもぐりこんで、パンティー越しに女性器に触れています。股間の中心部に淫らな染みをできているのが触感でわかりました。パンティーの裾から指を滑り込ませると、淫液でヌルヌルになった女性器と、その上部で固く勃起しているクリトリスが、激しい刺激を待ち焦がれています。
最近すっかり日課になってしまったオナニーに耽っていた私は、いつの間にかウトウトとして、そのまま眠りについてしまったようです。
目が覚めたのは、お昼近くになってからでした。完全に遅刻です。携帯電話を見ると、会社からの着信履歴が何件も入っていました。
(今月はこれで2回目ね・・・)
今頃会社に行ったところで、嫌味な上司にネチネチと小言を言われるに決まっています。憂鬱な気分でしばらく考え込んでいましたが、最近の妄想癖のことも気になり、生活リズムの変換をすることにしました。
「しばらく仕事は休もう!最近の妄想癖は仕事のしすぎが原因なのかもしれないし、休暇が必要なのよ。」
早速会社に電話をして、体調不良の為の休職を一方的に告げた後、会社の電話番号を着信拒否設定にした私は、ソファーに身体を埋めながら、休暇の使い道を考えてみました。
「旅行に行こうかしら。どっかの温泉に一人旅!それとも思いっきりブランド品を買いあさりに・・・ グゥゥ~」
お腹の底から響いたサインは、やっと自分が空腹だったことに気づかせてくれました。そういえば夕べは水を飲んだだけで何も食べていません。
「とりあえずコンビニで買出しね、休暇計画はその後!」
アパートを飛び出した私は、コンビニまでの道を辿りながら、何を買おうか考えていました。
「そーだ!ビッグフランクを買おう!今月から売り出した新商品で、すっごく太いのよね・・・」
(ビッグフランク・・・ 太い・・・)
頭の中に、白い霧のようなものが立ち込めてきたような気がしました。
路上に立っている私。
すれ違う通行人はまるで私の身体が見えていないかのように通り過ぎていきます。
私の右手にはビッグフランクが握り締められていました。
うっとりとした表情で口元に近づけた太いモノを、私は舌を伸ばして舐めまわします。
舌先にのるケチャップの酸っぱさとマスタードの辛さが、鼻の奥をツンと刺激しました。
興奮した私は、ビッグフランクをスッポリと口に含み、ゆっくりと顔を上下させていきます。
唾液が口元から零れ、ビッグフランクに刺さっている棒を伝って、右手を濡らしていきます。
もう我慢できない・・・ アソコに入れたい・・・
路上でブラウスを引き裂いた私は、露になった乳房を力いっぱい握り締めます。
その場にしゃがみ込み、スカートを捲り上げた私は、ビッグフランクを熱く潤った女性器に当てると・・・・
「プップーーーーーーーーーッ!!」
後ろから迫ってきた車が、私の直ぐ横をクラクションを鳴らしながら走り去っていきました。道の真ん中でボーっとしていた私に、ドライバーが大声で罵声を浴びせかけています。
(また妄想に耽っていたのね・・・)
最近こんな調子で、何かの拍子に妄想に耽ってしまうのです。これでは仕事がはかどるはずがありません。しばらく考え込んでいた私でしたが、空腹を思い出しました。
「とりあえず・・・ビッグフランクを買いにいこう。」
コンビニで念願のビッグフランクを買った私は、路上でほお張りながら歩いています。租借した肉が喉元を通ると、やっと人心地ついた気がしました。
(こんな美味しいものをアソコに入れようとしちゃうなんて・・・私って変態なのかしら・・・)
