「こんにちは~。由紀子です~。徳治さ~ん。開けて下さ~い。」
玄関の前で呼び鈴を押した私はなるべく大きく、元気な声で挨拶をしました。
私の仕事は訪問介護員です。一人暮らしのお年寄りの家に訪問し、身体に必要な介護と、調理、洗濯、買物等の家事援助、その他の日常生活全般にわたる援助などをしています。
今日は徳治さんのお宅に訪問したのですが、少し気がかりなことがありました。それは、前回訪問した時の徳治さんの様子がおかしく、普段は元気に釣りの話などをしてくれるのですが、その時はふさぎこんでいて話しかけても返事もしてくれなかったのです。
(今日は特に優しく接してあげよう・・・)
ガラリと音がして玄関が開きましたが、そこに立っていたのは徳治さんではありませんでした。
「あら?源吉さん、こんにちは。いらしてたんですね?」
源吉さんは徳治さんのお友達です。源吉さんのお宅にも、何度かヘルパーに行ったことがありました。若いころに徳治さんと遊びに行った時の話をよく聞かされ、お友達思いのご老人だという印象を持っていました。
「由紀子ちゃん。久しぶりだね。さぁ上がって上がって。」
背中を押されて促された私は、玄関に沢山の靴が置いてあることに気付きました。
「源吉さん。お客様が集まっているみたいですね。今日は何かあるんですか?」
「さぁさぁ、早く早く、いいからいいから。」
源吉さんは質問には答えず、イソイソと私を居間へと押して行きます。ふすまを開けると、そこには7、8人ほどのご老人が集まっていました。そして、私を無理やり上座に座らせると、ご老人たちは一斉に手をついて頭を畳に擦りつけてきたのです。急な出来事にあたふたしていた私に源吉さんがこう言いました。
「実は・・・ 由紀子ちゃんにお願いがあるんじゃよ・・・」
「み、皆さんどうしたんですか?お顔をあげて下さい。源吉さん。お願いって何ですか?」
「実は徳治さんのことなんじゃが・・・」
源吉さんの話は、徳治さんに元気がなかった原因となるものでした。医者から余命いくばくもないと言われたそうなのです。長年患っていた持病が末期症状をうったえているそうで、持ってもあと1か月という死の宣告を受けてきたというのです。
「そんな・・・」
思わず涙ぐむ私は、手をぎゅっと握りしめて俯いたまま絶句してしまいました。私の前で手をついて頭を下げている老人たちも、鼻をすすっているのが分かります。
「・・・ それで・・・私にお願いってなんですか?」
源吉さんは、バツが悪そうに頭をかきながら私に言いました。
「うん・・・ 徳治さんに何か思い残すことはないかね?って聞いたら・・・」
「何ですか?私に出来ることなら何でもしますよ?」
「そうかい? じゃぁ言わせてもらうんじゃが・・・。徳治さん・・・死ぬ前に由紀子ちゃんの裸が見たいって言うんじゃよ・・・。」
「え?私の裸を?」
思いがけない申し出に、驚きを隠すことはできませんでした。今まで徳治さんは私を孫のように扱ってくれていたので、まさかそんな目で見ているとは思ってもいなかったのです。
「気を悪くせんでくれな?男っちゅうもんはいくつになってもオナゴの裸を見たいもんなんじゃ。徳治さんは由紀子ちゃんの裸が見れたら極楽に逝けるような気がするっていうんじゃよ・・・。どうかね、老い先短いジジイの為に一肌脱いでやってくれんかね・・・。」
(老い先短い・・・)
この言葉は、私の胸にグサリと突き刺さりました。あの元気だった徳治さんがもう直ぐ死んでしまう・・・。頭の中によぎる徳治さんの笑い声が遠くに聞こえてきました。もうすぐあの笑い声が聞かれなくなってしまう。なんとか力になってあげたい・・・。
しばらく固まっていた私でしたが、思い切って顔をあげました。
「分かりました。徳治さんがそれで気が済むなら・・・」
一斉に顔をあげた老人たちは口々に安堵の言葉を交わし、私のもとににじり寄ってきます。「ありがとうよ、ありがとうよ」と何度も繰り返しながら、また頭を下げてくるのです。
「徳治さんは応接室ですね?今から行ってきます。皆さんはここで待っていて下さい。」
覚悟を決めた私は、すっくと立ち上がると応接室に向かいました。ドアの前で少しだけ気持ちを落ち着け、大きく息を吸ってからドアをノックします。
「徳治さん。由紀子です。入りますよ?」
応接室の畳の上で胡坐をかいて座っている徳治さんは、私の顔を見ようとはしませんでした。ただ俯いてジッとしているだけです。私は徳治さんの前に膝をつき、手を握りながら言いました。
「徳治さん・・・。話は聞きました。病気がおもわしくないんですってね・・・」
