超絶美少女 五十嵐 怜2

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超絶美少女 五十嵐 怜2
2021年06月29日 23時26分
ブロンドピンク

突然の美少女2人の登場に慌てた客達は決まり悪そうに店を出て行ってしまった。はしゃぎ回る彼女達に悪態をついて、杏奈に頭を下げた。
「悪いことをしたな」
「いいよ。別に。それにあの2人見ていると楽しいし」
亜美と衣緒菜は当初の目的を忘れて、アダルトグッズ探しに興じていた。強烈な個性、陽気な官能。彼女達を取り巻く空気は明らかに異質だったが、不快ではない。

私は時計を見た。そろそろ閉店時間だ。
「邪魔になるから帰るよ」
「えー、せっかく来たのに?」
杏奈が甘えた声を出す。彼女が期待していることは分かっているが、今は気分が乗らない。
「また来る。おい、帰るぞ!」
亜美と衣緒菜は不満そうに私の声に反応した。ちょうどその時、タイミングを見計らったように怜が事務室から出てきた。

気まずい空気。彼女はてっきり私が既に帰っていると思っていたのだろう。だが、ここで予想外の展開があった。
「えっ?」
同時に声を出したのは怜と衣緒菜だった。2人は視線を合わせたまま微動だにしない。やがて怜が視線を外し、衣緒菜が私に迫った。
「ご主人さま!ふられたって怜のこと?」
「知っているのか?」
今度は私が驚く番だった。結局、私は衣緒菜のことを知っているようで何も知らないのだ。
「衣緒菜、久しぶりね」
そう言う怜は微かに微笑んでいた。衣緒菜の耳は真っ赤に染まっていた。
「元気そうで良かった。心配してた」
杏奈が目を丸くしている。気持ちは痛いほど分かる。氷の女王のような彼女が聖母のように優しく微笑んでいるのだ。
「ちょっ・・・ご主人さま、怜と2人になってもいい?」
「別に構わないが」
衣緒菜が滑稽なほど慌てている。それに比べ怜は落ち着いている。
「衣緒菜ちゃんっていろいろと面白いですねー」
事務室に入ろうとする2人を眺めて、亜美が他人事のように呟いた。

「驚いた」
「私も」
距離を縮めようとする怜に対して、衣緒菜は部屋を歩き回ることで意識的に距離を保った。
「いきなり消えて・・・いきなり現れて」
楽しそうに口ずさむ怜。彼女の本当の表情を引き出せるのは自分しかいないと衣緒菜は自覚している。氷の仮面の奥の可憐な彼女。
「怜も辞めたの?」
「うん。衣緒菜が消えて、葵さんも辞めて、つまんなくなって」

数年前の秘密クラブのことを思い出す。葵という名前に心当たりはある。きっと由衣のことだ。当時、クラブ内で顔を見合わすことはなかったが、後になって分かった。由衣は今のご主人様の前に、衣緒菜の常連客であった男の奴隷だったのだと聞いて驚いた記憶がある。