お腹が空いていた私は、大きなフランクフルトをあっという間にたいらげてしまいました。いつもなら、これだけ食べればお腹がいっぱいになるのに、今日はなんだか物足りない気分です。
(もう一本買っておけばよかったわ。)
「ビッグフランクならここにありますよ。」
目の前から歩いてきた白いポロシャツを着た男性が、私にいきなり声をかけてきました。そして、いきなりズボンとブリーフをずり下げたのです。
男性の股間にぶら下がっていたものは、確かにビッグフランクでした。ホカホカと湯気を立て、先端から肉汁をポタポタと滴らせています。
「欲しいんでしょ?さぁ近くに来て、遠慮しないで。」
言われるがままにフラフラと近づいた私は、男性の前で膝をつきました。目の前でそそり立つビッグフランクをギュっと握り締めると、掌を通して暖かさが伝わってきます。
先端から零れている肉汁を手に取ると、ケチャップとマスタードを混ぜながらビッグフランクに擦り付けていきます。手でシコシコと扱き上げると、ビッグフランクはますますビッグになっていくようでした。そして、黒光りした男根へと変化していくのです。
男根の先端には、カウパー液が漏れている切れ目が見えました。舌先を先端の切れ目に差し込むと、男性がウッと呻いて腰を引きます。逃げる男根を口で追い、今度は喉の奥まで咥えこみました。口の中のモノはドンドンと硬度を増してきます。私の股間の奥から熱いものがジワリと滲んできたのが感触で分かります。
「下の口で食べさせて・・・」
硬く勃起した男根を唇から離した私は、ウットリとした眼差しで白いポロシャツの男性を見上げました。
道路の中央で仰向けになった私は、両足を抱えて大きく左右に開きました。女性器からは熱い愛液がドクドクと溢れ出し、お尻の割れ目を伝って道路にまで達しています。クパァと開いた大淫唇はネットリと糸を引いていました。
股間の男根をギンギンと勃起させた男性が私の股の間に入ってきます。そして、待ちわびた快楽が大淫唇に触れて・・・
「どうしました?」
「え?!」
道路の真ん中で仰向けに寝転がっている私を、白いポロシャツを着た男性が不思議そうに見下ろしていました。好奇の目で私を見つめています。
「ぁ・・ いぇ・・・ 大丈夫です・・・。」
ゆっくりと身体を起こした私は、額に浮かぶ汗を手の甲で拭い、一つ息をしてから立ち上がりました。白いポロシャツの男性が何か声をかけていますが、その声から逃げるようにして、早足でその場を立ち去ります。心臓はドキドキと激しく波打っていました。
(なんてことなの 道路の真ん中で寝転がるなんて)
私の淫らな妄想はドンドンと激しく、リアルになってきています。でも実際に行動に出てしまったなんて事は初めてでした。このまま症状が進んでしまったら一体どうなってしまうのでしょう。
(そのうち人前で裸になってしまうかもしれないわね・・・もしそんな事になったら・・・)
背筋を走った冷たい悪寒が、小さな恐怖となって私の身体に芽生えはじめます。
早足で家路に急ぐ私の後を、一台の車が尾行していた事に、私はまだ気づいていませんでした。
早足でアパートへの道を急いでいる私の前で、一台の車が急ブレーキをかけて止まりました。運転席のドアが開いて大柄の男が降りてきたのです。咄嗟に身構えた私の身体を強引に抱え上げると、車内に乱暴に放り込み、車を急発進させました。
あっと言う間に拉致されてしまったのです。
(これも妄想?妄想よね?)