黙って何度もうなずく徳治さんの顔から滴が落ち、私の手の甲に悲しみを伝えてきます。私も堪えていたものが溢れだし、二人で強く手を握り合って泣きました。まるで愛する恋人同士が今生の別れをするかのような錯覚に陥りそうです。
ひとしきり泣いたあと、私はハンカチで徳治さんの顔を拭きながら、覚悟を決めていました。
「徳治さん。 こんな・・・ 私の身体で良ければ・・・ 見てもらえますか?」
立ち上がった私は、ブラウスのボタンを1つずつ外していきます。目を大きく拡げて食い入るように見つめている徳治さんの表情は、まるでこの世の名残を目に焼き付けているかのようでした。
一糸まとわぬ姿で立っている私の身体に、徳治さんの熱い視線が突き刺さります。余命1か月のご老人とは思えないほどの情熱が、私の素肌をチクチクと刺激していくのです。
小さな肩・水着の痕を残す乳房・小さめの乳首・なだらかな曲線を描く腰のライン・女性器を隠す恥毛。その全てを今、徳治さんに捧げているのです。重ねてきた年月の労をねぎらう、私の精一杯の誠意でした。
「徳治さん・・・。私の身体どう? 綺麗? 」
「ぁぁ・・・ ぉぉ・・・ 」
徳治さんは、両の眼から溢れ出る涙を拭おうともせず、何度も何度も頷いていました。
「由紀子ちゃん・・・。 あんたは本当に天女のようじゃなぁ・・・。」
どれほど時間がたったでしょうか。抑えていた羞恥心がドンドンと膨れ上がり、これ以上裸でいることが辛くなってきました。
「徳治さん。何かして欲しいことある? もう服着てもいい?」
その時です。
応接室のドアが開かれました。ドアの向こうには、大勢のご老人が立っています。キャッと小さな悲鳴を上げて慌ててしゃがみ込んだ私に、老人集団の代表のように先頭に立っていた源吉さんが私に言ったのです。
「由紀子ちゃん・・・。 徳治さんのもう一つの願いなんじゃが、あんたにはチイっと辛いかも知れんが辛抱してくれ。」
「え?・・・ 何ですか?もう一つの願いって・・・」
徳治さんも、源吉さんも、ご老人集団も、先ほどまでの悲壮感と慈悲感とは打って変わって、怪しい鬼気迫るようなオーラを放っていました。
「徳治さんはね、由紀子ちゃんが大勢の男に手籠めにされているところを見たいそうなんじゃよ・・・。」
(テゴメって・・・ レイプのこと?!)
身体の周りにワラワラと集まってくる老人の集団の恐怖に身動きが取れず、ただ畳の上で固まっているしかない私でした。
「嫌! 源吉さん!止めて下さい!こんなのは嫌です!!」
私の悲鳴は、老人たちの体で封じられてしまいました。何人もの体が私の裸体の上に圧し掛かってきたのです。普段はなるべく気にしないようにしていた老人特有の体臭が鼻を付き、身が震える思いがしました。
「徳治さん!助けて!皆をやめさせて!」
必死に助けを求める私は、徳治さんの姿を探しました。私の裸体の上に覆いかぶさっている数人の体の隙間からほんの少しだけ垣間見えた徳治さんは、押さえつけられている私の姿を遠巻きにして眺めています。
(本当に私がレイプされる姿を見たかったのね・・・)
絶望感が身体を包みました。私の周りのご老人達の目は、まるで般若のように鋭い眼光です。身近な仲間の死に際に接したためか、生きているうちにやってやろうという気持ちが、罪悪感を押さえつけているようです。
「手足を掴んで四方向に引っ張るんじゃ!」
源吉さんの掛け声とともに、周りにいた老人達が、私の両手両足に手をかけて力任せに引っ張ります。力が衰えた老人とはいえ、集団で掛かられると太刀打ちすることはできませんでした。いえ、本当はその気になったら足で蹴り上げるぐらいは出来たかも知れませんが、職業柄、ご老人に乱暴することなど体が拒否していたのです。
「ほれ!手が空いているやつは、由紀子ちゃんの身体をまさぐらんか!」
畳の上で裸体を開かされた私の四方八方から、何本もの皺だらけの手が伸びてきました。その手は、私の乳房や腰回りを乱暴に撫でていきます。その手つきは、およそ愛撫という言葉とはかけ離れたものでした。
「痛い! 離して! あぁ! 嫌!嫌!嫌!!!」
掴まれた腕の痛みと、何本もの手に身体をまさぐられるおぞましさに、呻き声をあげて身をよじらせる私の姿を眺めていた徳治さんが、ついに興奮した声をあげました。
「おぉ!! これじゃ! これが見たかったんじゃ! 慈悲深い天女が手籠めにされている姿を見たかったんじゃ!もっとじゃ!もっと見せてくれぇ!!」