「どうしたの?嬉しく・・・ない?」
いつの間にか、怜が息の届く距離にいた。両肩にそっと手が置かれる。衣緒菜は萎縮する。かつて秘密クラブの看板だった2人。陽の衣緒菜、陰の怜。動の衣緒菜、静の怜。炎の衣緒菜、氷の怜。対照的な2人の人気姫は不思議なほどに気が合った。お互いを励まし、刺激し合い、そしていつしか怜は急速に衣緒菜の魅力に取り憑かれていった。若い2人は何度か身体を許し合い、身体の隅々まで舐めあい、相手の愛液の輝きに酔った。だが、数少ない親友だと思っていた女性が自分に異常なほどの興味を持つようになったことに戸惑い、ついに心が折れてしまった衣緒菜は逃げるように秘密クラブから姿を消した。
「衣緒菜、キス・・・して」
「怜・・・んぅ!!」
怜のとろけるような唇が衣緒菜の唇に重ねられる。衣緒菜は女性に対する免疫も持ち合わせているが、圧倒的な怜の官能を受け容れるほど成熟してはいなかった。
「んっ!んふぅ!!!」
怜の指が衣緒菜のスカートを捲り上げ、素早くパンティの中をまさぐる。いつも義妹の優奈に対してやっていることを、怜にやられている。
「あっ!・・・本当に・・・だめったら」
「衣緒菜、可愛い」
やがてクチュクチュと淫靡な音が聞こえてきた。自分の愛液が怜の細い指に絡まり、蜜壺がかき回されている。衣緒菜は喘いだ。怜は空いた手で服越しに胸を触りだした。
「あっ・・・くぅ・・、れ、怜、ご主人さまのこと嫌いなの?」
衣緒菜はなんとか話題を変えようとした。彼女のペースを断ち切りたかった。だが、切り出した質問が悪かった。途端に怜の表情が冷たくなった。怜の手は衣緒菜のパンティの中で動きを止めた。
「そんなに怖い顔しないでよ。すっごく素敵な人だよ」
「男に興味ないこと、知ってるでしょ?」
怜は衣緒菜の虜になってから、完全に男を拒絶するようになった。正確には『衣緒菜以外』に関心を持たなくなった。それでも秘密クラブではトップの座を譲ることはなかった。『仕事なら許せる』と言うのが彼女の口癖だった。
「あっ、はぅ!!!」
怜のしなやかな指が再び激しく動き出した。衣緒菜の愚問を詰るように。怜はじっと衣緒菜を見つめながら、衣緒菜の蜜壺をかき回すことに興奮している。
「私ね、衣緒菜が好きなの」
「あっ・・はぁ・・くぅ・・」
衣緒菜の太ももに愛液が垂れ落ちる。衣緒菜の全てを知り尽くした怜の刺激。ご主人様の責めに勝るとも劣らない。
「あぁ・・だめぇ・・・」
怜は衣緒菜から目を離さない。衣緒菜は目を閉じ、下半身の刺激に必死に耐えている。
「衣緒菜が彼の奴隷でもいい。衣緒菜を知る前だったら、多分、私も彼に惹かれたと思う。すごいオーラだし」
「いやぁ・・・だめぇ・・・」
「でも今の私には関係ない」
「い・・イッちゃう!!!」
「イッて!私の指でイッて!!!」
怜の指にさらなる力がこもった。衣緒菜は怜にしがみついた。

「はぁ・・はぁ・・はぁ・・・」
肩で息をする衣緒菜の頬に怜がキスをした。
「衣緒菜しかいないの」
怜は愛する女性を強く抱きしめた。

床に溜まった衣緒菜の愛液を怜がティッシュで拭き取っている。衣緒菜はその様子を呆然と眺めている。拭き終わると怜が衣緒菜の両肩に手を置いた。甘い香り。以前、怜にプレゼントした香水。彼女なら一生同じものを使い続けるかもしれない。
「衣緒菜、ごめんね。ひどいことしちゃった」
怜は本当に申し訳なさそうな顔をした。衣緒菜は首を振った。
「大丈夫だよ」
「本当に?」
衣緒菜は安心させるように微笑んだ。
「気持ちよかったし。女の子にイカされるなんてあんまりないから」
怜は嬉しそうに衣緒菜の頬に軽くキスをした。
「ねえ、携帯の番号教えてくれる?」
再び空気が重くなる。衣緒菜は秘密クラブを辞めた時、衝動的に携帯電話を川に投げた。つまりその時から2人は連絡を取っていなかった。衣緒菜が一方的に拒否した形なのだ。
「携帯・・・番号ね」
衣緒菜は怜を見つめた。さり気なさを装って切り出した怜の表情は不安でいっぱいだった。もし、ここで拒否したら彼女は泣くだろうか。怒るだろうか。衣緒菜は迷わず電話番号を伝えた。空気が軽くなる。
「ありがとう。教えてくれないかと思った」
「そんなわけないじゃん」
衣緒菜と怜は同時に時計を見た。久しぶりの再会にしては密度が濃すぎた。お互い精神的に限界である。
「そろそろ戻らないと。先輩に迷惑掛けたくないし」
「先輩?」
「うん。杏奈さん。すっごくいい人。優しいし、明るいし。私とは別世界の人みたい」
そう言って怜は微笑んだ。この笑顔は衣緒菜以外には向けられることはない。

タクシーを拾う。隣に衣緒菜、助手席に亜美が乗った。2人の美少女に気をよくした運転手がゆっくりと車を発進させた。
「衣緒菜、顔色が悪いぞ」
「大丈夫です」
精気を吸い取られたような彼女の姿が、義姉に悪戯された後の優奈を連想させた。事務室の中で何があったのだろうか。
「知り合いだったのか?」
「うん」
「まあ、深くは詮索しないがな」
衣緒菜の身体のことなら隅々まで知っている。だが、彼女の素性はあまり知らない。他の性奴隷達にしても同様だ。『隠れ家』で一緒に生活している時以外のプライベートな詮索はしないことにしている。