今だ現状が掴めていない私はボンヤリと車外の風景を眺めていました。今の状況を現実と受け止めることができず、緊迫感も危機感も感じません。
(その内誰かが声をかけてきて我にかえるんだわ・・・)
どれぐらい時間が立ったことでしょう。走っていた車が急に止まりました。車窓からあたりを見回すと、人気のない山の麓といった感じです。
「へへっ おとなしい姉ちゃんだな。だが念を入れて逃げられないようにさせてもらうぜ。」
男が手に持っていた手錠が光を反射させています。左腕をグイと掴まれると、高々と頭の上に引き上げられてしまいました。そして、左手の手首と、車内の手かけを繋がれてしまったのです。
「痛い!」
手首に食い込む金属の痛みが、現実のものとしてハッキリと頭を貫きました。
「え?! 何?! ウソ!!」
慌てて抵抗をしましたが、もう既に左手首は手錠で拘束されています。手錠から手首を抜こうと試みますが、ガッチリと嵌った金属は不気味な光を放ちながら私の手首を離しません。
「今頃気づいたのか?変な姉ちゃんだなぁ。」
男はニヤニヤとイヤらしい笑みを浮かべながら両手で乳房を掴んできました。指が乳房に食い込む痛みは、とても妄想とは思えません。
「痛い!! 離して!! キャァァ!」
男がブラウスを引き裂きました。千切れたポタンが弾け、床に転がる音が車内に響きます。ブラジャーを強引に上にずらされると、露にされた乳房がプルンと波打ちました。その頂点に鎮座する乳首は指で挟まれ、コリコリとイヤらしい手つきで捏ねられています。
「いやぁぁぁぁっ! だれかぁぁぁぁっ!」
自由が利く右手で男の体を押しのけようとしますが、男は構わずに乳首を弄り続けます。乳首を襲う痛みは、やがて妖しい感覚へと変貌し始めてきました。
「ダメ! それ以上されたら・・・! ヤメテ!」
「だから何を?」
目の前に立っている男性は、私の顔を覗き込んで怪訝そうな顔をしていました。
「・・・・・ぁ ・・・・ぃぇ ・・・・」
「俺は道を聞いただけだぞ?それなのにヤメテだの痛いだのと、何なんだよお前は。」
黙って踵を返した私は後ろを振り向かずに逃げ出しました。どうやらまた妄想に浸っていたみたいです。でも、さっきの手錠を掛けられたときの痛みは現実味がありすぎでした。
ふと左手首を見た私は、体中の血の気がサッっと引いていくのが分かりました。妄想の中で手錠を掛けられた左手首に、赤い引っ掻き傷のようなものがあったのです。少量の出血さえも見られました。
(何これ? 妄想じゃなかったの?)
手首に滲んでいる血液をティッシュで拭いながら、考えていました。
妄想が肉体に影響しているの?
夢を見ると殺人鬼に殺されるという映画があったけど、妄想の責めで肉体に傷がつくなんて事が本当にあるの?それとも、さっきの道を聞いてきた男が私を傷つけたのかしら。もしかしたら狐とか悪霊とかに取りつかれたとか・・・
疑心暗鬼のなか、当ても無くトボトボと歩いていた私は、いつの間にか川原まで歩いて来ていました。ススキの生い茂る草むらに寝そべった私はボーっと高い空を眺めました。日差しが目に入り、右手で太陽を遮ります。その時、右手の爪に微かにこびり付いた赤黒い物が見えました。
「ぁ・・・ なんだ・・・ そういうことかぁ。」
なかなか解けなかった知恵の輪がスッと外れた時のような爽快感と、自分の悪事が暴かれた時のような罪悪感が全身を包みました。傷の犯人は私自身だったのです。きっと、妄想に耽りながら自分の手首を掻き毟っていたのでしょう。
安心した私は目を閉じて、大きく深呼吸をしました。さっきの妄想をリアルに思い出されます。
手首に食い込む冷たい手錠
肉を絞り込む硬い金属
逃亡を許さない淫靡な拘束
思い出しただけでも、ドキドキと胸がときめくような興奮が涌いてきます。
(私・・・ マゾッ気があるのかしら・・・)
「SM」
頭の中に、2文字のアルファベットがくっきりと浮かんできました。週刊誌などで時々目にする言葉ですが、今まで気にしたこともありませんでした。頭の中に縄で縛られた女性の姿や、鞭で打たれる裸体が浮かび上がってきます。ドンドン溢れてくる淫らな欲情に耐え切れず、右手がスカートの中に忍び込ませてしまいました。