徳治さんの大声とともに、老人たちの集団は一斉に奇声を上げ、四方から伸びる手はさらに荒々しい動きに変わってきました。乳房は力任せに掴まれ、まるでもがれるかと思うほどに引っ張られました。脇の下やわき腹には、細く皺だらけの指が、爪を立てながら這いずりまわり、うっすらと茂っている恥毛に絡みついた指は、何本もの縮れ毛を引き抜き、内腿をまさぐる手のひらは皮膚が赤くなるほどに擦り上げてきます。
苦痛から漏れる喘ぎ声を立てながら身体全体をくねらせ、必死に凌辱から逃れようとする私の裸体は、老い先短い獣たちの、消えかかった欲情をさらにかき立てていくのでした。
「誰か由紀子ちゃんの乳を吸わんか!」
源吉さんの声に1人の老人が進み出ました。周りの老人の会話から、その人が春男さんという名前だということが分かりました。春男さんは、はぁはぁと激しく息をしながら明らかに異常興奮した状態です。とても危険な状態に見えました。こんな状態でしたが、老人を労わる気持ちが本能的に口から出てきます。
「お願いやめて!そんなに興奮されるとお体に触りますよ!」
「お譲ちゃん優しいのぅ・・・。じゃが年寄りの我儘じゃ・・・。堪忍しとくれなぁ・・・。せめて痛くないようにするからのぉ・・・。」
春男さんは目を潤ませながら私に詫びました。そして、自分の口の中に手を突っ込むと総入れ歯を外したのです。ぱっくりと口を開けて口内を私に見せつける春男さんは、口元から異臭を放つよだれを垂らしながら、私の乳房に吸い付いてきたのです。この行為には、私の女としての本能が拒否反応をおこし、身の毛がよだつような不快感が体中を走り抜けました。
「嫌ぁぁっぁぁぁぁ! 嫌ぁぁぁあぁぁっぁぁ!」
プーンとした不快な口臭が私の鼻をつきました。悪臭から逃れるために顔を左右に振り、大声で叫びながら悶え苦しみます。歯茎が乳首を噛んできました。微かな痛みが乳房の先端を走り抜けます。身体を揺すって逃れても、春男さんの口はすぐまた乳房にしゃぶりつき、何度も何度もシツコク乳首を噛んできます。
「ヤメテェ! 放して! イヤッ! イヤッ! イヤイヤイヤイヤァ!!!」
髪を振り乱しながら凌辱を受けている私の姿に、周りの老人達は何やら独り言をブツブツと言い、中には「ナムアミダブ、ナムアミダブ・・・」とお経を唱える人もいます。それでも私の身体を弄ることを止めません。
「源吉さん。コレを使ってくれんかのう。」
輪の外で高見の見物をしていた徳治さんが、何か道具を持ってきました。
(あっ・・・あれは・・・)
源吉さんの手に渡されたものは、肩や腰をマッサージするための電気アンマ機でした。しかもそれは、徳治さんのお誕生日のお祝いに介護会社からプレゼントしたものです。私が手渡ししてあげたときの徳治さんの笑顔が思い出されました。
(せっかくの贈り物をこんなことに使うなんて・・・)
源吉さんが手に持った電気アンマ機のスイッチを入れました。
ウィーンっと太い音を立て、先端を小刻みに振動させながら私の股間に近づいてくるその姿は、まるで捕らえた獲物をゆっくりと食するかのように、怯え震える淫芽に狙いを定めて迫ってきます。
「ぃゃッ ぃゃッ ぃゃッ ぃゃッ」
必死に身体を揺さぶり、手足を掴んでいるいくつもの手を振りほどこうともがきますが、老人達も必死に押さえつけてきます。両足を掴んでいる何本もの皺だらけの腕は、さらに強く私の股を広げていきます。そして、無防備になった淫芽に、電気アンマ機の振動部分が接触してきました。
「キャーーー!!!イイイヤヤヤァァァァ!!!ヒィィィィイイィイイィイイィィッィ!!!」
男性経験は多い方ではありませんが、処女というわけではありません。それなりの男性経験は積んできた私でしたが、このような激しい振動を淫芽に受けるのは初めてでした。
「止めてッ!! イヤイヤ! 止めて! こんなの嫌!!」
周りに集まっている老人集団は、苦悶に歪む私の表情と、股間で暴れる電気アンマ機とを交互に見比べ、口々にため息ともうめき声とも取れない小声を漏らしていました。
「おぉ・・・ えらい効果じゃなぁ・・・」
「うちの婆さんは・・・こんなにヨガッタことは無かったのぉ・・・」
「こげなムラムラした気分は久しぶりじゃ~」
老人達の眼を釘づけにしている私の身体全体から、淫らなフェロモンが匂い立ち、獣と化した物たちをトランス状態に引きずり込みます。うつろな目でトロンとした表情を浮かべながら、半開きの口元から涎をたらしています。
「もっとじゃ!もっとよがらせるのじゃ!!」
徳治さんの掛け声にハッと気づいたように、何本もの腕が私の身体に絡みついてきました。乳房を掴まれ、乳首をひねられ、腋の下をなでられると、股間を襲う激しい震動はやがて怪しい甘美な感覚へと変貌していきます。
(絶対に嫌!こんなことで感じたくない!!)