最寄りの駅前でタクシーを降りる。そこからは徒歩で『隠れ家』へ向かう。
「衣緒菜ちゃん、元気ないよー」
亜美が大人しくなった衣緒菜に絡む。私は後ろから亜美を羽交い締めにして、衣緒菜から離す。
「いい女には悩みが付きものなんだよ」
「ひどい!じゃあ、亜美はいい女じゃないんですか?」
言葉とは裏腹に目が笑っている。どんな時でも彼女は陽気である。
「お前はお子様ランチだ」
「ご主人さまのバカ!」
亜美とじゃれ合っている視界の隅で衣緒菜の憂鬱そうな背中を確認する。

『隠れ家』に戻ると、紀子と愛がいた。既に夜遅かったが、大学生の彼女達には関係ない。亜美が2人の会話に加わる隙に、衣緒菜を寝室へ連れ込む。
「衣緒菜」
「あんっ!」
ベッドに衣緒菜を放りだし、覆い被さる。とろけるような甘い香り。衣緒菜の香水に混じって、ほのかな存在を主張している異質な香りが鼻腔をくすぐる。それが怜の匂いだと悟った瞬間、心臓を鷲づかみにされたような不安を覚える。手探りでミニスカートを捲り上げ、パンティの上から擦りつける。
「あぅぅ・・・」
いつも通りの敏感な反応。唇を奪う。生暖かくて柔らかな絶品の唇。
「んぅ・・んふぅ」
プリプリの太ももの感触。引き締まった美尻。ピンと屹立した乳首。衣緒菜の身体が次第に火照り出す。
「あっ!あんっ!あんっ!」
私の責めを完全に受け容れている彼女の身体はオルガニズムへ一直線に向かう。パンティを脱がして、敏感な箇所を指でまさぐる。指が吸い付く。
「いやぁ・・・」
蜜壺の中で指を動かしながら、臍から脇腹にかけて舐めると感極まったような喘ぎ声が聞こえてくる。
「あぁぁ!!!あっ!!!くぅ!!!」
すぐに防波堤が決壊する。私の指が喜びを持って激しくうねり出す。
「いやぁ・・イクッ・・・イッ・・・イッちゃう!!!!」
昇天寸前の彼女の唇を再び奪い、全身を密着させる。指の動きは止めない。上下の口を犯された彼女は性の悦びに打ち震えながら藻掻く。
「んっ!!!!んぅぅ!!んっ!!んぅぅんぅんぅ!!!!!」
衣緒菜は激しく背中を仰け反らせて、昇天した。

消耗した彼女を背中から抱きしめてやる。胸を弄びながら、時折乳首を摘むとピクッと敏感に反応する。
「気持ちよかったか?」
「うん」
「元気ないな」
「そんなことないです」
いつもなら一度の昇天でぐったり横たわるなどありえない。それに自分だけ気持ちよくなって、ご主人様への奉仕を怠るような奴隷ではない。彼女は想像以上に消耗している。
「怜のことが気になるか?」
彼女がこちらを向いた。だが、返事はなかった。
「嫌なら話さなくてもいいが、陽気なお前が落ち込んでいると周りが心配するぞ」
衣緒菜は小さく溜息をついて、無理矢理笑顔を作った。

「衣緒菜、その服可愛いね」
「そう?」
怜は満面の笑顔を浮かべた。彼女のために一番のお気に入りの服を着てきた自分が嫌になる。化粧だっていつもより念入りである。
「バイトは?」
「今日は定休日だよ」
「そっかー」
普段はほとんど利用しないコーヒーショップの隅のテーブルで、怜と向かい合っている。ミニスカートを穿いたとびきりの2人の美少女は嫌でも目立つ。男性客の好奇の視線。女性客の嫉妬の視線。怜も衣緒菜も慣れっこである。誘ったのはもちろん怜である。携帯の番号を教えた時点で覚悟はできていた。
「でもね、心配したよ。衣緒菜、来ないんじゃないかって」
「なんで?」
「だって、昨日いきなりあんなことしたし。衣緒菜が前の店辞めたのもたぶん私のせいだし」
最後の方は消え入るような声だった。俯く怜の肩をポンポンと軽く叩く。
「そんなことないよ。大丈夫だよ」
「じゃあ、私のこと怒ってない?」
「当たり前じゃん」