細い指先がパンティーの上から、クリトリスを弄っています。布越しに触っても、硬く勃起しているのが分かるほどでした。裸の女性が責めを受けて悲鳴を上げながら悶える姿を思い浮かべながら草むらでオナニーに耽る私の胸に、熱いロウソクの雫が降り注いできました。
「熱いっ! あぁ! 熱いわっ!」
熱い雫が乳房に落ちるたびに、身体を仰け反らせ、喘ぎ声を上げて悶える私は、責められて喜びを感じるマゾヒストの妖美に浸っていました。クリトリスを擦る右手の指先は、パンティーを越して染み出してきた愛液でヌルヌルと滑っています。
「もっと!もっと責めて!」
熱い蝋が頬にも注いできました。ネットリとした液体は頬から首筋へと垂れていきます。クリトリスを擦り上げる指の動きが激しくなるにつれて快感がドンドンと大きくな・・・
「ワンワン!」
慌てて身体を起こした私は、捲れ上がっていたスカートを直しました。
見知らぬワンコが尻尾を振ってじゃれ付いています。
どうやら頬に落ちてきたのは蝋ではなく、ワンコの涎だったようです。
私の顔をペロペロと舐めるワンコの頭を撫でながら、自分の右手の指先の匂いを嗅いでみました。微かに臭う愛液の香りは、自分が現実にオナニーをしていたことの証拠です。
「すみませーん!」
ワンコの飼い主であろう中年の男性が、ハアハアと息を弾ませながら近づいてきました。どうやらオナニーをしていた現場は目撃されていない様子です。飼い主に連れて行かれるワンコに手を振りながら、心底安堵しながらも、屋外で無意識にオナニーを始めてしまった自分に不安を感じていました。
気がつくともう辺りは薄暗くなっています。
(とにかく早く帰ろう・・・)
いつの間にかアパートとは逆方向に来ていたため、昼間に買出しに来たコンビニエンスストアの前を再び通ることになりました。好物のビッグフランクが頭を過ぎりますが、それをネタに淫らな妄想をしたことが罪悪感となり、店内には入らないで帰ろうと思っていました。
その時、ある事に気づいたのです。
(そういえば、私の妄想癖って・・・)
ふと気がつくと、コンビニエンスストアの外にあるプレハブ倉庫の前で、見覚えのある男性店員が立っていました。私を凝視している男性店員は、その口元に不敵な笑みを浮かべています。
「お客さん、ビッグフランクはいかがですか?」
ヘラヘラと気味の悪い笑いを見せながら、私をからかうように声をかけてきた男性店員には、明らかに魂胆があるように見えました。
「最近イヤらしい事ばっかり考えてるんでしょ?」
立ったまま凍りついた私は、男性店員の言葉を懸命に整理しようとしていました。私の妄想癖が現れ始めたのは、ここでビッグフランクを初めて買って食べた日からなのです。
「やっと気がついた?アンタが食べたビッグフランクには特別な薬が入れてあってね、気づかない内に、俺の性奴隷になってるんだよ。」
「なっ 何を言ってるんですか?! 失礼な!」
動揺を極力隠しながら、無視して通り過ぎようとした私の目の前に立ちはだかった男性店員は、手に持った皮製の首輪を見せびらかしました。
「これ見て何か感じない?首に嵌めて欲しいんでしょ?恥ずかしい恰好をさせて欲しいんでしょ?」
「そっ・・ そんな・・・ そんな事・・・」
身体が自由に動きません。ゆっくりと近づいてきた男性店員から逃れることもできず、首輪を嵌められた瞬間、妖淫な快感が精神を貫きました。拘束感が私の欲情を沸騰させていきます。
「お前は俺の性奴隷だ。ペットだ。俺の言うことを何でも聞くんだぞ?分かったな?」
「 はぃ ご主人さま 何でも いたします 」
「服を脱いで裸になれ。」
「 はい 」
プレハブ倉庫の横で服を脱ぎ出した私は、数分後には身にまとっているものは皮製の首輪だけの姿になっていました。これから始まる恥辱の責めを想像するだけでも膣内にジワっと愛液が滲んでくるようです。
「脚を広げろ。」
「 はぃ 」