「んーーーッ!んんんーーーッ!くぅーーーゥ!」
股間を中心として身体全体に響き渡る感触に、精一杯の理性を動員して押さえつけていました。少しでも気を許せば、快感の波に溺れてしまいそうです。首を振り、拳を握りしめ、身を震わせて耐え続けている私に、更なる試練が与えられます。
「振動の強さを上げるんじゃ!」
興奮した徳治さんの指示に、源吉さんは電気アンマ機のスイッチを切り替えたようです。
「ヒ゛ィィィィィィッ!キ゛ィィィィィィッ!イ゛ィィィィィィッ!」
言葉にならない声が、私の口からこぼれ出てきます。動物のようなその声は、自分の声なのか分からないほどでした。腰を上下に動かして、なんとか振動から逃れようとしますが、かえって敏感な淫芽に押し付けることになり、自らを淫らな快楽の大波に飛び込んでしまっています。
ガクガクと震える腰が、大きな波を迎える前兆となり、絶頂を迎える予感がジワジワと迫ってきました。大勢の面前で逝かされるような、恥辱の極みを晒すことは絶対に嫌でした。身動きの取れない身体で必死に迫りくる波から逃れようとしますが、逃げても逃げても追いかけてくる快楽の波がどんどんと近づいてきます。そして、大波がはじけた瞬間でした。
「ぁッ!ぁッ!・・・・・・・・・・・・・・・・ッッッッッッッッ!!」
「おっ!おっ!おおおおおおおおおおおおおおおお!!」」
電気アンマ機が振動する音に、ピチャピチャと湿った音が混じって聞こえます。女性器から愛液が噴出していく感触を、真っ白になった頭のなかで微かに感じていました。老人達のどよめきが遠くに聞こえて気が遠くなりそうです。ハァハァと激しく酸素を求める私の耳に、源吉さんの声が届きました。
「由紀子ちゃん、ようやった。よう垂らしてくれたのぉ。さぁ徳治さん、由紀子ちゃんのマン汁を思う存分舐めるのじゃ。」
畳の上で仰向けに寝かされている私は、力なくグッタリとしています。愛液を滴らせた電気アンマ機をやっと離した源吉さんの代わりに、徳治さんが私の下腹部に近づいてきました。
「手籠めにされて、昇天して、由紀子ちゃんは綺麗じゃったぞ・・・。ほんに天女のようじゃった・・・。天女の聖水を飲ませてもらうからの・・・。」
私の股間に顔を埋め、舌を伸ばして愛液を掬い取っていく徳治さんの姿は、まるで赤ん坊が母親の乳を一心不乱に飲む姿に似ていました。
(徳治さん・・・嬉しそう・・・)
「お?なんじゃ?」
私の股間で、溢れた愛液を貪っていた徳治さんが何かに驚いた様子で顔をあげました。なんじゃなんじゃと周りの老人達も徳治さんの挙動に注目します。徳治さんは立ち上がって下着越しに自分の男根に触れていました。
「ひょっとしたら・・・立つかもしれん・・・こんな感触はひさしぶりじゃ・・・」
「そりゃ本当かね?」
「こんな事もあるもんじゃな」
「天女の法力じゃ!」
古くからの親友の快挙に興奮した源吉さんは何とか私に挿入させようと興奮しています。でも、膣内に入り込めるまでの硬度はありませんでした。
「舐めさせるんじゃ!ちん棒を舐めさせればちゃんと立つかも知れんぞ!」
誰かが言った不条理な提案を、周りの老人達が口ぐちに囃し立てはじめます。
「そうじゃそうじゃ!舐めさせるんじゃ!」
「口で扱けば気持ちええぞ!」
「この世の名残じゃ!咥えさせろ!咥えさせろ!」
すっかりその気になった徳治さんは、下着を脱ぎ棄てて私の目前で仁王立ちしています。周りの老人達の手で無理やり上半身を起こされ、徳治さんの下半身の目前に座らされました。私の目の前では、力なくぶら下がっている萎びた男根が期待に揺れています。
徳治さんは私の髪を鷲掴みにして強引に私の顔を股間に引っ張り込みます。周りから集まる皺だらけの手が私の身体を小突き、フェラチオを強要してきました。目の前にダランとぶら下がる男根は、とても勃起するようには思えないほどの衰えようです。それでも私は、口を開けて萎びたモノを口膣に迎え入れました。