「じゃあ、前みたいに遊ぼ」

時間が止まる。周囲の喧噪が耳に入らなくなる。衣緒菜は身構えた。集中した。予想済みの甘い危険な誘い。怜の目が妖しく輝いている。一度は衣緒菜を引きずり込んだ魅惑の視線。衣緒菜は唇を強く噛んだ。ここで流されたら、二度とご主人様の元へ戻れなくなる。拳を固めてご主人様との思い出を手繰り寄せる。心の支え。自分という存在の拠り所。ご主人様は自分のすべて。またあの時みたいに怜と手を取り合って愛欲の沼に溺れるわけにはいかない。言うならこのタイミングしかない!

「じゃあさ、私の『隠れ家』に来ない?」

意外な提案に怜は驚いたようだった。
「『隠れ家』?・・・彼もいるの?」
さすがに怜は鋭かった。スッと目が細められる。だが、衣緒菜は引かなかった。
「うん、いるよ。私が大好きな場所。私の生き甲斐の場所。あなたに見てほしいの」
衣緒菜は意を決して立ち上がった。そして怜が立ち上がるのを待った。

「ここで降りるから」
衣緒菜が怜を引っ張る。『隠れ家』の最寄りの駅である。
「ちょっと歩くよ」
「ねえ、衣緒菜、怖い顔してるよ」
衣緒菜の苦悩を嘲笑うように怜がからかう。衣緒菜は顔をしかめた。ご主人様の了解なしに、聖地へ他人を連れ込もうとしているのだ。緊張で胸が張り裂けそうである。明らかに気が進まない様子の怜をここまで連れてくるだけでも一仕事だった。表情が強ばるのも仕方がない。

駅前の喧噪を抜けると閑静な住宅街へ入る。『隠れ家』は地下にあり、階段でアクセスするしかない。階段は実に巧妙に隠されていて、一見入り口が分からない。
「もうすぐだよ・・・あっ!ちょっと!」
怜が後ろから抱きついてきた。そして力強く抱きしめる。咄嗟の出来事に衣緒菜は身動きが取れない。怜は痛いくらいに抱きしめてくる。
「い、痛いよ」
怜は何も言わずに衣緒菜のうなじにキスをした。
「離して」
衣緒菜の強い声で弾けるように怜が離れる。
「もうっ、いきなりやめてよ。誰かに見られちゃうかもしれないじゃん」
半ば本気で怒っている衣緒菜の様子を楽しむ怜。悪戯にしては度が過ぎている。
「だって、衣緒菜の後ろ姿、可愛いモン」
顔は笑っているが、目は笑っていない。衣緒菜は怖くなって無理矢理笑顔を作った。
「すぐそこだよ」
怜の手を引っ張ろうとする。コーヒーショップから何度この動作を繰り返しただろう。だが、怜は冷たく手を払った。
「・・・ねえ、衣緒菜」
怜は空を見上げた。衣緒菜は彼女から目を離さなかった。
「私は衣緒菜が好きなの。それだけだよ」
「・・・知ってるよ」
「彼は関係ないじゃん」
やはり彼女はご主人様の存在を気にしていた。彼女にとって邪魔者でしかない存在。
「関係あるよ」
思わぬ反論を受けて怜が目を細めた。衣緒菜以外の人間を見る時の冷たい視線だ。
「・・・関係ないじゃん」
怜は吐き捨てるように言った。衣緒菜は震えた。目の奥の狂気。怜は真剣に怒っている。衣緒菜に対して、自分に対して。衣緒菜は拳を固めた。ここで折れたら、今までの苦労が水の泡である。
「関係あるよ。彼は私のご主人様だから。怜が私のことを好きなのと同じくらい、私は彼のこと好きなの」