既に女性器からは愛液がドクドクと溢れています。それは内腿を伝って膝の辺りまで届いていました。男性店員は股の間に入れた手を内腿に這わせ、下からゆっくりと撫でて淫らな愛液を掬っていきます。
「イヤらしいね~。首輪を嵌められただけで、こんなにマン汁を垂れ流すとはなぁ。このマゾのメス犬め、恥ずかしくないのかい?」
男性店員の私を責める言葉は、一つ一つが被虐的快楽となり、私の身体を痺れさせています。
「ほらっ お前の欲しかったビッグフランクだ。妄想じゃないそ?」
服を脱いで全裸になった男性店員は、股間の男根を硬く硬直させています。軽く腰を振って男根を左右に振るような仕草をすると、私は黙ってひざまずき、熱く脈打つ男根を口に含みました。
今度こそ妄想なんかじゃありません。鼻を突く男性の香りも、舌の上にザラザラと残る恥垢の食感も、決して妄想なんかじゃなく、私のマゾ的興奮を強く煽っています。
舌先でカリの部分を強めに舐め上げながら、右手で男根の根元を扱きます。左手で睾丸を優しく包むと掌の上でコロコロと転がします。顔を上下に動かしながら、男根を吸い上げると、男性店員は満足そうに言葉をかけてきます。
「お客さん!そんなところで何してるんですか?」
コンビニエンスストアのプレハブ倉庫の前でしゃがみ込み、ブツブツ独り言を呟きながら自分の親指をしゃぶっていた私は、店員から見たら激しく怪しい人物だったことでしょう。うっかりしたら警察沙汰です。
泣き出しそうな気分で走り出した私は、やっとの思いでアパートへ辿りついたのです。
ふらつく足取りでアパートまで帰ってきた私は錯乱状態でした。
一日中続いた卑猥な妄想は、心身とも深く蝕んでいます。もはや現実も妄想も区別がつきません。
アパートの廊下ですれ違った隣人が、今にも倒れそうな私の姿を見かけて心配そうに声をかけて来ます。
「あの・・・大丈夫ですか?なんだかフラフラしてますよ?」
「・・・ 大丈夫じゃありません・・・ 私・・・ 病気なんです・・・」
「え?病気ですか?救急車を・・・・いや、ボクの車で今すぐに病院に・・」
私は無意識のうちに、隣人の首にしがみついていました。その反動で2人は廊下に転がります。不意を突かれた隣人は、目を大きく見開いて私の顔を眺めています。その目は恐怖に満ちていました。
「私、病気なんです!変態なんです!男の人を見るとエッチな妄想ばっかりしてしまうんです。欲求不満なんです!お願い!今ここで私を犯して!!」
隣人に馬乗りになった状態でブラウスを裂き、ブラジャーを毟り取って上半身裸になった私は、強引に隣人の唇を吸いました。突然の凶行にもがく隣人は必死に私を引き剥がそうとしますが、重なり合った唇は強力な吸盤で張り付いているかのように離れません。
私の右手が隣人のスウェットパンツの中にすぺりこみました。ダイレクトに隣人の男根を掴むと荒々しく扱きます。一秒でも早く挿入して欲しかったのです。
「お願い! 早く大きくして! 早く硬くして! 早く入れて!!」
「やめろ!! やめてくれ! 離れろこのキ●ガイ女!! 誰か来てくれー!!」
この騒ぎにアパート中のドアが開き、大勢の住人が何だ何だと顔を出しました。私たちの周りにはあっという間に人垣ができます。上半身裸の女が男性を犯しているという異常な光景に、皆どうして良いのか分からない様子でした。
騒然とした現場の中、やっと状況を理解した住人たちが、私を隣人から引き離します。半狂乱になり、足をバタバタさせながら大声で叫びました。
「誰でもいいから! 早く! 早くオ●ンコに入れてぇ!!」
微かにパトカーのサイレンの音が聞こえてきました。
徐々に正気を取り戻しつつある私は、自分の周りを囲んでいるアパートの住人たちに気が付きました。その目はまるで、ケダモノを見ているかのような冷ややかな好奇心に満ち溢れています。
絶望感が心臓をギュっと握りつぶしました。身体中から溢れていた汗が、一気に氷点下まで冷えます。
(これも妄想なの? 妄想なんでしょ? 早く! 早く目が覚めて!!)
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