周りから伸びてくる何本もの手が、私の髪を乱暴に掴んで前後に動かします。私は老人達の愚行には逆らわず、されるがままでした。
口の中にある徳治さんの男根は全く勃起する様子は見せず、ただ唇に挟まれたまま伸び縮みするだけです。顔を動かされるとすぐに唇からすり抜けてしまう男根を、私は歯を立てないように注意しながら舌で舐めてあげました。こんな状況でしたが、やはり徳治さんに何かをしてあげたい気持ちがあったのです。
(お願い・・・立って・・・)
必死になってサービスをする私の姿に源吉さんが気付いたようです。周りの老人達の手を払いのけると、私に徳治さんを任せました。手を使って男根を扱いたり、睾丸を刺激したりと、私が知っているあらゆる性技を試しみますが、やはり役目を終えた男根は勃起する様子は見せません。
何分間ぐらいたったのでしょうか。いくらサービスしても一向に勃起せず、私の疲労が溜まり、これ以上続けるのは困難かなと思った瞬間です。様子をうかがっていた源吉さんが声をあげました。
「やったぞ!立った!徳治さんのちん棒が立ったんじゃぁ!」
「おぉー!」
「ようやった!」
「はよ入れんかい!」
一斉に周りから歓声が湧き上がります。驚いたのは私と徳治さんでした。徳治さんの男根は勃起などしていなかったのです。それでも徳治さんは、源吉さんの言葉を信じ込んだようでした。自覚がなくても、勃起しているのだと思い込んだのです。
「ほれ!徳治さん!はよ由紀子ちゃんに乗らんかい!」
徳治さんが私の裸体の上に覆いかぶさって来たとき、私は源吉さんの意図に気が付きました。これは徳治さんの人生の送別会なのです。男としての最高の選別を贈ってあげたかったのです。私は徳治さんに気付かれないように右手を股間に伸ばし、徳治さんの萎びた男根を強めに握りしめました。そして大声で叫んだのです。
「あぁぁ!徳治さんが入ってくるぅ!!」
徳治さんは、私の身体の上で腰を何度か上下させました。もう永い間性交はしてなかったようすで、腰の動きはとてもセックスをするようなものではありませんでした。それでも必死に動いている徳治さんに、最高のプレゼントとなる言葉を贈ったのです。
「いい!徳治さん!気持ちいいわ!もっとして!」
右手の中にある萎びた男根を扱きながら、私は身を捩り善がって見せました。ハァハァと息を荒げて徳治さんを見つめると、徳治さんの顔は今にも泣き出しそうにクシャクシャになっていました。
徳治さんの動きは、ほんの十数秒で終わりました。もちろん射精を果たした訳ではありません。腰の動きに耐えきれずに止まってしまったのです。ぐったりと身を預けている徳治さんを優しく抱きしめた私は、耳元でこう囁きました。
「徳治さん・・・私、逝ったわ・・・」
それは、長い歳月を生き抜いた老兵への、最高の労いの言葉だったはずです。
・・・・・
数ヶ月後、徳治さんが天に召されたことを、介護会社を通して知った私は、あの日の事をボンヤリと思い出していました。
コトが終わった後で全員が私に土下座をして謝罪したこと。
保険金の一部を私に譲渡すると約束してくれたこと。
私に対する感謝の気持ちを延々と語っていたこと。
そして、死を目前にした徳治さんの「いい人生じゃった。生まれてきて良かった。」という言葉・・・。
(私は老人の為になることをしたのよね。老人が望むことをしてあげたのよね。)
その時の気持ちが、私の人生を大きく変えていくことになりました。
数年後に全国展開を果たすことになる「アダルト介護サービス 極楽浄土」の第1号店を開店させたのは、それからしばらく経ってのことです。
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