私は煙草に火をつけた。目の前に衣緒菜と怜が座っている。2つの異なる視線が向けられている。衣緒菜の詫びるような視線、怜の殺意に近い視線。
「ようこそ、と言いたいところだが、お客様はあまり乗り気じゃないようだな」
「ごめんなさい」
衣緒菜が俯く。彼女なりに考えて怜をここに連れてきたのだろう。だが、彼女の意図は見えてこない。怜を口説き落とすまで杏奈の店へ通うつもりだったので、正直驚いていた。
「衣緒菜、らしくないぞ。いつもの余裕でこの状況を笑い飛ばしてみろ」
「うぅ・・どうしよ」
両手で顔を覆う衣緒菜の背中を怜が慰めるようにさすっている。妹を元気づける姉のように。姉を応援する妹のように。氷の美少女の意外な一面。その様子を見て、ある種の確信が芽生える。この類の直感はまず外れない。怜は衣緒菜に好意を持っている。知り合いとか友人とか、そういうレベルを超えた親密な関係を持っている。
「怜、彼女のことが好きなのか?」
怜の手が止まった。衣緒菜の目が大きく見開いている。触れてはいけない領域に足を踏み入れてしまったか。やや性急だったかもしれない。案の定、憎悪に満ちた冷たい視線が向けられる。
「あなたには関係ない」
「関係あるぞ。彼女は私の奴隷だ」
怜がいきなり立ち上がった。両手が戦慄いている。
「だったら何?衣緒菜があなたの奴隷だろうが、私には関係ない。邪魔しないで!」
ピンと張りつめた空気を怜の叫びが切り裂く。衣緒菜を見る。彼女は泣きそうになっている。怜の腕に縋りついて、自分の主人様に敵意を剥き出しにする友人を宥めようとしている。
「怜、お願い。もう、いいから」
怜がすぐに優しい顔に戻って衣緒菜を見つめる。そして私の目の前で2人はキスを交わす。甘く濃厚なディープキス。怜の強い主張。

ゆっくりと時間が流れた。彼女が部屋に入ってきてから10分ほどが経過した。重苦しい沈黙。3人の主張は交わることなく宙に漂っていた。話し合って解決できるほど容易な問題ではない。衣緒菜は俯いたまま。怜はある一点を凝視することが多く、時折思い出したように衣緒菜の背中をさする。私はそんな彼女達の様子を眺めているだけ。灰皿の吸い殻が少しずつ増えてゆく。

しかし、ここで救世主が現れた。由衣が絶妙のタイミングでお茶と菓子を持ってきてくれたのだ。
「いらっしゃい。良かったら食べてね」
由衣が怜に微笑む。初対面の人間が由衣を目の当たりにすると、ほとんどの人間が彼女のあまりの完璧さに魅入ってしまう。すぐに畏敬の念を抱き、それでいて彼女が自分と同じ目線で語りかけてくれることに感動する。由衣の微笑みは氷の美少女を優しくほぐした。だが、それ以上の『衝動』がそこにあった。
「・・・葵さん?」
私は『葵』と呼ばれた由衣を見た。由衣の目は驚きに見開いていた。由衣、衣緒菜、怜。3人の美女の間の共通の空間。私の知らない彼女達の過去。由衣がチラリと私を見た。私は小さく首を振った。辛い過去なら言わなくていい。秘密は秘密のままにしておけばいい。

由衣は怜に微笑みかけただけですぐに下がった。怜は空を見つめた。
「そっか。葵さんも・・・」
そう呟いた怜は不思議なくらい穏やかな表情になっていた。探し求めていた何かを見つけたような清々しさが垣間見えた。そんな彼女の変化を感じ取って衣緒菜の表情にも明るさが戻った。ついに3人の緊張がほぐれた。
「葵さんのこと言って欲しかったな」
「ごめんね」
衣緒菜が私の視線を気にしながら、小声で謝る。怜は嬉しそうだった。ようやくチャンスが巡ってきた。
「怜、私のことは好きになれないのか?」
彼女は僅かに頬を緩めた。今までとは明らかに異なった反応だ。
「分からない。男の人、好きになれないの」
「衣緒菜オンリーか」
「・・・うん」
「怜、ご主人様とエッチすれば絶対に好きになるよ」
「バカ」
怜が衣緒菜を小突く。彼女は完全に『隠れ家』に打ち解けた。
「衣緒菜のことを好きになるのは自由だ」
「うん」
「でも、私がお前に惚れたのも事実だ」
「う・・ん」
「だから、一度お前を抱いてみたい」
怜の頬が赤くなる。私は視線を逸らさなかった。ここで弱気になったら彼女に信じてもらえなくなる。5秒、10秒。先に視線を外したのは怜だった。私は勝利を確信した。
「変な人。いきなり抱かせろって。ねえ、衣緒菜」
そう言った怜は満面の笑顔を浮かべていた。

「あっ!だめっ!・・っ!!イクッ!!!!」
私は全精力を怜に注ぎ込んだ。怜は衣緒菜にも勝るとも劣らない強烈な淫の力を秘めていた。
「あぁぁ!!!・・はぁ・・はっ!あんっ!!!」
前から後ろから横から。あらゆる体位で交わり、彼女を自分の色に染めてゆく。
「・・くっ・・あっ!またっ!!イッ・イクッ!!!!イクイクッ!!!」
飽きることなく何度も昇天を繰り返す怜。無限にも思える時間。ある時は炎のように、ある時は水のように、変幻自在な淫の姿で私を魅了し、私はその彼女の期待を裏切らなかった。ぶつかり合い、労り合い、密度の濃い身体の解放運動。抱え込んでいた重荷を吐きだし、肉体と精神を一気に昇華させる。疲れを知らない性エネルギー。行為は尽きることなく続くと思われたが、やがて終焉を迎え、最後は2人同時に果てた。

汗の匂い。身体の匂い。激しい行為が終わって私は怜を包み込むように抱きしめた。怜は抵抗しなかった。
「少しは好きになってくれたか?」
怜は私の腕の中でコクンと小さくうなずいた。
「衣緒菜はいい女だ。本当にな。私にとっても掛け替えのない女だ」
「うん」
「だけどな、今のままじゃ、お前も彼女も幸せじゃないだろ?」
「そう・・かな」
怜の声は今にも消え入りそうだった。
「あいつ、さっき、泣きそうな顔してただろ?その顔見て、お前は辛くなかったのか?」
「辛かった。でも・・・」
怜の手を握る。
「お前と衣緒菜の関係がどうであろうと私には関係ない。だがな、愛する奴隷と惚れた女が2人して不幸なのは堪えられない」
「・・・うん」
「今まで随分苦労したんだろ?私には何となく分かる。それに、お前は・・・孤独だな」
怜が手を握り返してきた。華奢な身体が細かく震えている。
「そろそろ自分を許してやれ。十分頑張ったと思うぞ」
「・・うん・・・あり・がとう・・・うぅ・・うっ」
怜が啜り泣いている。柔肌の温もり。氷の美少女が溶けてゆく。
「ここには衣緒菜と同じくらい素敵な女性がたくさんいる。知り合った瞬間からみんなお前の掛け替えのない友達になるだろう。別に私の奴隷にならなくてもいい。衣緒菜を愛し続けてもいい。だから・・・」
怜が私の言葉を遮って、唇を重ねてきた。短いキスの後、彼女は私を見つめて優しく微笑んだ。
「ちょっと好きになったかも」
彼女はゆっくりとベッドに身体を沈めた。すでに限界を超えていたのだろう。すぐに寝息が聞こえてきた。赤ん坊のような無防備な寝顔。幸せそうに口元が緩んでいる。彼女の裸体にシーツをかけてやる。甘えたように身じろぐ彼女。想像を絶する孤独を耐えた美少女。
「さて、新しい仲間の歓迎会の準備でも始めるか」
私は静かに寝室を出た。

「あっ、ご主人様」
衣緒菜が抱きついてきた。由衣もやってきた。
「お前達、私に隠し事をするとは良い度胸だな」
2人の美女は顔を見合わせた。私が本気で怒っていないことを確認して、ホッとしたようだった。
「ごめんなさい」
「まあ、いい。それより、衣緒菜」
「はい」
「怜の傍に行ってやれ。幸せそうに寝てるぞ」
衣緒菜は嬉しそうに肯いた。
「うん。ご主人様、ありがとね!」
衣緒菜はよく頑張ったと思う。許可なく他人を連れてきたのは不問にしよう。
「今回の件は貸しにしておく」

衣緒菜が寝室へ入るのを見送って、由衣の腰に手を回し、引き寄せる。
「あんっ」
「絶妙のタイミングだったな」
彼女があのタイミングで現れなかったら、怜は帰っていただろう。偶然なのか意図的なのか、詮索する必要はない。とにかく彼女がいなかったら、今の幸福感を手に入れることができなかったというだけのことだ。
「隠れたファインプレーのご褒美をしてやろう」
由衣はオモチャを買ってもらった子供のような笑顔を浮かべた。私は彼女を抱き上げて、ソファーに向かった。
「お前、その体型で何でこんなに軽いんだ?」
由衣は悪戯っぽく舌を出した。
「秘密です」
「やれやれ。秘密ばっかりの奴隷だな」
衣緒菜といい、由衣といい、私の奴隷は実に興味深い女性ばかりである。

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シリーズ連載 : 私と性奴隷たちとの日々